短編小説 真夏のトライアングル
作:NaNa
★29
同居人というのは女ではないと分かったものの、今度は別の女の子といるところを見せつけられて、なおかつ同居人は同居人で、この世のものとは思えない声で私を激しく揺さぶって、私の頭の中はいろいろなことで混乱していた。
混乱に酔いも重なって、異様な昂ぶりが私の体内で火花のように弾けて暴れまわった。
店から地上に戻ろうと階段を上っていると、リツが脇をすり抜けて階段を駆け上がっていった。下からはリツを呼ぶ女の子の声が近づいて来る。