動物の病気の治療をして
治らない時や亡くなって
しまった時は
獣医の敗北になる。
だから最後の最期まで
治療をして戦う。
よくなる可能性が1%でも
あるなら最期まであがく。
これが普通の獣医療だと思う。
それが動物にとっていいかどうかは別だけどね。
獣医としては病気に負けたくないし
なんとかして自分が治してあげたい
よくしてあげたいと思って
一生懸命がんばって治療する。
それでもよくならない時に
飼主さんに「これ以上、
ムリな治療はしたくない」
と言われても
諦めたくないし
負けたくないし
自分の力のなさを
認めたくないから
「今、治療をやめたら
死んじゃいますよ」
「よくなる可能性があるのに
諦めるんですか」
って言われる。
獣医は病気に負けたく
ないんだよね。
最期まで戦いたいんだよね。
なんか途中で諦めるみたいで
イヤなんだよね。
でもそれは・・・
獣医自身の気持ちであって動物の気持ちじゃないんだよね。
ぼくは、動物の治療って
主語は「動物」じゃないと
いけないと思っていて
主語が「獣医」になってしまうと
「動物」を差し置いて治療が
おこなわれてしまう。
誰のための治療なのか？
誰のために治療をおこなうのか？
主語が誰なのかをしっかりと
考えないとおかしくなっちゃう。
主語が「獣医」になって
獣医のための治療に
なってることがよくある。
動物は決して獣医のために治療されているわけじゃない。
動物自身のために生きて
ぼくら飼主のために生きてる。
獣医が病気を治せないと
自分が病気に負けた感じがして
敗北になるから
病気に負けないために
動物を何とか治そうとするけど
それでもどうにもならない
こともある。
その時に誰のための治療なのか
誰のために治療してるのか
今一度考えないといけない。
決して「獣医」のための戦いに動物を巻き込んではいけない。
とぼくは思ってる。
ぼくはたくさんの敗北を
味わってきた。
ぼくの力のなさを痛感するけど
ぼくは主語は「動物」のためと
心に刻んで日々診療する。
今日もありがとう
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