スクリーニング検査の総サイロキシンについて | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
サ論代理店


おはようございます。ふじわら動物病院、藤原です。
 
前回は、スクリーニング検査についての血液学的検査の話をしました。
今回は、スクリーニング検査の血清生化学臨床検査の総サイロキシンについての話をします。
 
体重減少がみられる高齢の猫で血清生化学臨床検査は、総サイロキシンを調べます。
8歳を超えてくる体重減少がみられる高齢の猫では、ルーチンに調べていきます。
 
高齢の猫では、甲状腺機能亢進症が一般的に見られ、食欲があるのにも関わらず、体重が減ってくるという現象が起こります。
 
甲状腺機能亢進症は、凶暴になったり、やたら起こったり、興奮したりという症状になることが多いですが、10%は無気力は子もいて、一般的な臨床症状とは違う場合もあります。
臨床的におとなしい子は、あまり体重減少は見られず、静かであまり活動しない傾向があり、多くは、10歳未満です。
また、食職が低下して、うっ血性心不全を伴う循環障害が起こっていることが多いです。
 
甲状腺機能亢進症は、総サイロキシンが高くなっていることで診断することができます。
ただ、正常値に入っていることもあり、臨床的に甲状腺機能亢進症が疑われる場合は、3週間後に再検査して確認いたします。
 
総サイロキシンは、日々変動する傾向があり、高くなったり、正常値になったりすることがあり、正常値になっている時に測定すると診断ができない時もあります。
 
病気がある猫では、総サイロキシンの値が正常値より低い場合があります。
値が低ければ低いほど病気が重い傾向にありますので、総サイロキシンの値が低い場合は、注意が必要です。
 
猫で甲状腺機能低下症はなく、臨床的には他の病気によって、総サイロキシンの値が下がっていることが多いです。