過去の記憶を辿りつつ、、、 | 日本舞踊の面白さを伝えたい

日本舞踊の面白さを伝えたい

ふきの会は20余年にわたり、日本舞踊を見たことのない方にも理屈抜きで面白く見ていただきたいと数々の作品を作ってきました。日本中そして海外の方々にも日本舞踊の面白さを伝えたい! 

こんにちは。
泉宙志です。

美術製作日誌連載開始です!


まずは、ふきちゃんの舞台のために、最初に作った美術を紹介します。


「日高川入相桜」の清姫の面と般若(真蛇)の面


実は、最初に作り出したのは「狐葛の葉」の狐面。でも「日高川入相桜」の方が先に本番を迎えたので、狐面の製作は中途で放置です。


どちらの作品も頼まれたのは面なんだけど、
面なんて作ったことないし。しかも日本舞踊用の面なんて。
あ、作ったことないってのはウソだな。子どもの頃、節分で鬼の面は作ったし。あと厚紙にヒーローの顔描いて輪ゴム通したやつとか、あと別の舞台で被り物は作った。面と被り物は違うけど。。。



はてさてどんな面をどうやって作ったらよいのやら。





調べました!



ただ、

今回作るのは日舞用の面です。
日本舞踊では、面を紐で顔に固定するのではなく、口で咥えます。



!?



口で咥えます。



………



そのため軽くなくてはなりません。


たどり着いた結論は、




張り子の面。

和紙をハリハリ張り重ねて作ります。





調べました!張り子の面の作り方。





製作にあたって僕は、昨年惜しまれつつ亡くなられた、横浜ボートシアターの遠藤啄郎さんのお話を思い出していました。遠藤さんは演出家であり、作家であり、美術家でもありました。ご自身が演出する舞台のために数多くの面を製作しています。その面の製作行程を話して頂いたことがあったのです。
遠藤さんが作る面は革を使います。今回僕が選んだ素材は和紙ですが、その工程は同じです。




さあ、楽しい楽しい面作りの始まりです!

続く


[ 作品紹介 ]
前回の記事で書いた「鶏娘」のための扇子。
黒子が鶏役をやりながら色んな使い方をしました。
黒子自身が鶏でもあるので、鶏の絵は部分的なクローズアップにして、反面には羽を描きました。

泉宙志