曼荼羅とオーブ? | しょうかんのうだうだ

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仏絵師藤野正観(66)の備忘録・・・っといっても、ほとんどどこにも出かけないので、ふだん、ぐだぐだ思ったり考えていることを書き連ねることになるのは必至。

曼荼羅完成披露展

2014年8月29日から31日まで、2年間に渡って描いてきた「両界曼荼羅」の彩色完成披露展を、施主のご厚意で開催した。
たった3日間だけだったが、200名以上の仏画ファンにゆっくりご覧いただくことが出来た。

東寺に伝わる彩色曼荼羅では世界最古といわれる「西院曼荼羅(伝真言院曼荼羅)」を写した。施主のご希望だ。
どこの国で描かれたのか、どんな描き手なのか、その描法も、いわれも、何も特定できていないミステリアスな曼荼羅なのだ。
他に例を見ない、その隈取技法や面相などから、請来本とも言われる。インドらしい趣から、インドの仏画が中国に渡って、日本に入って、日本の大和絵師が、縮小して写した・・・など説がいろいろあって、楽しい。

その曼荼羅の写本が完成したので、仏画に関心のある方に観てもらおうと、各紙(京都新聞・読売新聞・毎日新聞・中外日報等)に広報をお願いした。
29日の朝には、ひっきりなしに電話が鳴り、新聞の威力を思い知った。
3日間だけというので、小さなギャラリーは、ほとんど誰も居ない状態はなかったように思う。それでも200名超えだそうで、人数的にはたいしたことはないのだが、来られた方々は皆さん、仏画や曼荼羅に関心のある方たちばかりで、案内係りの弟子たちも質問にタジタジだった。

今回の披露展は、まだ納まる前の曼荼羅、何かあってはいけないと防犯カメラを設置して、監視していた。
実は、曼荼羅制作は2年間工房の場所が塞がるので、このギャラリーの床にベニヤ板を敷き詰め、ここで描いていた。つまり、ギャラリーは2年間閉鎖状態だった。

曼荼羅を描き終え、大きな布を掛けてその日の作業を終えるわけだが、そろそろ完成するといったその頃赤外線カメラを設置した。披露展の3日ほど前だ。

モニターでチェックをしていると、曼荼羅の上を不思議なものが飛んでいる。 赤外線に映し出されたそれは、まさしくあの白い半透明の球体、オーブだ。

下のビデオに映りこんでいるそれよりも10倍くらい大きなサイズだが、設置した当初は、ビデオボタンがあるのを知らなかったので動画はない。
インドのエローラ等で撮影した写真に写りこんでいたあれだ。静止画なので、埃か何かが、たまたまフラッシュに映りこんで映ったのかもしれないと、100%信じてはいなかったこともあり、今回の動くそれを見た時は、感動ものだった。

怖いとか気持ち悪いとかそんなおぞましい気持ちというより、何か清らかな何かを見たといった感じなのだ。心が洗われるようなそんな気分にさえなる。不思議な体験だった。

そんなことで、下の動画は、「曼荼羅とオーブ?」というタイトルでお客様の居ない時の様子を編集してみた。
実は、入館者の多い時も、けっこう映っているのだが、なぜか手を合わせて曼荼羅に向かう人の周囲に多いように思えたのだから、不思議体験として、書かざるを得なかったわけである。