武蔵野市の課題──「子どもたちの命を守るため学校の耐震化を」 | フカキミの……『いっぽいっぽ通信』ONLINE

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こんにちは、深田貴美子です。武蔵野市議会議員2期生、折々の活動報告や日々のできごと、思うこと……皆さん、いっしょに考えていただけませんか?

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2008年06月 第2回市議会定例会一般質問
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「子どもたちの命を守るため学校の耐震化を」として、学校耐震化の前倒し実現と、地方教育行政法改正にともない、武蔵野市の教育の方向性と「教育センター(仮称)」設置について尋ねました。

1)法律で定められているIS値0.6の耐震指標の基準を満たしていない学校8校13棟の耐震化について、市の考え方をうかがう。
→児童生徒の安全を第一に考えており、今年は5棟の補強を行い、来年度までに残りの8棟の補強を行う予定である。

2)各種相談窓口や、教員の研修機会等の機能を集約した教育センターの必要性について考えをうかがう。
→平成17年度より教育支援センターを設置しているが、これをもう少し整備して総合的な教育センターを検討していきたい。

【課題】

1)四川省大地震の報道で、鉛筆をにぎったままのがれきのうもれた子どもの手が忘れられません。絶対に学校は、子どもを裏切ってはならない。平成18年12月の文教委員会で報告された、現行法が求めるIS値0.6の耐震基準を満たしていない、既存不適格の学校8校13棟の前倒しでの耐震改修工事を求めました。

2)これに関連して、武蔵野市内に約130の公共施設があり、その中に築40年を超えるものも多く残っています。今後の耐震改修工事にあたっては、「ファシリティ・マネジメント」の観点から見直し・再整備を図るべきです。
「ファシリティ・マネジメント」の条件整備は、以下の2点があります。他の自治体との比較、市内施設や運用における起点・標準点・目標値との比較、といった何と比較するのかという「ベンチマーク」。そして、2点目について例を挙げさせていただけば、六本木ヒルズの回転ドア事故は、それまで事故ゼロの記録のなかで、突然起こったかのように報道されましたが、実に12回にもわたる小さな不具合が記録されていたことから、事故、不具合も、だから修理もすべて一元化され、「データーベース」として管理されないと大事故に結びついてしまうということです。そして、いつも犠牲になるのは、子どもたちです。

3)当然災害時・緊急時のバックアップ体制・再起動体制としての「事業継続計画および管理」、いわゆるBCP/BCM(Business Continuity Plan/Management)もセットで考えられていく必要があると思います。修正された「武蔵野市地域防災計画」第2部の第8章に「事業継続計画の策定」とありますが、このBCPは、職員の安全確保や二次災害の防止といった初期対応だけでなく、重要な事業を継続または可能な限り短い時間で復旧させるための行動計画をあらかじめ策定しておくことになります。

4)平成19年8月に「学校施設の防災機能の向上のために」と題して国立教育政策研究所文教施設研究センター「避難所となる学校施設の防災機能にかかわる調査研究」が報告されています。この報告書は、阪神・淡路大震災、新潟県中越地震、能登半島地震時、学校が避難所として活用された経験を今後の施策につなげていくことが重要だと述べています。その条件整備は以下の5点で、1体育館館内のトイレ、2屋外から直接利用できるトイレ、3隣接を含む敷地内・校舎内の防災倉庫・備蓄倉庫、4貯水槽・プールの浄水設備、5自家発電整備となっています。さきほど申し上げましたように、施設=ファシリティのクオリティとBCPの間をつなぐのが、この条件整備であるという観点から、本市の公立小中学校の指定避難場所としての整備状況を調べるべきです。

5)教育三法の改正に伴い教育委員会の改革と位置づけられております「地方教育行政の組織および運営に関する法律の一部を改正する法律」について、子どもたちのために、勇気をふるって質しました。武蔵野市教育委員会としては、組織や制度、規則の改正についてどう捉えているのか、また、中立・公正・公平を確保して、毅然として職務遂行する教育委員会また、学校現場の児童・生徒や保護者の方々の希望や悩みにしっかりと寄り添う温かい教育委員会というこの両面をあわせもった教育委員会の指名と取組について具体的に尋ねました。
さらに、隣接する杉並区の区立和田中学校では、民間進学塾を学校に導入した「夜スペ」で話題となりました。さらに、2008年3月には、保護者有志による地域本部が立ち上がり、和田中PTAは日本PTA全国協議会から脱退しました。一方、三鷹市では「コミュニティスクール」を基盤とする小中一貫教育に取り組み、5月17日には市民団体による「三鷹の教育を考えるパネルディスカッション」が開催されましたが、近隣区市に住む保護者の方々も多数参加され、大変高い関心を集めたようです。今、教育の自由化、市場化に向き合い、そこに子どもたち自身のベネフィットを求めるうえで学ぶべきものがあるのか、また、武蔵野市の風土や地域性にあった教育とはなにか、「武蔵野市らしさ」とはなにか。近隣区市の取り組みの評価も含めて武蔵野市の教育の基本的方針をぜひとも示してほしいと考えます。

6)本市は「教育センター」を持っていません。先般、東京都と横浜市にはさまれる川崎市の川崎総合教育センターにうかがい、約200の公立小中学校を抱える政令指定都市の教育行政の重要さを拝見しました。「相談業務」を中心に、理科、家庭科、技術、体育などの研修施設が充実し、年間平均10の教員による自主研究会が立ち上がっているようです。
そこでおうかがいしたいのですが、武蔵野市ではこれまでにこうした集約されたセンター的機能をもった施設がありませんでした。「相談窓口」「教員研修機関」等を総合化した「教育センターの必要性」について、早急に検討をするべきです。