未知のバス
以前、乗りものニュースという交通系ニュースサイトを見ていたらこんな記事を見つけました。
バスの中に……サウナ？
お風呂がある鉄道車両は知っていますが、サウナを備えたバスが現れるとは…
サウナってあのサウナですよね…？とっても熱くなるやつ…
バスの中に作って大丈夫なのでしょうか？
記事を読むと、このバス、「サウナバス(サバス)」は神姫バスで使われていたものを改造したもので、2022年に登場したようです。
活動は関西を中心に行っているのだとか。
あけましておめでとうございます！
— サバス（サウナバス） (@sauna_bus) January 4, 2023
1月の蒸車案内です🚌
日時：1/14(土)、15(日)
場所：フィンランドフェアin SAGA 2023（佐賀県）
詳細＆予約はこちら👇 https://t.co/K1gATLbCCT pic.twitter.com/iqJBHKvvdk
なんと佐賀で行われるフィンランドフェアに合わせてサウナバスがやってくるというのです！
この機会を逃す手はない、と思い、さっそく行ってみることにしました。
特急かささぎ初乗車！
2023年1月15日。博多駅からまずは佐賀へと出発です。
佐賀に行くにあたって乗車するのは…
こちら、特急かささぎ103号です！
かささぎとは、2022年9月23日、西九州新幹線と同時にデビューした特急。
主に博多～肥前鹿島間を走り、博多～佐賀間の特急需要の補完と新幹線が通らない肥前鹿島への救済という2つの目的を合わせ持つ列車です。
現在は7往復が運行されていますが(一部は佐賀発着)、沿線自治体との取り決めで3年後には5往復に減便される予定となっており、昼間の列車はまっさきに無くなりそうなためこの機会を捉えて乗ってみることにしました。
ちなみに「かささぎ」は「かちがらす」とも呼ばれ、佐賀県の県鳥ともなっているとか。
今回の佐賀の旅にぴったりですね。
本日の使用車両は787系BM1編成。トップナンバーです。
行き先表示にはもちろん「肥前鹿島」の文字。未だに違和感があります…
車内に入ります。
乗車するのは…4号車セミコンパートメント席！
リレーかもめでは指定席ですが、かささぎでは自由席なので気軽に座ることができます。
特別感がありますね～
10:19、かささぎ103号は定刻通り発車しました！
発車するとすぐ…
今となっては懐かしい、あの3点チャイムが流れました！
車内自動放送が合成音声に変わってからというもの、JR九州伝統の3点チャイムが聞けなくなっていましたが、旅行の3日前、2023年1月12日から3点チャイムのみ復活(合成音声なのは変わらない)しました！
3点チャイム消えて悲しかったのでこれは嬉しいです！
竹下の車両基地の横を通過します。
DD700-701が止まっていました。
まずは二日市に停車。
原田ではなぜか787系上り回送が退避していました。
機関車が見えてきて鳥栖到着。
ここからは長崎本線に入ります。
新鳥栖に停車。ここから佐賀までの間の短距離だけ乗車する人がいました。
新鳥栖を過ぎると右側には吉野ヶ里遺跡の姿。
いつしか列車は高架線に入りスピードを落としていました。
右手に西鉄バス佐賀本社が見えるとまもなく佐賀。
10:58、佐賀に到着。今回はここで下車します。
佐賀線の遺構
肥前鹿島へ向かうかささぎ103号をお見送り。
ふと振り返ると…
謎の切り欠きホームを発見。
近づいてみると…
柵が設置されてあって、使われていないようでした。
でも車止めみたいなコンクリートの塊はあるし、
枕木も残っています。
この使われていないホームは旧3番線。JR九州誕生直前の1987年3月28日に廃止になった佐賀線(瀬高～佐賀間)用のホームでした。
ちなみに佐賀駅が高架化したのが1976年のことなので、この切り欠きホームはたった11年しか使われなかったことになります。
いよいよサウナバスと対面
佐賀に降り立つのは……もしかしてはじめてかも。
さっそく駅前には「フィンランドフェア」の看板があります。
が、ここにはサウナバスはいません。
佐賀駅から歩いて17分ほどのところにサウナバスは止まっているようです。
ということで歩いて行くと…
広場に1台のバスが止まっていました。
普通のバスに見えますが…
煙突がついています！
これが世にも珍しいサウナ付きのバス、「サウナバス(サバス)」です！
中も見学できるようなので見てみます。
その前に公式側から1枚。
よく見ると、
「薪サウナ搭載車」とか「ロウリュできます」といったこのバスならではの表記が…
さらに車いすマークがあるはずの場所にはサウナに座る人のピクトグラムが貼られています！
路線バスのデザインを踏襲しつつサウナバスであることを表現した遊び心満載のデザインですね〜
車番も「1137」、いいサウナ！
前ドア近くにはバス停？も置いてありました。
気になるサウナバス車内に潜入
それでは「蒸車」します！
中は土足禁止なので入る前に靴を脱ぐ必要があります。
こちらが車両前方。
休憩スペース、荷物置き場になっています。
運転席に入っていいということなので見てみました。
運転席には整理券区間表示機とか
車内放送装置などがそのまま残されていました。
あえて撤去しなかったのでしょうか？
優先席があったと思われる場所は資材置き場となっていました。
薪…？
それでは、いよいよ車両後部、サウナ室へと入っていきます！
扉を開けると、いきなりむわっとした暑さが漂います。
これがバスの中のサウナ！
バスと同じように2人がけの椅子が両側に、そして1番後ろには長いベンチが！
座席配置はそのままに、タワーサウナっぽい仕上がりになっています。
最後部席は寝サウナができるようにもなっているのだとか。
バス由来の大きな窓も健在！
今回は街中ということもあり塞がれていましたが、場所によってはサウナとは思えない広々とした景色を楽しめるでしょうね。
最後部席からの眺め。
バスの座席配置を踏襲することで向かい合わせにならず、目線を気にすることなく過ごせる環境になっているそうです。
前方寄りにはストーブが置かれています。
このストーブ、なんとサウナ大国・フィンランド製の薪ストーブだそうです。
バスの中でサウナが楽しめるだけでもすごいのに、その熱源が薪ストーブとは…
こだわりぶりがすごい！
薪のいい香りが漂います。
さらに、このサウナにはバス由来ならではの面白い仕掛けが存在します。
その一つがこちら。
つり革の輪の中に…よく見ると温度計が嵌まっています。
指している温度は実に95℃。
そしてストーブ近くにはなんと降車ボタンが！
よく見るとそこには「ロウリュの方はこのボタンを押してください」と書いてあります。
ロウリュとはストーブで熱せられたサウナストーンに水をかけ、蒸気を発生させること。
このボタンを押すと人ではなく蒸気が降下してくることとなります。
ちなみにロウリュ用の水を貯めておくのはこの元整理券箱。
今回はここに嬉野茶入りの水を貯めておいて、ロウリュのときにお茶のいい香りをふわっと漂わせるそうです。
……室温が高すぎてスマホのカメラが耐えられなくなりました。
そろそろ出ないと。
ということでサウナバスの見学記でした！
バスをサウナにするという発想もさておきながら、バスの部品をうまく活用したギミックにバスファンとしてとっても魅力を感じました。
まだまだ動きだしたばかりのサウナバスですが、末永く活躍していってほしいですね。
ちなみに前面と側面のLED表示器はそのまま残されており、サウナバス専用表示を出すことができるのですが、この日は消えたまま。
尋ねてみたら、表示を付けると2分でバッテリーが上がってしまうため点けていないとのこと。
見たかったなあ…
続きます。
★乗車データ
1003M 特急かささぎ103号 肥前鹿島行き 博多(10:19)→佐賀(10:58) 787系 BM1編成
※2023年1月15日乗車
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