短編小説 真夏のトライアングル
作:NaNa
★16
優真は器用に服を脱がせた。私は目を閉じて優真の感触に神経を集中した。これが最初で最後になるかもしれないからだ。
「俺たち、きっとこうなるって思った」
耳たぶを優しく噛みながら優真が囁くと、背筋に快感が走り抜けた。私も、と答える代わりに優真の髪を撫でた。恥ずかしさが目の前の景色にフィルターをかけるのに、気づけば体は感じるままに、反応をむき出しにして優真に開いていた。
優真と私は境目がわからないくらいに溶け合った。つま先から体の中心に向かって、絶頂のさざ波が、たたみかけておしよせる。唇を触れ合わせながら、結び合った手にぎゅっと力をこめた。さざ波は二度三度とやってきて重なり、大波になって私をのみこんだ。
二人同時に声を上げた。快感の沼に足先を入れた私は、沈み込んでしまうのが怖くて優真の首に腕を回してしがみついた。