先日、渋谷の歯医者へ行った帰りに、
久々にHMVに寄った。
クラシックを扱っていないので、
滅多に入らないが、
時間があったから寄ったのだ。
目当ては、まともなLPでなく、
ゴミの集まっている110円コーナー。
映画音楽かイージーリスニングの
聴いてもいい盤があるかもしれない、
と考えたのである。
無論、期待などしていない。
単なる暇つぶしだ。
ゴミ盤のカビ臭と格闘しながら
数分で見終わろうかという時、
一つのBOXに目が留まった…。
バーンスタインがメトを指揮した
「カルメン」全曲、
3枚組のBOXセットだ。
知る人ぞ知る珠玉の盤である。
しかもドイツ・オリジナル盤…。
何故、珠玉の盤かというと、
演奏もさることながら、
TASの"Super LP List"
に掲載されている、
優秀録音盤なのだ。
しかも箱はキレイだし、
中身も3枚とも傷なし、
豪華の解説書もカビや擦れがなく、
73年の内袋に入った、
オリジナルのドイツ盤である…。
既に所有しているが、
仕舞い込んで探すことも出来ず、
多分、私のものよりも美品で
値段がたった110円！ということで、
買ったのはいうまでもない。
それにしてもTASリストのLPが、
たった110円で買えるとは、
クラシックの店でない故だろう。
とりたて珍しいセットではないが、
専門店なら数千円はするし、
16,500円なんて阿呆な価格の店もある。
帰って早速聴いたが、
この演奏をLPで聴くのは、
本当に数十年ぶりだ。
最近はセンスのないデザインの
SACDで聴いていた。
ノイズも無くキレイな盤面で、
優秀録音は疑いもなく、
あっという間に、
全曲を聴き切ってしまった。
財布に優しい買物で、
最近、本当についている…。
思わずほくそ笑んでしまう。