CM搬入コスト計算 | スローライフでCMプロダクションinとっとり

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テレビCM専業のワンマンオペレーションプロダクション。
クロマキースタジオ、ロケ車、特殊効果編集、NA録音、完パケ製作。
趣味が仕事なのか、趣味を仕事にしているのか曖昧。好きなことやって金儲け。
そんな仕事的コラムはかなりマニアックだったり…

導入機材費、ランニングコスト、利益などを勘案して当社として何を選択するかそろそろ決めねばならない。

選択肢はほぼ4つ。
1.HDCAMを今まで通り外注にする。
2.HDCAMデッキを弊社で導入する。
3.XDCAMドライブを導入する。
4.P2ドライブを導入する。

1は間1社入れることにより売価が上がりクライアントの負担が増えるのであまり好ましくない。急ぎなどの対応、テープのやり取りなど余計にかかる手間も多い。

2は新機材も登場してきて可能性がなくもない。
現状HDCAMデッキ中古で¥1,942,500、VTRコントロールのSSDデッキが\85,980、SSDは読込250MB/s64GB\62,780 合計210万円。
以前はVTRにHD-SDIで映像を送るWSを想定していたので総額500万以上を想定していたがこんな機材が出てきた。
メディアコストはテープが最も安く\1,617だ。

弊社で年間約600本の消費があるのでXDCAM \3,287との差額は100万円にもなる。
じゃあ2年でHDCAMデッキの元が取れる!というのは早計。
HDCAMテープもリユースが可能だ。毎年どの代理店もレギュラー的に出稿本数は似通っているのでメディアコストがかかるのは初年度だけということができる。

そう考えるとHDCAMデッキの導入はちょっと待てとなる。
リユースとはいえ数十回が限度とも言われる。どう管理するのか?XDCAMの場合だと1000回以上ということで軽く20年は使い回し出来るので外傷がない限り大丈夫?
しかもVTRはヘッド寿命があり中古で購入すると更に短くなる。オーバーホールは中古がもう一台買えるくらいの価格になる。消費電力も半端ない。

XDCAMのドライブ価格は実売で\327,180。USB接続なので現在のパソコンにすぐ繋げてプレミアで書き出したファイルをコピペするだけでいけそうだ。
メタデータのXMLを作成するのにドライブ込みのターンキーシステムがあるのだが100万円以上する。詳しい人間に聞くと作成ソフトはちょっとプログラム書ける人なら簡単に作成できるらしい。確かに中身を見ると僕でもテキストファイルで書き換えして使い回し出来そうな代物なのだ。ここはちょっと悩みどころである。

メディア代金の負担はクライアント側に持ってもらうことにしている。
つまりP2が\35,910するからと言って当社の負担にはならないのだがCM制作単価が極端に低いローカルゆえの悩みで制作費を減らされる結果となってしまうためあまり高価なメディアは使えない。もちろん次年度からはリユースとなるので費用はかからなくなるが\35,910はちょっと…という価格になる。
ただ同じソリッドメモリーを採用している池上のGFPAKがCM専用に\9,800で出すと発表したのでパナソニックも同様の製品を出してくるものと思われる。
ではGFPAKでいいのではないかと思われるが書き込みドライブの性格が違う。
P2は\34,800のカードドライブだけで読み書きができてしまうがGFPAKは\2,415,000もするデッキでないと書き込みができないのだ。

現状はそんなところである。
日本民間放送連盟のホームページにテレビCM素材搬入基準【2011年5月改訂版】(PDF/1209KB)が出ていた。暫定版から改訂版に更新されたようだ。
http://nab.or.jp/index.php?%A5%C6%A5%EC%A5%D3

やはり年間600本にもなると1本1000円違うだけで60万円も違ってくるわけで価格設定も安易に決められない。もちろん商売的な価格競争もあるわけだし…
一見派手に見えるCM業界とはいえローカルだと薄利多売のような…(苦笑)