『葛の葉』は、女狐の名 | 日本舞踊の面白さを伝えたい

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ふきの会は20余年にわたり、日本舞踊を見たことのない方にも理屈抜きで面白く見ていただきたいと数々の作品を作ってきました。日本中そして海外の方々にも日本舞踊の面白さを伝えたい! 

昨年11月に公演した『狐葛の葉』は、
平安時代から語り継がれる
狐女房の伝説、『葛の葉』伝説を
日本の様々な語り芸でつづった
舞踊劇でした。

どんな物語か、ダイジェストに言えば、
安倍 保名(あべの やすな)という男性に
命を助けられた女狐が
女性に化けて『葛の葉』と名乗り、
恩人の保名と夫婦になって、子を産む。
その子がのちに超能力者として
世に名をはせる陰陽師(おんみょうじ)・
安倍晴明(あべのせいめい)。

秋のある日、庭に咲いた蘭菊に
みとれていた葛の葉は、うっかり
人間に化けている事を忘れ、狐の正体を
子どもに見られてしまいます。

正体を見破られたら、
もう人里にはいられないのが狐の掟。
葛の葉は障子に別れの歌を書き残して、
泣く泣く信太の森へ帰って行きます。

この話を江戸時代の作者・竹田出雲(たけだ いずも)が脚色してできたのが
『蘆屋道満大内鏡(あしやどうまん おおうちかがみ)』。
こちらの話では、狐の葛の葉のほかに
人間の葛の葉も登場します。
なので、ストーリーはより複雑。
 
1月23日(土)に説経浄瑠璃で踊らせて頂く『葛の葉』は、こちらの複雑なほうの物語です。
説経浄瑠璃って? の話は、また次に。

坂東冨起子

新聞の折り込みの中に、↑このチラシが入っていました

昨秋の坂東冨起子舞踊公演『狐葛の葉』