動物たちは「今」を生きてる
それを胸に刻んで今日も診察
しようと思うのさ。
昨日の夜、心臓病の治療を7年
続けてきた15歳の子が亡くなったんよ。
最期の方は腎臓も悪くなり
心臓が悪くなって肺水腫が起きると
呼吸が苦しくなるので、
点滴しながら利尿剤を使って
腎臓をケアしながら肺水腫の
治療をして
というのを繰り返してた。
何度もヤバいかなと思ったけど
復活してくれた。
3日前から呼吸状態が悪くなって
入院して治療をするか
在宅での酸素室の管理にするか
迷って、この後酸素室から出るのが
難しくなる可能性があったので
在宅での酸素管理しながら治療にして
家で酸素ボックスを借りてもらって
家で酸素管理してもらったのさ。
案の定、家でも酸素室に入ってないと
苦しくなってしまう状態で
酸素室から出ると苦しくなるので
病院にも連れてこれず
往診で治療をしていってたんよ。
ホンマよう頑張ってくれた。
よう生きた。
今日の朝、この記事を読んだ。
思わず泣いた。
とってもいい子で
とってもかわいくて
オレのことキライだけど
治療するときも
検査するときも
黙ってやらせてくれる子で
ホンマええ子じゃった。
肺高血圧症にもなっちゃって
急にパタッと倒れるようになって
バイアグラを使うと倒れる
症状がなくなるので、
バイアグラも使わないと
いけない状態だった。
バイアグラってもともとは
心臓の薬として開発されてる
途中で勃起不全に効くことが
わかって
今は勃起不全の治療薬に
なっちゃったけど
肺高血圧症に効くんだよね。
動物の医療は費用がかかる。
この子にも心臓の手術の話をしたけど
飼主さんはそこまでの費用は
難しいということで
手術は選択されなかった。
心臓の手術ができる時代になり
手術をすればもっと長生きできたのか？
苦しまずに済んだのか？
他にできることはなかったのか？
やっぱり、入院して病院で治療した方が
よかったのか？
入院で治療したらもう少しよくなったのか？
と考えてしまうが、
美香さんの話では動物は
最先端の医療を受けたいとか
手術を受けて長生きしたいとか
専門病院で治療を受けたいとか
はない。
どんな病気でも受け入れる
あれこれ考えたり悩んだりしない
「いま」を生きてるだけ。
動物達は「長く生きる」ことより
「どう生きるか」を望みます。
動物たちは
「私、良く生きたでしょう？」
泣いている飼い主さんの隣で
キラキラしながらこんな事を伝えてくる
ということだった。
この子もホンマよう生きた。
動物たちは「今」を生きてる
「今」をどうするか
「今」をどうしたいか
「今」誰と過ごしたいか
そうであれば、
最期は飼主さんの元で
家族と一緒に
相方と一緒に
自宅で看取られながら
旅立って行ったことは
よかったんじゃないかと
オレは勝手に思う。
あの時、入院せず在宅での
酸素管理して治療することを
選択肢してよかったとオレは思うんよ。
ほんとかどうかはこの子に
聞いたわけじゃないから
わからんけどね。
自分の選択が
正しかったのか
間違っていたのかは
正直答えは出ないけど、
美香さんの記事に救われた。
これからもオレがやってることは
誰のためなのか
動物のためなのか
飼主さんのためなのか
オレのためなのか
動物のためになっているのか
オレのためになってしまっていなか
動物の意見も聞かず
一般的とか
普通ならとか
獣医ならとか
医療とはとか
になっていないか
考えながら診療していく。
もし人間から考えたら違うことでも
一般的じゃなくても
普通じゃなくても
獣医からするとおかしいことでも
医療としては違うことでも
動物にとって
「今」を生きる
どう生きる
を肝に銘じて診療していこうと思うのさ。
今日もありがとう
人間より動物好き獣医
シワ神シワ男
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