小澤征爾さんの最初期録音 | 復刻版

復刻版

栄光より挫折、成功より失敗、勝利より敗北…。

先日亡くなった小澤征爾さんが
最初期に録音したレコードは、
朝日ソノラマのソノシートと
ビクターの10inch盤が2枚ある。

また、大分後になって、
N響とのライブが発売され、

初期の貴重な演奏記録として、

聴くことが可能になった。

先ずは、ソノシートで出た、
朝日ソノラマの62年10月号だ。
「しゃべって弾いて指揮をして」
という内容で小澤さんが、
「ジュピター」交響曲を、
ピアノで弾いて解説している。





オケの演奏も一部流れるが、
"デビュー・コンサート"より
と記されているので、
61年5月27日、日本フィルとの
日本デビュー演奏会だと思う。

解説は菅野記者となっているが、
多分、菅野沖彦氏であろう。
朝日ソノラマの録音といえば、
無論、菅野録音である。

軽井沢での録音を予定したが、
ピアノの不備のために不可能に。
夜中に東京まで連れ帰って録音、
その日のうちに、
山のような仕事と家族の待つ、
軽井沢へ送り返す。

といった、強行軍の
エピソードが書かれている。

同記事には小澤征爾さんを、
昨年10月号でも紹介ずみ
と付記されているが、
音源も付いていたかは不明だ…。

次の東混「黒人霊歌」が

最初の本格的録音だと思う。
演奏者は東京混声合唱団、
ビクター・アンサンブル
とジャケ裏に記されている。


東混「黒人霊歌」 VICTOR SLV-524



そして同時期の発売が、
映画"ウェストサイド物語"

がデザインされている、
東混 ミュージカル・ハイライトだ。


東混 ミュージカル・ハイライト  VICTOR SLV-526


東京混声合唱団、
原信夫とシャープ&フラッツの演奏、
南安雄さんの編曲、そして、
永六輔さんの解説が載っている。
ただし、演奏はつまらない…。

それから、伝説のN響との
"トゥーランガリラ交響曲"が収録された
『N響輝ける60年の軌跡』がある。
1986年に発売されて、
定価は50,000円だった。


当初は抜粋として、
販売を予定されていたが、
実際に発売された時は
全曲!に変わっていた。

発売後に驚いた記憶がある。


じつは、全曲でないと思って、

新品の購入を見送っていた。

中古盤で購入した時に、

全曲だということを知った。

その、私の所有している盤は、
忘れもしない、
高田馬場の中古レコード店

「タイム」で購入したもの…。


店主が「良い盤が入ったよ」と、
外箱付の盤を取っておいてくれた。
今も貴重な資料として、
箱付きのまま保管している。
でも、聴きたいと思っても、
擦れるのが嫌で出せない…。

さて、小澤征爾さんの日本録音は、
この後、70年頃に録られた、
日本フィルとの数枚まで、
無いと考えている。


他にNHKの効果音録音があるが、

特殊な録音を除いて、

上記以外の盤をご存知の方は、
教えてほしいと願う。