調査の結果、63%以上の回答者が仕事中の時間を無駄に費やしていることを認めた。さらに、労働者の1日あたりの平均的な8.5時間の労働時間のうち、平均1.7時間が浪費されていることがわかった。この結果は、1日平均2.09時間だった2006年に対し、確実に低下しているものの、企業は直接的な利益に結びつかない10億ドル単位の給与を労働者に対して、支払っていることになる。
また、若い労働者ほど勤務中の無駄な時間が長くなる傾向にあり、1日平均で20~29歳の労働者が2.1時間であるのに対して、30~39歳では1.9時間、40~49歳では1.4時間だった。
時間を無駄にしている行動の前年のトップ3は、「インターネットの私的利用」(34.7%)、「私的ビジネス」(20.3%)、「同僚との無駄話」(17%)だった。そのほか「勤務中の私用電話」「長時間の休憩」などが挙げられた。さらに、「他の人の仕事を修繕すること」(18.1%)、「会社の政策を議論すること」(16.2%)、「メールの返信」(13.1%)といった、業務に関連した活動でさえも、時間の浪費だと感じていることがわかった。
仕事を怠る理由として最も多かったのは、「するべき仕事が十分にない」(17.7%)、次いで「時間が長すぎる」(13.9%)と続いた。さらに、11.8%が「薄給」、11.1%が「意欲をそそる仕事が欠いている」と答えている。
Salary.comのチーフ給与オフィサー Bill Coleman氏は「ある一定量の無駄な時間が企業の給与構造に組み込まれていることを示す一方で、努力を惜しまず、献身的な労働力を持った企業は、その見返りによる生産性が期待できる。しかしながら現在、労働の短縮と企業予算の縮小により、無駄にできる時間がない労働者負担をますます招いていると言える。これは企業にとっては大いなる見返りに転換されても、労働者負担というリスクを増加させていることになる。仕事量が増えるならば、組織は従業員に対して、個人的な活動や、精神的な休息を取るといった、いくらかの柔軟性を認めるべきだ」とコメントしている》
長いんですが全文掲載です。そもそものっけからの『オンデマンド報酬マネジメントソリュションプロバイダー』という業種が気になって仕方がありません。いったい何なのでしょう、このお仕事は。
また文章後半には、『チーフ給与オフィサー Bill Coleman氏』とあるが、これまた日本ではなかなかお目にかかれない肩書きではないでしょうか。こんなのがアメリカでは当たり前に存在しているんでしょうか。Cheif Salary Officer:CSO、のお仕事は具体的にどんなことなのでしょうか。そもそも会社の業種がよくわからないのだからどうしようもないのですが。
記事をまとめると、
・若年労働者のほうがサボる傾向が強い。
・インターネットの私的利用が一番のサボり。
⇒これは日本でも同様の結果になると思われます。
・私的なビジネスを行っている会社員がアメリカには多い。
⇒日本の会社の多くは建前上副業を禁止しているため、こちらではあまりないかもしれません。
・意欲をかきたてられる仕事がなく、そもそも仕事量も少ない。
⇒本気で仕事に取り組みたくなるような環境ではないのかもしれません。
想像するに、仕事の配分がいびつなのではないかという気がします。この調査結果に語らせるならば、「もっとやりがいのある仕事をくれよ、そうすればいいパフォーマンスを見せてあげられるのに、、、」と言ってるような気さえします。
おそらく二極分化が進んでいるのでしょう。仕事のできる人は大量の、そして質の高い仕事が与えられるけれど、そうではない人はそれなりの仕事しか与えられていないのかもしれません。
無駄にできる時間がない人ほどサラリーは良いでしょう。でも過密労働でワークライフバランスを欠く状態になることは容易に想像がつきます。
また、無駄にできる時間が多い人ほど、副業したり長時間休憩したりとノンビリと自分のペースで仕事ができているのかもしれません。でもだからといって、必ずしも今の状態に満足していない様子。社員を最適な配置で、かつ最適な負荷で働いてもらうことは、やっぱり難しいみたいです。
ところで、調査会社がこんな結果を出せば、経営者はこれを盾に今後もっと労働密度を強化するに違いありません。まわりまわって日本にも影響してきたらどうしよう。