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2009年09月 第3回市議会定例会一般質問
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「吉祥寺周辺のまちづくり等について」として、大きく2つの分野について質しました。
1)吉祥寺駅周辺のまちづくり事業検討するにあたり、UR都市機構との業務連携の現状と今後の戦略的提携についてうかがう。
→URが持つまちづくりの経験と専門的なノウハウを用いてのデータ整理、委員会の資料作成を依頼している。最終的な決定等は、市が責任を持って進め、専門的な支援をURなどの専門機関に要請する。
2)市民参加や協働を推進するために、どのように自治基本条例を策定するのか。
→自治体運営の基本的なルールの検討を深め、市民自治や協働のルールを示すきちんとした制度の構築が必要と考える。市民自治条例の制定を目指したい。
【課題】
1)私が、「都市のインフラ」に関心を持ち始めたのは、地元の「ハモニカ横丁」に接するダイヤ街のアーケード設置の際に、ガス管を損ない出火したことからです。ハモニカ横丁は、私の青春時代そのものです。「ガス管がどこに入っているのかわからない」という職員からのこぼれ話から、掘り進んでいくことにしました。
我が国は、1970年代の高度成長期に建物の床面積がピークになっているわけで、その老朽化とその後の耐震基準の変更など、都市を再生する時期に差し掛かっています。本市では、昭和20年代に吉祥寺駅周辺の開発の声が高まり、昭和35年の音体跡地(現FFビル)の借地権の買収、昭和41年の事業決定、21年の歳月を経て昭和62年に完成を迎えるという大事業でした。「駅周辺のまちづくりが課題である」ということは、第2期長期計画の時代から書かれており、まちがいなく策定中の第5期基本構想・長期計画にも同様に記されるはずです。「下地が悪ければ、化粧はのらない」─地面の下の再整備に一刻も早く手をつけるべきと考えます。
2)国は、平成16年に「まちづくり交付金制度」を創設し、全国都市再生を強力に推進しています。市町村が策定する「都市再生整備計画」に位置付けられたまちづくりに必要な幅広い施設等が交付対象となっており、地方の自主性・裁量性が極めて高い制度となっています。UR都市機構は、全国各地例えば、伊丹市、八尾市、高槻市、堺市などにみられるように、都市再生特別措置法の改正により、市町村の委託に基づき、都市再生整備計画の作成に関する調査等の支援業務をおこなっています。それだけでなく、それを出発点として東雲キャナルコートのような遊休地から複合都市を形成したり、横浜みなとみらいのような、ひと・もの・文化がクロスする新たな拠点づくりに取り組んでいます。また、三軒茶屋のような老朽木造密集地域の防災機能を高めたり、杉並区桃井三丁目の日産工場跡地にあるような大規模住宅市街地の形成や、本市のサンヴァリエ桜堤もそうですが、既存賃貸ストックをリニューアルした地域生活拠点の整備など豊富な実績と経験を有しています。本市でも、駅周辺の再整備は、「面」としての広がりと、防災の観点からの取り組みの助言をURに求めるべきと考えます。
3)市は、第4期長期計画調整計画の中で、「ニューパブリックマネジメント(NPM型自治体行政)」を積極的に研究するとしています。1990年代欧米では、自治体運営に企業経営手法を取り入れ、効率性や費用対効果を図る手法として採用されました。NPMにおける「協働」政策は、どうしても「参加の動員」「公民協働(行政と市民活動団体との協働)」へと焦点が置かれ、「市民活動の下請け化」「市民活動のミッションの喪失と事業化への傾斜」と、多種多様な市民同士の「市民協働」による「市民自治」が二次的な位置づけになりがちです。場合によっては、委託・補助を受けたばかりに、活動がつぶれてしまう可能性もあるのです。
だからこそ、こどもから高齢者、障がいのある方もない方も、武蔵野市にかかわるすべての方々のために、武蔵野市における市民参加によるまちづくりが何を目指すのか、市民の高い志を担保するための条件整備は何と考えるのかをしっかりと明文化することは、自治体の首長の責務と考えます。
「市民が真ん中」「市民が主役」のまちづくりを実現するためには、闘牛場にむき出しの市民を置き去りにしつづけてはいけません。