かぜ症候群は、鼻や喉といった空気の通り道におこる急性の炎症の総称です。かぜ症候群は、特に治療を受けなくてもたいては1週間前後で治るために、たいした病気ではないと考えられがちです。しかし実際には、こじらせて治るまでに時間がかかったり、余病を併発するケースもみられます。
高齢者や乳幼児のように、感染に対する抵抗力が十分でない場合には、重症化することも少なくありません。特に、慢性疾患の患者さんは、かぜ症候群をはじめとする感染症にかかりやすいものです。発症すると慢性疾患が悪化する可能性があるので、注意が必要です。肺がんやウィルス性肝炎などでは、初期の症状がかぜ症候群と似ているため、重い病気を見逃す危険性があります。
かぜには何よりもまず、日頃よりからだの自然治癒力を高めておくことが大切といえます。
何故、かぜをひくの?
かぜは、疲労やストレス、急激な温度変化、睡眠不足、栄養不足などのもろもろの要因が重なり合って、主にウィルスに感染して発症します。かぜ症候群のウィルスの多くは、患者の咳やクシャミによって飛び散ります。そして、周囲の人が吸いこむことによって感染が拡がっていきます。人込みにいるほど、かぜ症候群を発症しやすくなります。かぜのウィルスの型と種類は多くのものがあります。そのため、一度かぜをひいてある種のウィルスの免疫ができても、体力の低下によって他のかぜウィルスにも繰り返し感染し、かぜをひくことになります。
かぜは万病の元!
高齢者や、慢性病のある方や乳幼児は、かぜによって余病が併発する危険性が高く、重大な結果を招くこともあります。かぜによる合併症には、肺炎や心不全、ライエル症候群、スティーブンス・ジョンソン症候群などがあります。また、糖尿病や肝炎、腎炎などの持病もかぜによって症状の悪化がおこる場合があります。したがって、日頃から疲労回復を図り、基礎体力を維持して免疫力を保っていることが大切です。