日本人ほど晩酌と夕食をごちゃまぜにする民族は少ないと感じたのは、各国の夕食形態を知ってからだ。そしてこの台湾も飯は出すがアルコールは置いてない店は普通だ。飲みたい時には酒を持ち込む事になる。
そんな晩酌好きの一本人にピッタリなのが台灣居酒屋ルーチャオである。酒好きは勿論だが、酒を呑まない人はご飯が無料で食べ放題というシステムだ。最初の2泊は宿代を安く浮かせるために長安東路界隈に宿を取った。この付近は、バブルのころの日本人駐在員のたまり場となった所で、少し林森公園方面に北上すると、今でもカラオケパブが殿方を待ち構える怪しいゾーンに近いのだ。
入店すると、いきなり中国語の注文票を渡されるが、日本語メニューと言えば大概は用意しているもの。明朗会計でメニューの横の値段は100限前後なので、安心してあれこれ注文できる。注文方法は123ではなく、正の字を書くのが台湾スタイル。
こんな店にもバドガールやハイネケンガールが居て、自社のビールの宣伝に懸命だ。居酒屋の多くは勝手に冷蔵庫から飲み物を持って来て、自分で栓を開けるシステムだ。彼らの飲み見方は豪快で、遅くまでワイワイガヤガヤ嬌声をあげながら楽しんでいる。ときおり日本語の会話も聴かれ、危なくも怖くもない庶民の味方の空間である。
なんと言っても、まず注文するのは空心菜。シャキシャキがクセになり、ニンニクが効いて食欲をそそる。台湾料理は全般に薄味なので高血圧には安心だ。タケノコのゆでたものやさつまいもの葉っぱもごく普通の酒のツマミだ。この日はエビと卵の炒めもの、ゲソ天ぷら、麻婆ドーフを注文。もし食べ残しが出そうなときは持ち帰りが可能だ。打包(ダーパオ)といえばビニール袋などにいれてくれる。
これがバドガールの笑顔に負けて注文したビール。バドのださい赤瓶ではなくワインのような小洒落た瓶に騙されないように。あんまりおいしくないぞ。それでもこれもいれて2人で会計が2500円ほどと超庶民価格だ。
続いて翌日の夕食をしたのが、南京復興駅の角にある兄弟大飯店のとなりにある飲茶の店「天星港式飲茶」飲茶は日本人の口に合う料理だが、中国茶を飲みながら食べる料理のことだ。一方で点心は間食用の甘い食べ物であるが、らーめん、チャーハン、餃子、焼売はずべて飲茶であり、日本人の中華は飲茶と言っても過言では無い。
空心菜でもないが、サッパリ系の青菜。
人気メニューのエビと卵の炒め物は日本人になじみの味付けで美味い。
フカヒレとカニのスープを注文したが、器の小ささにビックリ。
飲茶らしく、最後は春巻きで締めた、ビール2本を入れて締めて5000円の安心価格。それもそのはず、この店は飲茶のファミレスのような存在なので、気取らず利用できる便利な店なのだ。