F’s function -2ページ目

2007/12/16(偽装系トリック 馬刺し篇)

ウマく騙したつもりが…赤身に脂注入「霜降り馬刺し」 公取委、大手居酒屋チェーンに排除命令

…ZAKZAK(社会)

 

 

 《馬の赤身肉に脂を注入し、「霜降り馬肉」と称して販売したのは、景品表示法違反(優良誤認)に当たるとして、公正取引委員会は14日、居酒屋チェーンなど5社に再発防止を求める排除命令を出した。

 

 命令の対象は居酒屋「白木屋」「月の宴」などを運営するモンテローザ(東京)、「村さ来」の村さ来本社(同)、「酔虎伝」「八剣伝」のマルシェ(大阪市)。ほかに食肉製造販売のファンシー(東京)と業務用スーパーのトーホー(神戸市)も命令を受けた。

 

 公取委によると、5社は2005年から今年にかけ、居酒屋のメニューやチラシで、馬のたてがみ脂を注入した馬肉を「霜降りとろ桜刺し」「国産霜降り馬刺し」などと記載し、天然の霜降り馬肉のように表示した。

 

 居酒屋チェーンは、加工肉であることを認識していた。3社合わせて約1000店舗で、計約7億2000万円を売り上げた。また、ファンシーとトーホーの売り上げは計約8億7000万円だった。居酒屋では1皿600円程度で販売していたが、馬産地の天然霜降り肉は2000-3000円するという。

 

 加工肉は、国産やカナダなど外国産の赤身肉に針を刺して脂を注入。卸値は1キロ当たり3000-4000円で、赤身の倍、天然霜降りの半額程度という。卸し段階では、年間約16億円の売り上げがあるとされる。

 

 各社は「馬肉ではあるので問題ないと考えていた。命令を厳粛に受け止める」などとしている》

 

 

 今年これだけいろいろな食品の偽装の話題が出るということは、その氷山の水面下ではもっとたくさんの同種のトリックが施されているのだと思わせます。そして多分、気付かずにわれわれの口の中に入っているのだとも思います。それでいて大体の人は健康体なのだから、まぁいいんじゃないか、と思ったりするのは甘いでしょうか。

 

 多くの人は、これでもかこれでもかというような”偽装系”にもう食傷気味だったりするのかもしれません。僕もそんな感じなのですが、じゃあなぜこのニュースを取り上げるのかといえば、知人との忘年会で近所の「八剣伝」を使おうと考えているからであります。注文するときは、「霜降り馬刺しアブラ抜き」にしてもらいます。

 

 《居酒屋では1皿600円程度で販売していたが、馬産地の天然霜降り肉は2000-3000円するという》ということで、モノやサービスの値段に対する情報がもっと豊富であれば、消費者もおかしいと感じるはずです。僕は残念ながら馬産地の天然霜降り肉の相場を良く知りませんので、一皿600円に違和感を感じずに食べてしまうと思いますが、、、

  

 まぁ簡便法で見分けるならば、”高級・・・”と記載されていたり、世間一般で入手が難しいものほど値段も張るはずなので、それが一皿600円(お得)などとあれば、その値段差を埋めるトリックが施されていると考え、手を出さないほうがよいのでしょう。

 

 もうひとつ、日本人の「霜降り信仰」も過度の妄信は危険なんだなぁ、と思います。筋肉ではなく贅肉を食べて美味いと言っているようなものであり、それはそれで贅沢なんでしょうが、大半の人の味覚の閾値はお肉に脂を注いだのと同程度なわけですから、それほどありがたがるものではないのかもしれません。

 

 「白木屋」「月の宴」、「村さ来」、「酔虎伝」「八剣伝」。非常に失礼だと思いますが、世間一般では「安かろう悪かろう」というイメージもある居酒屋だと思います。そのかわり、多くの人のサイフにやさしいお店でもあり、非常に数多く利用されています。僕も年末に利用します。

  

 個人的には、この際、値段は気にしませんのでどうか最低限の安全性だけは担保していただきたいと願っています。

2007/12/14(行動経済学が来た)

セイラー教授の行動経済学入門/リチャード・セイラー
¥1,890
Amazon.co.jp

 

 どうやら行動経済学が浸透しはじめているらしいです。これまでの合理的な経済人モデルに疑義をいだき、実験を通じて実証的に人間らしいモデルを構築していこう、というのが行動経済学の狙いだと思いますが、それが今ジワジワと勢力を伸張しています。

 

 実は個人的にはまだまだ本書の内容も、ましてや行動経済学そのものの深みについても、理解していません。なので、不完全な状態で以下のモロモロを書きます。行動経済学そのものについては、いずれもっともっと詳しく調べたいです。

 

 行動経済学のトピックの中で、最近特に気になっているのが心理会計(メンタルアカウンティング)というものです。人は、それぞれの勘定体系に、経常所得勘定、資産勘定、将来所得勘定、という3つを持っているらしく、それぞれでお金の使い方にも影響が出るそうです。

 

 よく引き合いに出される上記の例としては、毎月のお給料はコツコツと貯金するが、ギャンブル等で得た臨時収入については、パーッと使い切ってしまう、というケース。経常所得勘定、資産勘定、将来所得勘定ではそれぞれに限界消費性向に違いがあり、それがお金を使う・使わないに影響を及ぼしているのです。

 

限界消費性向の説明はこちら  

 

 ということで、本書には上の例のような単純なものではなく、各種の調査や統計データをもとに、限界消費性向とからめてメンタルアカウンティングについて解明を試みているのです。

 

 個人的にはものすごく卑近な考えを持っていて、メンタルアカウンティングの特性を利用して(その特性自体が実際のところまだまだ不透明ですが、、、)人々のサイフのひもを緩めることができないだろうか、と思いをめぐらせています。

 

 もちろん臨時収入すべてがパーッと費消されるわけではなく、その金額の多寡により経常所得勘定に振り分けられるか、あるいは資産勘定に行くかは違うと思います(本書にもそうあります)。他人のサイフのひもをコントロールするなどということは、まったくもって至難の業でしょう。

 

 あるいは、メンタルアカウンティングから離れて、別のことも考えたりします。たとえば、得たお金に対する執着心によって限界消費性向は違うのではないか。あるいはお金を使ったり補充したりするコスト(手間)によっても、消費意欲が変わってくるのではないか、などなどです。気分的にはありうる話かなと思います。

 

 心理的には経常所得勘定、実際はおそらく給与振込口座、がより利便性を増せば、「ついつい余分消費」と呼べるような少額の消費支出が増えるのではないかと思います。電子マネーやおサイフケータイなどは、これに当てはまるでしょう。操作性の良さが、お金を使うことに対するコスト(敷居の高さ)を和らげているように思います。

 

 あるいは、カードのポイントなどによっても「ついつい余分消費」が増えるのではないかと思います。特に有効期限付きのポイントを利用することで、駆け込み気分から支出が増えることが予想されます。

 

 まとまった高額の収入は、メンタルアカウンティングの考え方から資産勘定にストックされがちです。であれば少額の収入についてはどんどんとお金が流れていくはずです。また、「ついつい余分消費」的な考え方をしても、少額決済やポイント流通の整備により、人々の消費意欲が刺激されるのかなぁと思われます。

 

 そうは言いつつも、このように書いていてまだしっくりこないところがあります。ということで、もう少し考えをまとめてからもう一度書くことにします。

2007/12/12(機種変更のコスト)

機種変更 負担重く 中小パチンコ倒産増 九州 負債額、前年比6倍

…Yahoo!ニュース(西日本新聞)

 

 

 《九州で中小のパチンコ店運営業者の経営破たんが増えている。信用調査会社の帝国データバンク福岡支店(福岡市)によると、今年の九州の倒産件数(10日現在)は前年比4件増の8件、負債額は同6倍の152億円。ギャンブル性が低い機種への変更に伴う経費負担の増加などが背景にある。
 
 倒産した企業を県別に見ると、福岡県4件、熊本県2件、長崎・大分県が各1件だった。特に数店舗を運営する地場中小業者が目立った。
 
 パチンコ業者は10月から、国の指導でギャンブル性が低いスロット機の導入が迫られた。特に中小業者ほど入れ替えの負担が大きくなった。さらに、全国準大手の倒産で、機種リース会社や銀行が取引条件を厳しくしたことも業界の資金繰りを悪化させているという。消費者金融が貸出先の見直しを進めており、それが、パチンコ利用者数の減少につながっているとの見方もある。
 
 帝国データバンクは「年末年始で売り上げを順調に伸ばせられなければ、中小業者の倒産はさらに増える」とみている》

 

 

 僕自身はパチンコもスロットもしません。家族も然りです。なのでこの業界の動向がどのように推移しても、というか業界全般に冬の時代が到来しても、特に感傷的な気持ちになったりはしないです。むしろパチンコ・スロットにうつつを抜かすような人は減った方がよいと思っております。

 

 ただし、このニュースにはいくつか考えさせられる箇所があります。

 

 ひとつは、”国の指導”つまり保守化政策によって、業界そのものが干上がってしまうということです。規制は撤廃されるもの、緩和されるべきもの、というイメージが刷り込まれていますが、行政の関与というのは結局のところ規制を敷くということに他ならないのだなぁ、とあらためて感じました。

 

 もちろん、今までが射幸心を煽りすぎていた、ということなのかもしれません。ですがともかく、国の指導は行き過ぎる面があると考えてよいと思います。

 

 もうひとつは、『消費者金融が貸出先の見直しを進めており、それが、パチンコ利用者数の減少につながっている』というのが事実だとした場合、その相関関係はあまりにも切ないということです。消費者金融業界も、”国の指導”により極端にウマミの少ない商売になりましたが、そういった消費者金融に左右させられるパチンコ業界は脆弱です。あるいは、成熟していない人間を対象に商売をしていたということかもしれません。

 

 ちなみに「ギャンブル性の低い機種」とはどういったものなんでしょうか。スロットのほうが全般的にギャンブル性は低いのでしょうか、よくわかりません。

 

 そもそもギャンブル性が高い、というのはハイリスクハイリターンと言い換えてもよいのでしょうか。であれば、平均して一人当たりの投入金額が減少したということかもしれません。少ない金額で遊べるけれど、大当たりすることもなく毎回少額の損を出す。というような遊びに変わってきているのかもしれません。

 

 最終的に市場規模が縮小してしまった、という結果だけが残りそうな今回の措置ですが、それもやむをえないのかもしれません。それまでパチンコやスロットで遊んでいたが、お金に詰まってしまったというような人たちが、今後何をして時間をつぶすのか。少し気になります。

 

 


2007/12/12(物価はどうか、金利はどうか)

 日々いろいろなニュースが流れますが、僕は最近、つとに経済方面に興味があり、まぁ知識はあまりないですが、とにかく日経よく読むという感じで、いろいろ目に付くようになってきました。

  

 

牛乳3%以上値上げ、来春から明治・森永

…Infoseekニュース(読売新聞)

 

 《乳牛の飼料価格の高騰を理由に生産者団体が求めていた原料の生乳の値上げを一部認めるため》とあります。なるほど、原材料費の高騰のおかげで、庶民の生活にしわ寄せが来てるんだなぁ、なんていっぱしの皮肉を言いたくなります。

 

 

11月の消費者心理、4年ぶり低水準

…NIKKEI NET(主要ニュース)

 

 《今後1年間で物価が上がるとみる消費者が多く、暮らし向きや耐久消費財の購入について慎重になっている》とあります。物価があがるんじゃないか⇒じゃあちょっと蓄えを増やさないと⇒買い控えだね⇒景況感の悪化、という流れになりそうな雰囲気です。

  

  

米家電量販の淘汰加速、中堅が撤退や破産申請へ

…NIKKEI NET(主要ニュース) 

   

 《米個人消費の伸び悩みに加え、ウォルマート・ストアーズなど小売り大手が安売り攻勢をかけており、競争激化の中で中堅各社は苦戦している》とあります。アメリカも個人消費が伸び悩んでいます。 

 

東南アジア株式=シンガポールは反発、米国の利下げ期待で

…ロイター(マネーニュース)

 

 利下げ期待で、株式市場が反発しています。

 

 

各国中央銀行、利下げモード…出口見えないサブプライム

…フジサンケイビジネスアイ(金融・証券)

 

 《米国の低所得者向けサブプライム(高金利型)住宅ローン問題の混乱が続くなか、世界の中央銀行が金融緩和へ雪崩を打ち始めた。英国やカナダが今月、利下げに踏み切り、震源地の米国も追加利下げが確実視される。欧州などではインフレ懸念も台頭するが、出口の見えないサブプライム問題の広がりに、金融市場の安定化と信用収縮懸念の払拭(ふっしょく)へ、日銀を含む中央銀行は対応に苦慮している》

 

 

 ということで、いろいろとニュースを見ると結局よくわからなくなってきます。原油高があって、また中国・インドあたりの消費水準の爆発的な増加から、物の値段が上がっています。日本はグローバルにリンクしていますから、燃料や原材料の値上がりが、一般的なモノの値段に反映されます。

 

 物価がだんだんと上がりそうだ、と各種調査や企業の行動から読み取ることができます。こうなると金利も上がってくるはずなんですが、ところが世界はサブプライム問題で金利が上がらない。むしろ下がるんじゃないか、というような状況です。これがよくわからない。

 

 足りない知恵を絞って考えてみると、それぞれの懸念点の時間的な長さを考えてみるのがよいかもしれません。たとえば、サブプライム問題ですが、確かにこれは全貌の見えない問題であり時間がかかるのかもしれませんが、今はとにかく世界各国の金融機関が損を、つまり膿みを出し切っている時期でしょう。それが収束すれば、金融政策も通常モードに移行するはずです。

 

 しかし、中国やインドの資源消費の増加というのは、とてもじゃないですが一時的な現象で済まないはずです。日本に入ってくる外国産品が少なくなれば、供給不足からモノの値段は上がっていくでしょう。

 

 やはり物価上昇モードでしょうか。とすれば、金利も徐々に上がっていくでしょう。そして預金金利が追随していけば、いまだに預金が中心の日本人のサイフの紐も緩んでいくのではないでしょうか。

 

 といってもここまででは為替のことを考えていません。アメリカがカンフル剤として利下げを行えば、日米の金利差が縮まるため円が買われるかもしれません。とすると円高になります。円高になれば日本の購買力が高まるため、外国からの購買余力が増え、そのためあまり物価が上がらないということになるかもしれません。 

 

 結局こういうことを考え出したら、何がなんだかわからなくなります。それは当然で、景気や株価や金利や為替の決定にはさまざまな要因があるため、一人でシミュレーションしたところで答えがでるわけがないのです。

 

 仮に中国の景気がこのままだと仮定すれば、原材料の高騰が続き日本の物価は上がっていくでしょう。そして金利も上がります。金利が上がれば、利子所得が増えるため日本人の景況感はむしろ改善されていく。と僕は考えています。

 

 ただしこれも中国の景気あるいは中国政府の経済運営がこのまま順調に行けば、の話。これが悪化するとまた、違った方向に行ってしまうかもしれず、そうなるとやっぱり景気は、世界経済は、難しいですねぇ。 

2007/12/11(採用市場激化)

採用市場激化、新卒採用年間コストは1322万円

…Yahoo!ニュース(MarkeZine)

 

 

 「へぇ~」という話です。現在人手不足が深刻化しているのか、あるいは将来の人手不足を見越してなのか、ジワジワと採用コストが増えているそうです。短期的に見て企業業績には減益要因、中長期で見ると、人材を生かせればという条件付きで増収増益でしょう。そのための先行投資といえます。

 

 それはよいとして、記事の最後に、

 

 《最後に「中途採用したいタレントランキング」も発表され、1位は「ビートたけし」、2位「明石家さんま」、3位「所ジョージ」、4位「島田紳助」、7位「渡哲也」、8位「タモリ」とおじさんタレントが上位を占める結果となった》

 

 とありますが。なんでもかんでもランキングすりゃいいってもんじゃないでしょう、と思います。この「なんでもかんでもランキング癖」はなかなか根深いような気がします。一応、傾向を探るならば、高額の採用コストに見合った即戦力の人材を採用したい、という企業側の意識が見て取れ、、、るかどうかはわかりません。

 

 結局、人気投票になってるような気がしますが。

2007/12/9(音楽で病気は治らないか)

「音楽で病気治る」ミクシィ悪用新種マルチ商法の実態

…ZAKZAK(社会)

 

 

 《「音楽の癒やし効果で病気が治る」と携帯型音楽プレーヤーをマルチ販売していた神戸市の健康機器販売会社が、特定商取引法違反で経済産業省から一部業務停止命令を受けた。「血液がサラサラになる」「脳梗塞(こうそく)が治る」と万病に効くかのような触れ込みで11万人の会員を獲得したが、夕刊フジが入手した会員向けマニュアルによると、会員制ネットワーク「ミクシィ」を悪用した会員集めまで行っていた。あの手この手で繰り広げられた新種マルチ商法の実態とは-。

  

 処分を受けたのは、「サンヨーメガ」(三浦洋社長)。同社ホームページによると、1998年に設立され、東京や福岡、札幌に支社があり、年商70億円。冷え性や肩こり、腰痛に始まり、アトピーや鬱(うつ)病、パーキンソン病、揚げ句は「頭がよくなる」「子供が生まれる」と言って1台36-39万円で音楽プレーヤーを販売していた。

  

 障害者や認知症の高齢者に売りつけるケースもあり、全国の消費生活センターには1800件を超す相談が寄せられていた。

  

 紹介者を増やすほど、「マネージャー」「スーパーエグゼクティブ」と地位が上がり、「情報料」と称した報酬がアップするのはほかのマルチ商法と同じだが、手っ取り早い会員獲得手段として狙われたのが、会員数1000万人超を誇るソーシャルネットワーク「ミクシィ」だった。

  

 ミクシィは個々の会員がブログを掲載、閲覧者がコメントする形式で、会員制の安心感から手軽に友だちを増やす場として急成長したが、ここに「家にいながら、月100万円はもうけている」と記載、手軽なサイドビジネスに見せかけて主婦を中心に浸透し始めた。だが、幹部作成の「ミクシィ戦略マニュアル」によると、それだけではなかった。

  

 ミクシィはブログを閲覧した人がどの会員か通知する「足跡」機能を採用。会員は足跡を見て自分のブログを閲覧した相手のブログを訪れる。マニュアルではこの機能を悪用、会員に「自動足跡付けソフト」と呼ぶソフトをダウンロードさせ、1日何千もの足跡を付けさせたうえ、足跡を見て来た“カモ”に「いい話がある」と近づかせた。

  

 マニュアルには「〇〇さんは在宅のお仕事に興味おありなんですか? なんだか親近感がわいてしまいました~♪」と勧誘事例を列挙、コピーしてメッセージを量産するよう勧めていた。

  

 元会員女性は「1日最低500件は足跡を付けるよう言われ、付けまくりましたが、結局、効果もなく罪悪感からやめました」と話すが、同社は「一部会員が勝手にやっていることだ」とネットなどで主張していた。

  

 10月末には突然、会員にネット上の勧誘を禁じ「さらなる発展を見据えた大変革」と称し社名変更を通知。被害相談に乗る行政書士は「訴えられても財産を差し押さえられないための社名変更ではないか」とみている。

  

 一方、ミクシィは「公認のものを除く、広告、宣伝を禁じており、マルチ商法の勧誘行為には削除や使用停止措置を講じているが、個別の企業対応についてはお答えできない」としている》

 

 

 携帯型音楽プレーヤーで、「血液サラサラ」、「脳梗塞(こうそく)が治る」、「冷え性や肩こり、腰痛」、「アトピーや鬱(うつ)病」、「パーキンソン病」、「頭がよくなる」、「子供が生まれる」、、、というのはこれまたエゲツナい。これが本当ならば万能細胞どころではないノーベル賞級の発明ですが、当然そんな報せは聞いたことがないわけです。

  

 リンク先の画像を見ると、プレーヤーの外形はソニーのPSPっぽい感じ。社名には”サンヨー”と入っています。「さては社長、家電メーカー好きだな」と感じてしまいますが、それで同情する余地はありません。だいたい音楽プレーヤーであれば、聞く曲はなんでもよいのでしょうか。何を聞いても万病に効くのでしょうか。考えるのもアホらしいことかもしれませんが。

 

 何度も何度も言いますが、困っている人に付け込むというのが良くない。藁をもすがるぐらいに困っている人ほどこういった悪質な被害に遭う、というのは大きな矛盾です。

 

 Wikipediaには、マルチ商法についてこう書いてあります。

 

 マルチ商法自体は違法ではない、とあり驚いたのですが、形態上一部(上位の人間)以外は商売にならず、かつ容易にトラブルを引き起こすことが目に見えているわけですから、もう少し強い規制をかけるべきだと思います。


 でも、こうやってニュースに載るようなものは、明らかに効果がないのがはっきりしている事例ですが、そうではなくて、効果もはっきりとわからないようなグレーゾーン商品は世の中にたくさんあると思います。快眠、ストレス軽減、美肌、便秘、、、といった項目であれば、ジャッジがあいまいになるし値段も高くないため見過ごされているケースが多いのではないでしょうか。

 

 そう考えると、世の中に出回っている商品の多くは、過大な効能を謳っている割にはちっとも効かないモノばかりなのかもしれません。だから、消費者は的確な判断を下せず、マルチ商法にひっかかってしまう。と結論付けるのは言いすぎでしょうか。

2007/12/9(睡眠時間減)

睡眠時間減と労働時間増が日本経済に与える影響は?

…R25.jp(経済)

 

 

 《2002年から始まった戦後最長の景気拡大が続くなか、総務省による平成18年の社会生活基本調査では、睡眠時間がこの20年間で最短となり、逆に労働時間は増加へ転じた。このことから、「睡眠時間を削って働いたことが景気拡大につながった」と考えるのは短絡的だろうか…ということで、いろいろ調べてみたら、興味深い数字が見つかった。
 
 2006年に日本大学の内山真教授は、睡眠不足からくる作業効率の低下や事故による経済的損失が年間で約3兆5000億円にものぼると算出したのだ。ただし、ここには睡眠障害が引き起こす健康被害の損失は含まれていない。睡眠不足は判断力を低下させ、大事故の原因になるだけでなく、うつ病、高血圧、糖尿病の原因または悪化要因になることも分かってきており、トータルの損失額は計りしれないという。
 
 一方、睡眠不足と労働時間の増加、景気拡大の相関関係について、昭和女子大学の矢野眞和教授は、「日本はもともと世界の中でも平均睡眠時間が短い国であり、労働時間の増加や睡眠時間の減少が景気拡大に直結しているとまではいえませんね」(同)と分析している。現状では明確な関連性は見出せないようだ。

 しかし、睡眠不足のまん延が逆に新たなビジネスチャンスを生んでいることは間違いない。質の高い仮眠をとるための睡眠サロンや、デイユースプランを用意しているホテルが増えており、気圧を高めたカプセル内に入ることで酸素を細胞の隅々まで溶け込ませて疲労回復効果を得るといううたい文句の睡眠(酸素)カプセルも注目を集めている。そして、それらの利用者の中心は30~40代の会社員だとか。彼らは最も働いており、かつ睡眠時間の短い世代でもあるのだ。
 
 業績拡大のために毎日夜遅くまで働いても、睡眠不足から遅刻やミスをしたり、体を壊してしまうようでは会社も困るはず。何事もほどほどが一番!?》

 

 

 mixi経由で見つけたニュースですが、mixi内のアクセスランキングと日記ランキング(日記に引用された回数)ともに1位だったということは、いかに多くの人たちが睡眠不足について関心を持っているかがわかるというものです。

  

 こういうニュースに関心のある人には、たぶん二通りのタイプがあって、一つは本当に睡眠を削って仕事をしている人で、文句を言いつつも鬱の一歩手前になるまで激務をこなすようなタイプです。もう一つは、実は十分な睡眠時間を取っている人で、こういったニュースを見てもっと寝ちゃう人。たぶん怠け癖のある人だと思います。僕は後者のタイプです。

  

 とはいえ、世の中がある程度スムーズに流れているのは、寝ずに仕事をしている人たちがいるからだと思います。24時間開いていたり、期限内に間に合わせたり、1分でも早く配達したり、という上質の機能を多くの人たちが睡眠時間を削って担っているために、われわれは高度な文明生活を営むことができるのだと思います。ぐっすり寝てしまう僕は、その恩恵に感謝しなければいけません。 


 なので、そういう社会を支えている人たちの声が、mixiのアクセスランキングと日記ランキングを1位に押し上げているのだとも言えます。まだ悲鳴や怨嗟の声、というところまでは来ていないと思いますが、危険な水準に近づいているのかもしれません。

2007/12/8(新たな居場所)

団塊世代に新たな居場所? 50万人そば打ち愛好

…Yahoo!ニュース(産経新聞)

 

 

 《■道場入門、プロ転向組も続々
 
 団塊の世代を中心に広がる「蕎麦(そば)打ち」人気。余暇で楽しむだけでなく、道場に入門して本格的に修業、定年前に会社を辞めて開店するプロ転向組も少なくない。関係団体によると、愛好者は全国で約50万人にのぼるという。一方で「群れるのが好きな団塊の世代が求めた身の置きどころ」と冷ややかな声も聞かれる。その人気はいつまで続く?
 
 ◆人生が変わった
 
 兵庫県三田市の「永沢寺そば道場」で先月23日から3日間、蕎麦打ちの技術を競う段位認定試験が行われた。全国の自治体や愛好者団体らでつくる「全国麺(めん)類文化地域間交流推進協議会」(全麺協)が主催するもので、全国3府7県の20~71歳の144人が、二、三段の昇段試験に挑んだ。
 
 平成2年にオープンした同道場は関西の蕎麦打ち教室の草分け。基本的な技術を学ぶ約2時間の体験教室には年間約4000人が訪れ、延べ5万人以上が受講。そのうち約20人が店を開業した。
 
 「ほとんどが50代以上か団塊世代の男性」と道場を経営する和田良三さん(66)。
 
 道場出身で、52歳で電鉄会社を退社し、3年前に神戸市北区内で開店した箱崎孝治さん(56)は「退職金を開店資金に注ぎ込んだ。蕎麦打ちで人生が変わってしまった」と話す。
 
 ◆海外産地ツアーも
 
 蕎麦打ちファンは増加を続け、全麺協によると全国約50万人。道場は300を超えた。
 
 めんの切り方など4工程の技能などが基準となる段位認定試験は、当初、三段までだったものが、15年に四段、今年は五段を創設。段位所有者は今春までで約4000人を数えるという。
 
 人気に比例して、蕎麦を打つためのグッズの売り上げも好調。東急ハンズ(東京)によると、めん棒やめん切り包丁が入った入門セット(定価約8000円)は数年前から年間約300セットが売れ、販売実績が3年間で3倍に増えた店もある。
 
 このほか、全麺協で外国の蕎麦産地をめぐるツアーを企画したところ、参加費は20万~30万円とやや高額にもかかわらず、毎年20人以上が参加。これまでに中国やネパール、カナダの産地を訪れているという。
 
 ◆社会に還元して
 
 愛好者が増え続ける一方で、冷めた声も。
 
 『それでいいのか 蕎麦打ち男』の著書がある、シニア向けの生活スタイル提案会社社長の残間里江子さんは「団塊世代は他人と群れるのが好きで、自分の身の置き所がないと安心できない。蕎麦打ちや陶芸などはまさにそれ。退職後の居場所を確保し、仲間を作っている」とチクリ。
 
 残間さんによると、団塊の世代の定年後の活動では、民間非営利団体(NPO)やバンドなど創造的で知的な文化活動の人気が高いとか。「実用性の高さと見栄えの良さ、妻に理解されやすい点がウケる理由でしょうが、その趣味を社会に還元することも忘れないで」と話している》

 

 

 蕎麦打ち、陶芸というのはよく聞く話です。僕も一度はろくろを回してみたいと思いますが、でもきっとすぐに飽きるんだろうなぁとも感じます。

 

 確かに蕎麦打ちはベタすぎる。むしろここまで”定番”として広まると、かえって工夫のなさをあらわしてしまうようなトピックなのかもしれません。

 

 それではどうするのか。当然答えはありません。たとえばウチの両親はというと、安っぽい花を家の庭に植えてガーデニングもどきをしたり、図書館で借りてきた時代小説を読んだり、ナンクロを解いたり、たまにアルバイト程度で仕事をしたりして、余生の入り口を過ごしています。これは一例。

 

 僕も老後のことを考えると、といってもそれほど真剣にイメージすることはできませんが、リタイア後の虚無感というのをどのように紛らわすのか心配になります。

  

 ただし、たとえばニートなんかは、生活実態としては老後というかアーリーリタイアを過ごしているようなものではないでしょうか。ニートではなく会社員だとしても、独身で仕事も熱くならずにそこそこして、毎年海外旅行に遊びに行き、なんていうお気楽な生活は人生をプチリタイアしているような感覚に近いと思います。

 

 ということで、「やることがない」という虚無感は、今の日本では老いも若きも感じてしまっているのかもしれず、そうであればやっぱり日本は豊かだなぁと感じてしまいます。ただし健全だとは思いませんが。

 

 現在プチリタイア気味の若者たちは、将来年を取ってから蓄えが底をつき、仕方がなく老体に鞭を打って過酷にワーキングプアをやっているかもしれません。しかしそうなってみて初めて、一心不乱に働くことの生きがいを感じるのかもしれない。団塊以前の人たちが「アリ⇒キリギリス」型の人生を送ってきたのだとしたら、団塊ジュニア以降は「キリギリス⇒アリ」型の人生になるというのも、あながちありえない話ではないのかも。

2007/12/8(ちょっぴり皮肉の味付け)

恩師がいた、と顔見たら…「文句あるのか」と殴られる

…Yahoo!ニュース(読売新聞)

  

  

 《顔を見たなどと因縁をつけ、男性2人を殴るなどしたとして、鳥取県警米子署は8日、私立米子松蔭高校教諭松本裕樹容疑者(38)(鳥取県米子市錦町)と双子の弟の同県境港市社会福祉協議会職員松本直樹容疑者(38)(境港市渡町)を暴力行為の疑いで逮捕した。
 
 男性の1人は裕樹容疑者の教え子で、恩師と気づいて見ただけだったが、同容疑者は最後まで気づかなかったという。
 
 調べによると、両容疑者は6日午前0時50分ごろ、米子市冨士見町のレストラン駐車場で、店内から出てきた同県内の男性会社員(34)と同じ会社の男性パート社員(23)に「店内で何をじろじろと見ていたのか。文句あるのか」と言いがかりをつけ、2人の胸ぐらをつかんで頭や顔を平手でたたいたり、パート社員の腹をけったりした疑い》

  

  

 事件そのものは取り立ててどうこう言うことではないかもしれません。ただ何というか、そこはかとなく皮肉さを感じるというか、もう少し想像を膨らませれば物語になるのではないだろうかと思い載せてみました。

 

 「実は教え子だった」、「実は慕っていた先生だった」、「実は先生にお礼を言おうとした」…など、ここにない脚注をいろいろ足して、人間や人生のアイロニーを表現することができそうな予感がちょっとだけしました。

 

 実際は慕っていたとも書いてないし、担任だったのかもわかりません。ニュースにコメントするのであれば、余分な憶測は控えるべきでしょう。あくまで物語化するとしたら、という想像の話です。

2007/12/6(高校サッカー部員向け)

日本初!高校サッカー部員向け月刊フリーマガジン創刊へ

…フジサンケイ ビジネスアイ(産業)

  

  

 《フットサル施設やサッカースクールの運営を手掛けるイースリー(東京都千代田区)は、高校のサッカー部員向け月刊フリーマガジン「SPIKE(スパイク)」を来年3月中旬にも創刊する。学校広報用進学雑誌の発行事業を展開するキッズコーポレーション(京都市伏見区)と業務提携し、同社が持つ全国約5000校とのネットワークを活用して配布する。今後は同社と共同で、高校生を対象としたサッカーやフットサルをはじめとするスポーツ関連イベントを随時実施し、高校生の育成にも取り組む考えだ。
 
 スパイクは当初、関東、甲信越、東海、東北地区の高校約1500校、6万人のサッカー部員に無料配布する。来年年1月中旬に創刊準備号を発行。3月中旬の創刊号発行以降は7月まで隔月発行、8月からは月刊化する予定で、配布エリアも全国へ順次広げていく。
 
 「部活サッカー応援マガジン」をコンセプトに、プロ選手のインタビューや各県の高校サッカー情報、新しいサッカーの楽しみ方など、サッカーへの情熱がより高まるような情報を発信する。
 
 誌面と連動したウェブサイト、会員制のモバイルサイトも開設し、合宿斡旋(あっせん)や物販なども行う予定。体裁はA4変型判で、オールカラーの32ページ。
  
 今後は、高校だけではなく、大学、中・小学校のサッカー部員に向けたフリーマガジンも発行、サッカープレーヤーのニーズを把握し、有益な情報を提供していく》

 

 

 あらためてなるほどなぁと思ったのは、きめ細かく区分けされた個人情報は商売のタネになるということです。「高校生」かつ「サッカー部員」へダイレクトマーケティング(あるいは何らかの提供や提案)を欲する人や企業や団体はかなりの数にのぼるのでしょう。間に立って情報の卸売りをやるというのは、なかなかウマミがあるような気がします。

 

 たとえば自分の個人情報を売ろうとしても、何も工夫がなければ高値では売れないでしょう。なので、じゃあ自分の特徴や嗜好は何か、と一工夫する。「ただのサラリーマン」ではなくて「××の資格をもつサラリーマン」とか「××のキャリアが10年のサラリーマン」みたいに絞り込めば、特定のセグメントには受けがいいはずです。

 

 さらにそういった個々人のセグメント情報について、『バルクで保有する側』と『その情報を欲している側』それぞれを見つけることができれば、マッチングが価値を持つことになる。あるいはそういった個人情報を収集する仕組みを作ればさらに可能性が膨らむでしょう。まだまだ未発掘の埋蔵金はあるような気がします。