以前の記事でも書きましたが、令和2年7月豪雨の影響により、肥薩線は各所で橋梁流失・土砂流入などの被害を受け、現在八代~吉松間で復旧の目処が立っておりません。
そんな中、肥薩線応援企画ということで、博多~門司港間で肥薩線の観光列車の「かわせみ やませみ」「いさぶろう・しんぺい」を走らせることになりました。
運行形態は博多と門司港の間を一日1往復。門司港行きが「かわせみ やませみ92号・しんぺい92号」、博多行きが「かわせみ やませみ91号・いさぶろう91号」となっており、「かわせみ やませみ」「いさぶろう・しんぺい」が全区間併結運転の別列車として運行されます。
かわせみ やませみ(以下・せみせみ)といさぶろう・しんぺい(以下・いさしん)の車両が連結して運転することは、せみせみ車2両のどちらかが検査のときに代用としていさしん車を連結という場合に見られることはあります。しかし、今回のように2両+2両の4両編成で運行されるのは今回が初めて。
運転区間がいつもとは全く異なることもあり、ぜひ乗りに行こうと思っていました。
門司港発着として運行開始してから2週間。ついに乗車するときがやってきました。
ちなみにかわせみ やませみは今回が初めての乗車です。
博多駅2番ホームにやってきました。
名前が長いので字がかなり詰め込まれています。
しばらくして、竹下方よりいさしん車を先頭に「かわせみ やませみ92号・しんぺい92号」がやってきました。
かわせみ側の車両。
発車時刻まで時間がないので中に入ります。
(以下、発車後や復路の写真を含みます)
1号車は「かわせみ」(キハ47-8087)。
シートはほぼ青色で統一されています。
2号車寄りにはカウンター席と子ども用椅子、4人用ボックスシートが設置されています。
さらに後ろには小さなカウンターコーナーがありました。
2号車により大きなサービスコーナーがあることもあり、こちらは閉鎖されていました。
1号車連結部寄りには丸窓が設置されています。
それでは、2号車へ移動します。
こちらは2号車「やませみ」(キハ47-9051)。
シートはほぼ緑色で統一されています。
車両中央にはカウンター席、右側にはやませみベンチシートが2席設置されています。
ちなみにやませみベンチシートは通常時は指定席特急料金+210円で利用できますが、今回の特別運転ではフリースペース扱いです。
そのお隣には4人用ボックスシートが1つ。
そして、2人用ボックスシートが2つあります。
今回はこのボックスシートの指定を取りました。
ちなみにカウンター席・ボックスシート・ソファ席(後述)はインターネット予約では購入できず、みどりの窓口のみで、「かわせみやませみs92号」として別口座扱いでの発売なので注意が必要です。
ソファ席より1号車側にはサービスカウンターが設置されています。
まだ準備中でした。
それでは、今度はいさしん車側に行ってみます。
2号車の運転席側にはソファ席が設置されていました。
2号車の運転室側のドアを通りいさしん車へ。
普段は通ることができない場所ですね。
こちらがいさしん車(3号車・キハ47-8159)。
もともとは普通列車用として改造されたので全て木製ベンチ風のボックスシートとなっています。
居住性は明らかにせみせみより劣るのと、相席になりやすいためか閑散としていました。
全く乗っていない、というわけではないのですが。
こちらは車両中央部の展望スペース。
以前、いさしんの予備車であるキハ140-2125に乗車する機会がありましたが、それとは違い、窓が天地方向に拡大されていないことが特徴です。
(参考)キハ140-2125の展望スペース 2020.5.23撮影
なお、キハ140-2125は今回の臨時運行には使用されず、熊本車両センターで待機の日々が続いています。
果たして活躍の日は来るのでしょうか…?
4号車寄りには、このいさしんの名前の由来となった山縣伊三郎、後藤新平の紹介がありました。
それでは、4号車(キハ47-9082)へ。
こちらも3号車とそれほど変わりません。
無人駅からの乗車も想定して、整理券発行機が設置されています。
こちらは先頭部。
運賃箱が設置されています。
人吉~吉松間の地元客用に設けられたロングシートの自由席。
今回は全車指定席なのでここはフリースペースです。
それでは、自席へ。
10:40、列車は門司港へ向け発車しました。
列車は福岡市を走り抜けていきます。
最初の停車駅・香椎に到着。駅員の方が見送ってくださいました。
香椎を出たところで、サービスカウンターがオープンしたので車内販売で何か購入することに。
買ったのはこちら。晩白柚サイダー、くり最中アイス、焼酎アイスです。
これらは通常の肥薩線運行時にも販売されている商品。
車内販売も観光列車に限られる今、車内でおやつを買って食べられるのも貴重ですね。
#かわせみやませみソンナニカタクナイアイス
次の停車駅は折尾ですが、列車は福間にて運転停車。
後続の特急ソニック17号に追い抜かれます。
ここで乗車記念証を頂きました。
かわせみやませみといさしんが連結しているので乗車記念証も2枚。お得な感じです(笑)
列車は城山トンネルを抜け、海老津で再びの運転停車。
今度は4228M快速小倉行き[海老津通過]に追い抜かれました。
特急とはいえ、キハ47で運行ということで快速にも追い抜かれてしまうんですね(笑)
遠賀川を渡ります。いさしん車から遠賀川を見るというのもなかなかない体験ですね。
折尾に停車です。
黒崎に停車した後、列車は北九州の中心駅・小倉に到着しました。
駅員の方の見送りがここでも。
門司駅に到着するとちょうど目の前をキヤ検(キヤ141)が通過していきました。
次は終点・門司港です。
列車はところどころで関門海峡の風景を眺めながら終点へ向け走ります。
12時14分、博多から1時間34分をかけて列車は終点・門司港に到着しました。
種別表示器の上についているかわせみとやませみがかわいいですね。
こちらは連結部。普段はなかなか見られません。
到着から数分で、列車は留置線へと引き上げて行きました。
それでは、次回に続きます。
★乗車データ
9062D 特急かわせみ やませみ92号・しんぺい92号 門司港行き 博多(10:40)→門司港(12:14)
キハ47-9082(いさしん)+キハ47-8159(いさしん)+キハ47-9051(やませみ)+キハ47-8087(かわせみ)
※2020年8月25日乗車
次回
・関連記事①(いさしん車予備車キハ140-2125乗車記)
・関連記事②(今回使用されたキハ47-9082出場回送)
・関連記事③(同じく令和2年7月豪雨の影響で豊後森までの運行となるゆふいんの森乗車記)
・関連記事④(前回の門司港訪問記)