動物の診療をしていて
自分が思ってる病気の見立てと
検査データがあわない時がある。
そんな時、自分を信じるか
データを信じるか。
どう考えてもこの症状、この状態
この所見を考えたらコレって
思っていても
実際、検査をしてみると
データは問題ないことがある。
「イヤイヤ、コレでしょ」
「どう診てもコレなんだけど」
「どういうこと」
ってなる時がある。
そんな時にデータを信じるか
自分の見立てを信じるか。
ぼくが若い時は今ほど
検査項目も検査機具もなかったから
データで出てくるものがなくて
自分の見立てを信じるしか
ない時代があった。
若い時は自信がないから
ぼくの見立てた診断を
先輩や院長に聞いて確認してた。
でも今はいろんな検査ができるし
いろんな検査機具もあるし
いろんなデータが出てくる。
今の若い先生は検査データに
囚われてるねー。
ちょっとでもデータが参考値よりも
オーバーしていたり
ちょっとでも低く出ると
異常と判断して
なんちゃら病って診断が
ついてくる。
「腎臓が悪いって言われたんです」
「甲状腺が悪いって言われたんです」
って当院に来られる飼主さんも
いるんだけど
血液検査を見せてもらうと
腎臓の指標の1つの値だけが高いとか
甲状腺の指標の1つだけ低いとかで
病気になってることがある。
1つの指標だけだとたまたまってことも
あるから
症状は？
他の所見は？
尿検査は？
エコー検査は？
気持ちはわからなくもないが
もっと動物を診ないとねって
思うこともある。
確かにこれからはもっとデータの
時代になっていく。
血液検査して、レントゲン検査して
エコー検査して、尿検査して
特殊検査してって
検査を積み上げていって
診断していくことになると思う。
ぼくの古臭い自分の感覚の
動物をみて匂いを嗅いで触って
触った感覚で判断するような
医療では飼主さんは納得できない。
数値や画像データをみて
誰もが納得できるような
診断が今の時代は求められる。
ぼくの経験や勘や感覚的な
見立てはぼくの主観でしかない。
ぼくの主観では飼主さんは
わからないし、他の先生に
診てもらう時も伝わらない。
感覚よりもデータの時代になる。
それでもぼくは自分の感覚を
これからも磨いていきたい。
今日もありがとう
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男
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