ニセコ号に乗車!
旅は3日目。今日はこの旅のメイン、特急ニセコ号に乗車します!
ニセコ号とは札幌~函館間を函館本線(山線)経由で結ぶ臨時特急。
毎年9月に運行されている恒例の列車なのですが、例年は普通のキハ183系で運行されているところ、今年(2021年)は「ノースレインボーエクスプレス」が使用されます。
ノースレインボーエクスプレスとは北海道最後のリゾート気動車。
大幅に拡大された客室窓やラウンジなどが設置された観光に特化した車両です。
近年では特急「宗谷」の代走や「フラノラベンダーエクスプレス」で活躍していましたが故障が頻発。
後継車両のラベンダー編成の登場に伴って営業運転に入らない日々が続いていました。
このニセコ号はそんなノースレインボーエクスプレスに乗れる貴重な機会です。
※この2021年の運行時は宣言下の運行だったため、完全に満席になることは少なかったですが、山線の廃止とノースレインボーエクスプレスの引退が発表された2022年(今年)は1ヶ月前の発売とともに満席となることが多かったようです…
ノースレインボーエクスプレスの車内
さっそく乗り込みます。
車内はリゾート気動車ということもあって普通の車両とは全然違います。
ハイデッカー構造で、各座席の上には天窓があって開放感が抜群。
ところどころの天井にモニターが設置されていて、前面展望や映画を流すことができるそうですが、今回は電源が入ることはありませんでした。
各座席にはオーディオパネルも設置されていますが、こちらも使用停止になっていました。
こちらは1番前の席。前面展望が楽しめるようになっています。
ここの席を予約しようとしたのですが、さすがに無理でした…
そんな眺めが売りのノースレインボーエクスプレスですが、残念ながらハズレ席も存在します。
それがこちら1号車・5号車の3番の座席。
ここはディーゼルエンジンからの排気管が通っているため窓がありません。
一人がけというメリットはありますが、それ以上に窓がないデメリットが大きいのかな…と。
ハイデッカー構造のため、各号車へは階段を使って行き来することになります。
階段横には大きな荷物スペースも設置されています。
ハイデッカー構造のノースレインボーエクスプレスですが、1両だけ2階建て車が存在します。
3号車で、ニセコ号では自由席となっています。
この車両は1階がラウンジ、2階が座席となっています。
こちらが2階席。
多少圧迫感があり、天窓もないですが、眺めは抜群。
ただ、ここに乗っている方は少ないように感じました。
モニターを吊り下げることができないため、こんなところに置かれています。
続いては1階。
1階へ行くにも階段を使う必要があります。
こちらが1階ラウンジです。
長いソファーが片側に設置されたゆったりとした環境。
壁にはモニターが埋め込まれています。
肘掛けは自由に動かせるようになっていました。
ランプが設置されていて、なんだか北斗星のロビーカーを思い出しますね~
ちょうどホームが目の高さくらいに来るので眺めはそこまでよくありませんが、この雰囲気、なかなか他では味わえません。
ちなみにお隣には車販スペースのようなものがありましたが、こちらは閉鎖されていました。
いよいよ出発!
入線から発車まではとても短く、一息つく暇もなく発車時間になりました。
いよいよ、山線経由で向かう函館までの旅のスタートです!
列車はまずは小樽までの電化区間を走行していきます。
天窓から架線のビームが過ぎ去っていくのが見えます。
うちの子聖地の琴似駅をあっさり通過し、最初の停車駅、手稲に到着。
手稲の先、進行方向右側に札幌運転所が見えます。
キハ261系1000番台が休んでいる光景が見られました。
石狩湾を見ながら小樽へ
札幌郊外を走り抜けた列車は銭函を過ぎると右側に石狩湾を見ながら走ります。
ニセコ号最初の絶景区間です。
対岸には石狩湾新港の姿。
国際貨物を取り扱い、道央圏の物流・産業基点となる大きな港です。
そんな石狩湾沿いを進むルートの中にひとつ廃駅が存在します。
その名は張碓駅。
海そばまで崖が迫り、周りにはほとんど何もない駅でしたが、海水浴場が駅のそばにあり夏季は賑わっていたそうです。
1990年からは臨時駅として夏季のみ営業となりましたが、跨線橋がないため利用客が列車にはねられる事故が多発したこと、海水浴場が廃止されたことなどから1998年に通年休止となりました。
その後も鉄道ファンなどによる訪問が跡を絶たず安全が確保できないことなどから2006年に廃止、駅施設はすべて撤去されました。
このニセコ号はその張碓駅跡を通過します。
ここがその張碓駅跡と思われる区間。
ホームも含め跡形もなく、駅があった痕跡はほとんどありません。
そのわずかな痕跡の一つが上の画像に隠されています。
この画像は上の写真を拡大してみたもの。
わかりにくいですが、堤防にうっすら黄色い文字で「うす」と書いてあるのが見えます。
この場所には現役時代から「はりうす」と書かれており、廃止後もそのまま残されています。
この他、駅の先の張碓トンネルにもその名を残しています。
海岸沿いを走り抜けた列車は小樽の市街地に入りました。
8:40、列車は小樽駅に到着です。
4分停車なので降りてみます。
まずは先頭を1枚。
小樽は有名な観光地。古くから栄えたこともあって、駅ホームにもレトロ感を感じさせる演出が施されています。
そのひとつがこのランプ風照明。
現代の列車との組み合わせはなかなか面白いですね。
それでは、ここからはついに「山線」と呼ばれる区間。
私も初めて足を踏み入れるところ。
一体どんな風景が待っているのでしょうか…
続きます。
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