犬の血液の癌、リンパ腫の生存率がいい 共通の因子とは何か | 人間より動物好き 獣医師シワ男

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埼玉県新座市のふじわら動物病院、院長藤原です。
ペットが幸せになるためには、飼主さんが幸せになる必要があると思っていて、
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先日の日本臨床獣医学フォーラム年次大会で、犬の低分子型多中心型リンパ腫で2年以上生存しているわんちゃんの共通の因子は何かとという講義を受けました。

2年以上生存している共通の因子は、体重が10Kg以上、ヘマトクリット値が35%以上、高イオン化カルシウム結症を伴わないこと、胚中心芽細胞性リンパ腫であること、B細胞型であること、骨髄浸潤を伴わないこと、プレドニゾンによる治療歴が無いこと、ステージ?~?であること、これらのことが共通していたという報告でした。

これらの共通因子を持たないわんちゃんは、2年以上生存する可能性が低くなるということがいえます。

治療を開始する前に予後を判定する上で、以上のことが参考になると考えられました。

それでも犬のリンパ腫は、2年以上生存する難しさを改めて感じました。

日本では、小型犬種が主なので、10kg以上の犬がまず少なくなっています。

そう考えるとほとんどの小型犬種のリンパ腫は2年生存させることが難しいということになりますので、癌治療の難しさを再確認しました。