波紋 | fukinfukinのブログ

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84点
 
須藤依子(筒井真理子)は、緑命会という水を信仰する新興宗教にのめり込み、祈りをささげては勉強会に勤しんでいた。庭に作った枯山水の庭の手入れとして、1ミリも違わず砂に波紋を描くことが彼女の毎朝の習慣となっており、それを終えては静かで穏やかな日々の尊さをかみしめる。しかし長いこと失踪したままだった夫の修(光石研)が突然帰ってきたことを機に、彼女を取り巻く環境に変化が訪れる。
 
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筒井真理子って、民放ドラマにも積極的に出演してますよね。
彼女がドラマの脇役で出演してるのを見る度、
いや、映画でも脇役として出てる彼女もそうだけど
やっぱ筒井真理子は主演であってこそ光る女優だと
この作品を観てつくづく感じた。
 
 
この主人公 依子を仮に天海さんとかがやっても
ぜんぜん迫力なかったと思う。
まあ、天海さんはミスキャストだとは思うけど
やっぱり、普通感の出せない女優は
女優であって、女優でない・・・みたいな。(/・ω・)/
 
その点、同じように夫役の光石研も然りなのだ。
この二人が夫婦を演じたからこそのリアリティと切迫感。
 
面白かったです!!!
 
あと、名脇役をそろえていたが
江口のりこ、平岩紙、ムロツヨシなんかも出てたけど
この3名は、そんなに必要性感じず。
波紋_b0138923_09465281.jpg
 
出色だったのはやっぱり木野花!!!!
 
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清掃員のおばちゃん役の存在感が見事!!
 
まあ、現実には依子のようなタイプはあんなふうに清掃員の
おばちゃんと仲良くなるかな??とは思うけど。
でも作品の中では、依子にとってターニングポイントになるわけなんだけどね。
 
 
依子という女性の人生で、いろんな波が彼女に襲いかかるわけだけど
永年連れ添った夫の蒸発なんて、あきらかに
すべての難を夫は放棄し、依子に押し付けた。
 
自分の家庭も親も、仕事もほっぽり出して消えた夫。
そして、癌になって「助けてくれ」と帰って来た夫。
 
こういうなんて言うか、見たくないものや抱えきれなくなったら
男って逃げるじゃん。
依子の夫みたいな旦那さん、結構見たり聞いたりします。
妻に甘えるのが当たり前で、その甘えすら甘えと夫は
気づきもしていない気がします。(゜_゜)
(実際、男性のこの作品レビュー見ましたが
いまいちピンと来なかった見たいに書いてて「そうだろうそうだろう!わかるもんか」
と思いました。)
 
女って、どういうときに男に甘えたらいいんでしょう?
甘えることは依存でしょうか??(甘える男いないしわからん・・・)(=゚ω゚)ノ
 
きりりと双方が依存心なしで夫婦でいることなんて
無理なようにも思うけど、やっぱ蒸発はいかんよな。
 
帰って来た夫を家に入れる依子が、軽蔑するような目で
夫を見ながらも受け入れてしまうのは
宗教にこそハマっている依子に夫のほかに
異性の存在がなかったからかな?と見たり。
 
結局、孤独と不安感が人を迷わせるのかな。
 
夫も出て行き、舅は死んで、息子も家を出た。
独りになると心が迷子になるんだよね。
 
だから夫のことも、どんなに恨んでてもまた家に入れちゃった。
 
嫌いでも夫婦という形は離婚しない限りあるわけで。
作中、木野花が言った「あるのにない、ないのにある」というフレーズに
とても考えさせられた。
 
 
花と石。
赤と黒。
雨と晴天。
男と女。
 
そんな対比と比喩の表現も面白く観た。
 
あと、息子の彼女役の津田絵里奈と言う女優が
凄いインパクトで、ちょっと怖いくらいでした。
 
それに息子の母親としての対応が凄いリアルで…
一番ふるえたわ。( ゚Д゚)
(きっと息子さんのいるお母さんならドスコイでしょう)笑
 
 
 
 
 
DVDのメイキングが収録されてて
その中で撮影の合間に真理子さんと光石さんが
家の庭のパラソルの中で、夫の修の蒸発の期間ことを話してて
光石さんが「俺、修は畑仕事なんかしてないと思う」と言うと
真理子さんが「うん、してないと思う。女!!!
女がいたけど、その女が死んだ!だから戻って来た」って言ってた。
 
私も修については同じ事思ってたので笑った。