鳩メモ(アニメ『3月のライオン』の「Chapter.30 月光」) | キジバトのさえずり(鳩に執着する男の語り)

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■アニメ『3月のライオン』の「Chapter.30 月光」(第15話)

 

 

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・後藤正宗(ごとうまさむね)9段と、島田 開(しまだ かい)8段の対局が気になる桐山。しかし、桐山は出席日数がぎりぎりなので、学校を休んで将棋会館に行くことができない。
 そんな桐山を見かねた、担任教師の林田高志(はやしだたかし)は、
「いーから行け!!」
 と、強い調子で言って、桐山を促す。
 このシーンおいて――桐山のそわそわした気持ちを表現したいのか――たくさんの鳩が飛び立っていくアニメーションが挿入される。

 

 

 

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・桐山が夜道を歩いていると、義姉の幸田香子(こうだきょうこ)に出会う。
 香子の不敵な笑みとともに、電線にとまっていた、鳩とおぼしき4羽の鳥が騒々しい羽音を立てて飛び立っていく(もしかしたら、カラスかもしれない)


↑桐山と香子の難しい関係性を踏まえると、この飛び立つ鳩のアニメーションは、対になって描かれているように考えられる。
 陰と陽とまでは言わないが、桐山のシーンにおける鳩の羽ばたきはコミカルな感じに、香子のシーンにおける鳩の羽ばたきは不穏な感じに、というように描き分けることによって、時々の桐山の感情を表しているのだ。
 モノローグが多いアニメ作品なのだが、桐山の心の揺れは、鳩の羽ばたきのような映像でもって伝えられることが多い。