心筋症は原因がまだ確認されておらず、
突発性心筋症とも言われております。
猫ちゃんで多です。
一見健康に見える猫ちゃんが、突然呼吸困難
になったり、後ろ足が立てなくなったりします。
飼主様は、「昨日まで元気だったのに突然ぐったり
しているんです」と驚かれて連れてこられることが
多いです。
肥大型心筋症は、心臓の筋肉が厚くなり、
左側の心室が狭くなってしまいます。
筋肉が厚くなって狭くなることにより、
血液が送れなくなり、血液の循環が
悪くなります。
血液の循環が悪くなると肺に血液が
たまりやすくなり、溜まった血液の
液体成分が肺に溜まってしまうと
肺水腫という状態になり、呼吸ができなくなり
呼吸困難になります。
また、血液の流れが悪くなると血液が
固まりやすくなり血ぺいができてきて
これが流れると血管に詰まってしまい
血栓症が起こります。
血栓症を起こした部位によっていろいろな
症状が出ます。
よく起こるのが、後ろ足に血液を送っている
動脈に詰まって、急に後ろ足がたてなくなる
ことがあります。
脳で詰まれば脳梗塞、肺で詰まれば肺梗塞
心臓で詰まれば心筋梗塞をおこします。
診断
レントゲン、エコー検査、心電図などになります。
治療
その時の状態によりますが、
呼吸困難を起こしている場合は、
酸素療法をおこないます。
まず、酸素を確保してからそれから落ち着いて
検査、治療に入ります。
内科療法
血液の流れが悪くなっておこるうっ血や肺に
液体成分が溜まる肺水腫を改善する目的で
β遮断薬を投与します。
血管凝固促進剤や抗血小板剤は、血栓症
の予防として投与します。
血管拡張剤や利尿剤を使い、血液の流れや
肺の液体成分を改善いたします。
食事療法
心臓が悪くなっている状態で塩分の多い食事を
すると体の中でNaが多くなり、むくみを生じて
きます。
心臓がむくんだり、体がむくむと血液の流れが
悪くなり、症状が悪化します。
その為、Naは制限しなくてはいけません。
猫が好きないりこ、にぼし、かつおぶし、のり
などは制限しなるべく与えないようにします。
この病気は、原因もよくわからないため
予防はありません。
なってしまうと予後が悪く、なんとかコントロール
することができればいいです。
突然死したり、血栓が詰まって後ろ足が
麻痺したり、腐ったりすることもあります。
その為、定期的に病院で聴診し、心臓の音を
チェックしましょう。
心筋症の多くの場合、心雑音が認められます。
心雑音が認められたら心筋症のチェックをおこない
心筋症があるようでしたら、早めのコントロールを
しましょう。
