猫の皮膚病の糸状菌症について | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
まずは飼主さんが幸せになることでペットも幸せになるような診療を心がけています。
サ論代理店


おはようございます。ふじわら動物病院、藤原です。
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前回は、猫の皮膚病で細菌が関与している皮膚病の話をしました。
今回は、カビ、糸状菌の話をします。
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猫の皮膚病で糸状菌は、結構多い皮膚病になります。
皮膚病の中では、診断も難しく、見落としをしていることも多い、皮膚病になります。
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糸状菌は、いろんな皮膚症状を示します。
よく、糸状菌の皮膚症状で典型的な病変は、円形にはげるような症状をイメージするのですが、いろんな症状があり、ほかの皮膚病と見分けがつかないことがあります。
そのため、診断が難しいです。
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糸状菌の診断は、ウッド灯検査、被毛の検査、真菌培養検査をおこない診断いたします。
ウッド灯は、特殊な光を当てると青色に光ることで診断いたします。
しかし、偽陽性や偽陰性が多く、確実な診断が難しいことがあります。
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被毛の検査は、感染を起こしている毛を顕微鏡で見ることによって診断いたします。
直接、感染していることを直接証明できますが、検査に熟練が必要になります。
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真菌培養は、感染している毛を培地という寒天培地に毛をつけて培養することで、真菌に感染しているかどうか、確認いたします。
培養することで、菌種の同定をすることができます。
たとえば、Microsporum canisやMicrosporum gypseumなどを同定することができます。
真菌を持っていても発症していないものでも、真菌培養では陽性になってしまうので、それは鑑別することができなくなります。
偽陰性や偽陽性になってしまうことがあり、確実な診断が難しいことがあります。
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このように糸状菌症は、診断することが難しい感染症になります。
糸状菌は、人にも感染を起こしてしまいますので、確実に診断して治療をおこなわないといけない皮膚炎になります。
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次回は、治療の話をいたします。