いままで誰にも言えなかった
恥ずかしいことを告白します。
私、
小説が好きと吹聴しながらも
松本清張を読んだことが
ありません
タイパが重要視されるこのご時世
長編小説を読む時間などない
という方が多いと思います。
そこで暇人の私が
そんなあなたの代わりに読みます。
松本清張作品について
語りたい。
けど
読み切れない。
そもそも
読む時間がない。
という方へ。
私が読んたレポで
秒で松本清張をマスターしちゃってください
前回の記事はコチラ↓
時短読書 ③松本清張その4
松本清張 短編小説「西郷札」作家はどう読むか
松本清張のデビュー作「西郷札」
これを作家たちがどう評価しているかを
抜粋してみようと思います。
練り上げられたプロットが、大げさでなく神業
（山本兼一「『真贋の森』と『西郷札』」）
本作は
「私」が西郷札に付された「覚書」と出会うことに始まり、
「覚書」の内容に感銘を受けた「私」がその内容を書き記す、
という、
入れ子構造のような構成です。
ある事実に対してすでに
興味を示している人物
を提示することで、
読者はその人物の視点を借りて
より深い没入感を持って
小説世界に入り込むことができます
どこを取ってもゆるぎない精緻な彫り物細工
（山本兼一「『真贋の森』と『西郷札』」）
作中の中心人物樋村雄吾の生い立ち、
義妹に対する感情の機微、
理知的な塚村圭太郎が密かに燃やす嫉妬心・・・
それらが細密に描かれている。
さらに
そこに入れ子構造の構成
そして
実在する「西郷札」というモチーフと
西南戦争
実際の社会的背景に裏打ちされた形で
人物たちが描かれるので
彼らが実在するかのように
読者の前に立ちのぼってくるのです
次回のレポは
＜松本清張の芥川賞受賞作を読んでみる＞
です。
お読みいただきありがとうございました。