トラブル事例~区分登記された賃貸マンション(その1) | 不動産法務コンサルタントへの道

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こんにちは。不動産法務コンサルタントの中沢です。

以前に見聞きした競売にまつわるトラブル事例をご紹介したいと思います。


対象物件は賃貸マンション一棟です。

そのマンションは区分建物登記がなされており、すべての専有部分を同一人が所有しており、かつ銀行の抵当権が設定されていました。

その後銀行が抵当権を実行し、すべての専有部分について競売が開始されました。

入札の結果、ある会社が落札し、すべての専有部分の所有者となりました。

ところが、思わぬことが判明します。

すべての専有部分を落札して一棟全体の所有者となったと思われていたのですが、管理人室だけが債務者の名義となっていたのです。

管理人室には警報盤等の管理に必要な設備が設置されているわけですが、専有部分として登記されている以上、原則として立ち入ることができません。

これでは建物の維持管理をすることができませんが、専有部分にはすでにテナントが入居しているため、これは深刻な問題です。

何故このようなことが起きたのでしょうか?

この続きは次回に。