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2008年09月 第3回市議会定例会一般質問
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「武蔵野市が目指す男女共同参画とは」として、本市の大きな基盤整備事業としての男女共同参画の推進と、男女共同参画の推進と、理科実験教育および教育センター(仮称)の設置を求めました。
1)武蔵野市が目指す男女共同参画とは何か。実現のために何が必要と考えているか。
→家事、育児など女性に負担が偏らない社会環境を目指すべきと考えている。現在は、第二次男女共同参画計画を策定中である。
2)理科教科について、理科支援員の人材確保をどのように考えているか
→市内にある企業や教育機関など、地域との連携の中で学校教育を進めていきたい
3)武蔵野市の小学校における英語教育の取り組みの考え方についてうかがう
→5、6年生を対象に、総合的な学習の時間に行う。地元の外国人の方を集めて進めていきたいと考えている
【課題】
1)「情報化」と並んで、武蔵野市では遅れに遅れているのが「男女共同参画事業」です。こんなグローバルスタンダードなことが、いまだに「男女が平等なんてありえない」という声が聞こえる議会では困ります。すでに、女性の地位の向上から、仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)として、仕事、家庭生活、地域生活、個人の自己啓発など、さまざまな活動について、みずからのライフステージに応じて生活の軸足をどちらに置くのかのバランスを選択するワークライフバランスの考え方へとシフトしています。男性を主たる稼ぎ手とする性役割の社会的認識や、ミドルエイジの男性を過労死や自殺にまで追い込む現在の日本の働き方の問題でもあります。
2)本市では、男女共同参画センターである「ヒューマン・ネットワークセンター」は、公的機関として条例設置されていません。また、センターの専門性をコーディネートする人材も必要です。今後、移転を前提に、センターのシステムを有効に活用するハードとしての施設のあり方、会議室や相談スペースの活用、設備や備品、情報環境の検討が必要です。
3)理科教育に力を入れる島根県出雲市の「出雲科学館」を訪ねました。2002年に開館したこの施設は、総工費42億円、年間運営費1億3500万円という一大事業であったため、当初は議会の反対を受けたそうですが、文部科学省出身の市長の強い思いで実現し、今では小・中学校の理科学習の場としてダイナミックに活用されています。子どもたちの学力向上も目覚ましく、ホールに掲示された児童生徒による理科学習の展示は、単なる調べ学習の域を超え、実験データに基づく実証的学習に到達をしていました。館長である島根大学名誉教授の曽我部國久教授によりますと、子どもたちの知的好奇心を喚起する多様なコンテンツを考えていくことが日々の課題だとおっしゃいます。曽我部教授はこうもおっしゃいました。映画監督やレストランのシェフと同じ立場で、自分の思いをどこまで盛り込み、見る人、食べる人に理解してもらえるのか、そのことにすべてをかけています。科学館に来られない子どもたちのために全国を飛び回って実験教室を20年間やってまいりました。この会場で実演するたった2時間の時間しか彼らと接することが許されないのです。そのために何日、何時間もかけても準備して実験に臨む気持ちは、だれも経験できない自分だけの緊張の瞬間。無事に演じ終えた瞬間、観客からの拍手、感動の渦の中で至福のひとときを過ごせること、自分しかできない仕事に感謝しています。そこには、生活の不思議を通して子どもたちに夢を持ってほしいという願いがあるそうです。
本市におきましても、米村でんじろう氏によるサイエンスフェスタは大変好評でした。そして、私はかつて地域の先輩女性に教えていただいた、理科って生活なのよねという名言が思い出されるのです。また、7年目を迎えた、この出雲科学館は理科学習棟も新設され、理科学習としての教育センター機能としてだけでなく、実験教室、木工室などのものづくり教室、地域の大学、教育機関、市民ボランティアとの連携によって効率的に活用されています。しかも学校がすべてではなく、生きるためのさまざまな道筋を示すということも教育の重要な使命だと位置づけて、学校でつまずいてしまった不登校の子どもたちの居場所としても活用されているのです。