おはようございます。
人間より動物好きの獣医
シワ神シワ男です。
犬のアトピー性皮膚炎は多いね。
一昔前は、犬のアトピー性皮膚炎の
治療は、いかにステロイドを
使わないでコントロールするのかが
獣医の腕の見せ所でもあり、
大変だった。
ホモトキシコロジー療法したり
オゾン療法したり
漢方薬を使ったり
サプリメントを使ったり
乳酸菌使ったり
シャンプー療法したり
食事療法したり
手作り食をしたり
外用薬を使ったり
スプレーしてもらったり
様々な治療をおこなうことで
何とかコントロールしてた。
シクロスポリンという動物用の
免疫抑制剤の薬が出た時は
ステロイドよりも副作用がなく
使える薬として使っていた。
ただ、効果が出るまでに2週間
かかるとか、
費用が高いとか
飲ませると吐いたり下痢したり
することがあるとか
飲ませにくいとか
があってなかなかくせものの
薬で、飼主さんからの評判が
悪かった。
その後、アポキルと言う動物用の
免疫抑制剤が出たんだけど、
これはステロイドのように即効性
があって、副作用もなく、
吐いたり、下痢したりすることも
なく、
飲ませやすいということで
飼主さんには好評の薬。
好評だけに薬物を使わないで
アトピー性皮膚炎をコントロール
しようとする飼主さんが激減した。
犬のアトピー性皮膚炎は痒みが
強いので最初アポキルを使って
痒みを抑えて、
その後、薬物療法ではないものに
変えていく代替療法っていう治療を
していくんだけど、
これをしていくためには、
その子にとって漢方がいいのか
サプリメントがいいのか、
ホモトキシコロジーがいいのか
は費用の問題や
どれがその子にとって効果が
あるのかはやってみての
部分がある。
その手間が大変。
サプリメントを1か月ぐらいやって
みてとか、漢方薬をやってみてとか
その手間と費用をかけるなら
アポキル飲ませて痒みがおさまってる
からいいやって飼主さんが増えて
しまった。
薬物でただ痒みを抑えている
だけなんだけど、
治してるわけじゃないんだけど
「痒がらないし、犬も調子良さそうに
してるからアポキルでいいわ」って
いう飼主さんが増えちゃった。
昔のステロイド獣医と一緒で
痒がってるからステロイドが
今は痒がってるからアポキルに
変わってしまった。
この現象がいいはずがない。
飼主さんには
「アポキルで治してるわけじゃ
なくてただ痒みを抑えてるだけ
だからね」って言うんだけど
副作用もないし、飲んでるといいし
楽だし、安全だし、みたいな
状況になってる。
確かに食事やって
漢方やって
サプリメントやって
乳酸菌やって
シャンプーやって
外用薬やって
メンタル療法やって
犬のアトピー性皮膚炎を
コントロールするためには
いろんな治療を複合的にやって
やっとコントロールできるように
なるので、飼主さんは大変だから
簡単なアポキルを選んでしまう
のもわかるね。
医学の進歩と共にいい薬がでる
ことはいいことなんだけど、
安易にそれに頼りすぎるのは
どうかとも思うね。
時代と共に犬のアトピー性皮膚炎
の治療も変化してってる。
ただ、今のところ治る治療薬は
ない。
いかにコントロールしてあげるのか
ということは変わっていない。
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