ポッカコーポレーションもMBO
ポッカ、MBOで株式非公開にアドバンテッジパートナーズと協力
飲料大手のポッカコーポレーションは22日、投資会社のアドバンテッジパートナーズ(東京・千代田)と協力し経営陣による企業買収(MBO)を実施すると発表した。アドバンテッジが運営するファンドが23日からポッカ株式をTOB(株式公開買い付け)で取得し、このファンドにポッカ経営陣が出資する形で買収する。最終的に上場廃止となる見通し。ポッカ株は割安なため、買収リスクを回避する狙いもあるとみられる。
TOBに当たるのは、アドバンテッジが全額出資するアドバンテッジホールディングス。買い付け期間は23日から9月20日、買い付け価格は8月19日までの1カ月間の終値平均値に23.7%上乗せした690円。発行済み株式数の66.7%以上の取得を目指す。買い付け総額は160億円強になる。最終的には完全子会社とする。
TOBが成立した後に、内藤由治社長らポッカ経営陣もアドバンテッジホールディングスに出資し、引き続きポッカの経営にあたる。谷田利景名誉会長ら創業者一族もTOBに応じることで同意している。
(日本経済新聞)
創業者である谷田利景氏(1,799千株)、谷田靖子氏及び有限会社タニダ(1,105千株)は公開買付に応募する見込みである。彼らは取締役にはなっておらず、所有と経営が分離しているようだ。
ここ数ヶ月の株価の推移をみると大体500円台後半である。
谷田靖子氏の所有株数は不明であるが、谷田利景氏と有限会社タニダの保有株数に690円を単純にかけると合計20億円。
個人の株式譲渡に伴う譲渡所得に係る税率は10%である。また、取得価額についての特例が平成19年12月31日まで適用されるため、平成13年10月1日の終値354円の80%が取得価額とみなされる。
ここで、大きなお世話ですが、税金の計算をしてみると。
谷田利景氏の税金
(690-354×80%)×1,799千株×10%=約73百万円
有限会社タニダの税金
(690-354×80%)×1,105千株×約40%=約180百万円
差引 2,000-73-180=1,747百万円
やる気がバリバリある経営陣に会社を売却することにより、いろいろなわずらわしいことが手を離れ、さらに税金も比較的リーズナブル(12.6%)であるため、売却側にしても条件の良いバイアウトであったと言えますね。
東京へ
諸事情があり、久しぶりに東京へ行ってきました。
行く度にいい刺激を受けます。
昔、なにもわけが分かっていないときに「海外に行こう」と思っていたときには東京に対する変な憧れはなかったのだが、神戸での仕事をするのに終われ、久しぶりに東京へ行くと圧倒されることが多い。
今回は特にそうだった。
ここ数ヶ月の時間の過ごし方をやや反省するとともに、自分の仕事の仕方について考えさせられました。
早く定期的に東京へ仕事に行くような体制にしなければと、決意。
M&A時代の幕開け
株式会社ワールドが経営陣によるMBOにより大幅に株主構成が変わることとなりそうだ。これによってワールドが上場廃止となるという。
今年は株式会社ライブドアによる株式会社ニッポン放送株式取得、株式会社夢真ホールディングスによる日本技術開発株式会社へのTOBとこれまでの日本では行われていなかったM&Aが目白押しである。
会社法もついにこの平成17年6月29日に参議院本会議で可決され成立しました。後年からみれば今年はM&A時代の幕開けの年として記されるでしょう。
これからの企業戦略が大きく変わろうとするなか、話題のM&Aはどこがポイントなのかについて改めて考えて見たいと思います。
ブルドックソース、更生会社イカリソースの調味料事業を35億円で譲り受け
ブルドックソースは、会社更生手続き中のイカリソース(大阪市)の調味料製造販売事業を、100%子会社であるサンワフーズ(東京都中央区)が譲り受けることで更正管財人と基本合意書を締結した。譲り受け価格は35億円。譲り受ける事業の売上高(2004年11月期)は79億4700万円で、資産総額は20億0800万円。営業譲渡日は、今年9月下旬。
営業譲渡は、大阪地方裁判所の許可を得られることを前提にしており、イカリソースのブランドは存続する方針。
営業譲渡が実現した場合、ブルドックソースの2006年3月期(連結ベース)業績は売上高202億9600万円(営業譲渡による影響額68億9600万円)、営業利益8億5100万円(同5100万円)、2007年3月期売上高211億0600万円(同77億0600万円)、営業利益10億0100万円(同1億0100万円)となる見通しである。
ブルドックソースはイカリソースを傘下に収めることで、オタフクソース(広島市)を抜き業界首位に返り咲く見通し。ブルドックソースは、ライバルのオタフクソースが4月に業務用ソースのユニオンソース(東京)を買収したため、業界首位の座を奪われていた。
イカリソースは1896年創業、日本で初めてウスターソースを製造、販売した老舗で、関西を中心に西日本で強いブランド力を持つ。一方、ブルドックソースは関西での知名度が低く、支援によって進出の足掛かりにしたい考えだ。
ブルドックソースの池田章子社長は記者会見で「コスト削減などで大きな相乗効果が期待できる。両社は(東日本と西日本)地域の補完性が高い」と買収の狙いを説明した。
イカリソースの会長らは5月、産業廃棄物処理設備の転売をめぐり焼却設備の性能を偽りリース会社に高額で売却し、約7億8800万円をだまし取ったとして、詐取容疑で大阪地検特捜部に逮捕された。業績低迷に加え、詐欺事件が響き営業継続が困難となり、大阪地裁に会社更生法の適用を申請した。
ソース業界の再編が進んでいます。ソース業界はかなりの成熟産業であることが想像されます。
公立高校の経営を私学が肩代わり
日経新聞の夕刊に面白い記事があったので、調べてみました。こんなことも頻繁に行われる時が、目の前に来ているのでしょう。これまでであれば学校法人と市とがこのような世間に波風をたてるような取引を行わなかったでしょうし。
(毎日新聞2005年7月4日)
市立高を私立高に移管--滋賀・守山市
◇滋賀県守山市が全国初の計画
琵琶湖に面する人口急増地域、滋賀県守山市で、公立高校を私学に移管する全国初の計画が進んでいる。市立守山女子高校を学校法人立命館(京都市)に運営移管して立命館大付属高としたうえで、市内にあった平安女学院大びわ湖守山キャンパスの跡地に移転するという。少子化で学生の確保に苦労する私学側と、財政を立て直したい市側の利害が一致した結果だが、交渉成立直前まで何も知らされなかった生徒や保護者らは「教育現場の主役は誰なのか」と、強く反発している。
市立守山女子高は「守山町」時代の1959年、前身の裁縫学校を引き継いで全国初の町立高として創立された。「情報ビジネス」「生活総合」「英語」の3学科があり、全校生徒は約570人。しかし、市内から通う生徒は全体の4分の1程度しかいない。
市は学校運営に一般会計から年間約5億円を支出。人口約7万人の市には重荷だ。生徒の多くは市外に住んでいるのに、多額の支出を続けることが行政として妥当か、という議論も起きていた。
一方、平安女学院大は市が約25億6000万円の補助金を出して誘致し、00年4月、びわ湖守山キャンパスとして開学。02年に短大のあった高槻キャンパス(大阪府高槻市)に生活環境学部を新設し、2キャンパス体制となった。守山キャンパスの定員は4学年で約1000人だが、実際の学生数は約470人(04年度)にとどまっていた。
運営する学校法人平安女学院(京都市上京区)は昨年3月、びわ湖守山キャンパスを高槻キャンパスに移転・統合し、事実上守山市から撤退する計画を決めた。同学院の山岡景一郎理事長は「郊外の守山市では学生の確保が難しい。二つのキャンパス運営は非効率的」と経営面を理由に挙げた。
市側は撤退に猛反発し、撤退した場合は補助金の返還を求める方向で学院側と協議を続けたが、平行線をたどった。
市は、撤退を阻止できなかった場合も想定して昨年6月、各地に高校を設けるなど学生確保のための「拡大策」を続ける立命館側に、大学施設誘致をひそかに打診した。立命館側は、同市に隣接する草津市に立命館大びわこ・くさつキャンパスを抱え、滋賀での高校新設を模索しており、それを知った市は女子高の移管も提案。市によると、この時点での協議は不調に終わったが、同12月に今度は立命館側が移管を持ちかけたという。
市と二つの私学との水面下の協議は続き、基本合意に至ったのは今年3月。
▽平安女学院が市に守山キャンパスを無償譲渡し、補助金の返還は免除
▽市がキャンパス跡地を立命館に無償譲渡▽守山女子高を立命館大付属高に移管
の方向性が決まった。市は保護者や教職員らに説明し、5月17日、立命館側と正式に移管の協定を結んだ。来年4月に「立命館守山高校」として開校し、さらに07年にも、守山キャンパス跡地に付属中学を新設したうえで、高校も移転させる構想だ。
これを知った学生や保護者から反発の声が上がった。
平安女学院大の一部学生は昨年5月、「一方的に移転・統合を決めた」と反対の署名活動を開始。山田亘宏市長も署名した。同10月には代表の学生が学院を相手に、守山キャンパスで学ぶ権利の確認を求めて提訴。大津地裁は5月23日に訴えを退けたが、学生側は大阪高裁に控訴した。また、守山女子高の教職員や保護者は「一切説明がなく交渉を進めたのは、平安女学院大と同じやり方」として、早期移管に反対する抗議文を市に提出した。在校生の授業料は年間11万円余のままだが、来年入学する生徒は73万円になる。
山田市長は「このままでは廃校は避けられず、伝統を守るために苦渋の選択をした」と説明するが、同窓会などからは「校風が全く違うのに伝統が守られるはずがない。廃校よりひどいやり方だ」との声さえ上がる。
立命館の川本八郎理事長は協定調印の席で「市長と約束した以上、断固貫徹する」と発言するなど強気の姿勢を示した。だが、交渉がまとまっても、公立高校の私学移管という前例のない手続きが待ち構えており、今後の展開は不透明だ。
経営が成り立たなければ学校は存続できないが、将来を担う学生への教育の問題を「ビジネス」の側面だけで片付けるのも大きな問題だ。識者の見方は複雑だ。
筑波大大学院の小島弘道教授(学校経営学)は公立から私立への移管について「官から民へという流れの中で、移管は自然ななりゆき。全国的にこうした事態が続く可能性は十分ある」とみる。自治体が運営するよりも、私立にした方が国からの私学助成金の分だけ運営費負担が軽くなるためという。その上で、「在籍中の生徒の学習権を守ることも大事。守山市や立命館は、生徒や保護者との十分な議論が必要」と話す。
また、関西大文学部の竹内洋教授(教育社会学)は「現在の学校運営は極端にビジネス化している。移管は大学側や守山市の失政のつけを生徒に押しつけた結果だ」と厳しく指摘。「少子化の中で、経営感覚も必要になっているが、教育感覚とのバランスが必要ではないか」と述べた。