寒くなると、手足の先が極端に冷たくなり、温めてもなかなか温まらないという方がいます。このような「冷え症」の方は、これまでは女性に多いと言われていましたが、最近では、中高年の男性でも冷えを感じるという方がいます。
冷え症の原因
冷え症には「特に病気ではないが冷えがある場合」と「何らかの病気が原因で冷えがある場合」の2つに大別されます。一般的に冷え症といわれる方のほとんどが前者に該当します。
◆特に病気でない場合
ストレス、疲労、更年期障害、血管の老化、筋肉の減少などにより、熱運搬の乱れや代謝機能の低下が起こり、結果として熱運搬が乱れ、冷え症が起こっています。
◆病気が原因になっている場合
甲状腺機能低下症、レイノー病、動脈塞栓症、心不全などの心臓の病気、副腎機能低下症などの病気により、熱産生が低下し冷え症が起こっています。
なかでも・・・自律神経の乱れは冷えの根本的原因
自律神経は、心臓などの臓器の働きを調節したり、体温の調節するなど、意志とは関係なく働いている神経です。自律神経には、主に活動時に優位に働く「交感神経」と、主に休息時に優位に働く「副交感神経」があります。
ストレスを受けると、交感神経が興奮した状態が続き、副交感神経とのバランスが取れなくなってしまいます。自律神経が乱れると適切に足を温めたり、冷やしたりする調節ができなくなります。
冷え症対策
●身体を温める食事
食べ物は身体を温める熱の元になります。カボチャやニンニク、サンマ、鶏肉など、身体を温める食材をバランスよく摂ると良いでしょう。
●リラックスをする
リラックスした状態では、「副交感神経」が優位になり、末梢血管が拡張して、手足が温かくなります。独自のリラックス法を生活の中に見つけてください。
●温かい飲み物
特に、お酒は血行を良くし、体温を上昇させます。冷たいお酒ではなく、温かいお酒を少量飲むと良いでしょう。
●運動で身体を温める
適度な運動は血行を良くし、うっ血を少なくします。更に、筋肉は1日の活動で生み出す熱の約6割を作っています。筋肉を鍛えることで、熱の生産量が増えます。
●心地よい睡眠
食事と同じくらい大切なのが、充実した睡眠です。長くても短くても、快眠を得る大きなポイントは就寝・起床のリズムを整えることです。
●冷暖房や衣服の調節
自律神経が対処できるのはおよそ7℃までと言われています。室内温度を調節したり、カイロや上着を上手に利用してください。
冷え症にお勧めの漢方薬
【六君子湯】・・・胃腸が弱く、作られる熱の量が少ない場合
【加味逍遙散】、【桂枝茯苓丸】、【当帰芍薬散】・・・血流が悪く、熱を全身にうまく運べない場合
【真武湯】・・・むくみやすく、身体に水分がたまりやすい場合
まだ他にも、その方々に合った漢方薬をご用意しております。冷え症対策で漢方薬をお飲みになる場合は、是非富士越薬局までご相談くださいませ。