遂にこの時が来たのだ…

戸田不伝より受け継ぎし名刀・片山一文字。

この刀を振るう時が遂に来たのだ。

 

はい。片山一文字 銘 勝道です。

当ブログには何度か登場していますが、

これまで軽く素振りした事はあるけど本格的振ったことは一度もなく事実上の鑑賞刀でした。

まあ、当初は勿体なくて振るつもりは全く無くて完全に観賞用だったのですが

「これを超える良い刀が手に入らない限りは振るつもりはない」

「これを超えるほど良い刀なんてそうそう手に入らないし」

なんてこと言ってましたが

気付けばこれを超える刀が既に二振もあるではありませんかッ!!

という事で、次第にいずれは振ってもいいかなと思い始めるに到ったわけですが、

それは今じゃない。

もっと腕を磨いてから。

そうだな…五段だな…

五段、そして錬士の号を取得した暁にこの刀の封印を解こうじゃないか。

…と自分的に目標を立てていたわけですが。

 

 

そんな中、先月初頭に起きた予想していなかった弊害。

あまりにも軽する清光を一年近く振っていたがため、

試斬刀へ持ち替えると予想外の重量差に形稽古通りの剣が振れなかったという…

清則を振っていた頃はこんな事は無かったんだけど…

 

で、清則と清光を一週ごとに交互に振るという打開策を思いつく。

長寸故に無意識下での癖がついていた清則。

この癖を無くすために清光へ持ち替えたわけですが

一週置きで交互に振る事によって刀本来の重量感を身体に憶えさせたまま癖を無くす事ができるんじゃなかろうかという考え。

長寸でほぼ反りの無い清則(0.6mm)、そこそこ長寸で反りの深い清光(2.6mm)

両極端を交互に振る事でこれはこれで新たなものが見えてくるかもしれないという+αにも期待w

まずはリハビリとしてしばらく清則を振って感覚を取り戻す。

7月第二週より早速清則へ持ち替えるのですが…

恐ろしい事に古刀でも軽めの部類に入るはずの清則ですら重く感じてしまったという…

慣れというものは本当に恐ろしい…

感覚を取り戻すまで三週かかりましたw

 

そして、そこへ戸田宗家と雷神様から声がかかる。

片山一文字を振りなさい

と。

長寸を振る癖もほぼ抜けたと思われ、

いい機会なので今の内から一文字へ慣れておけという

師からの令が下りました。

…ということで予定よりも早いデビューとなりました。

刃長は清則よりも更に長くなりますw

 

 

新たな弊害w

こちらは清則。ギリギリ刀ケースへ収納できます。

刀袋へ入れても半ば無理矢理押し込めばファスナーも閉まりますw

 

続いてこちら

片山さんw

はい。どう見ても入りませんw

諦めて以前に買っておいた竹刀用のケースへ入れて持ち運ぶ事にしました。

 

前述の通り、在銘刀で「勝道」の銘が入っているのですが

南北朝初期の刀で、茎の錆も時代相応。

その割に銘を切った跡が新しく感じるんですよね…

どうもこれ後銘じゃないのか?と。

そして勝道という名の刀工が片山一文字派に居たという記録がない(漏れかもしれませんが)

同名の刀工を室町後期の美濃伝に確認できましたが、

何処をどう見ても美濃伝には見えないし、室町後期にこんな出来の良い刀が打たれたとは考え難い。

どう見ても鎌倉後期~南北朝初期の姿してますしね。

やはり後銘じゃないのか…と。

 

 

新旧愛刀

こうして写真で見ると長さはそんなに変わらないように見えますが

実物を見ると結構違います。

で、日本刀とは恐ろしいもので実際に帯刀して一通りの所作を行うと長さ数mm、反りが数mm変わっただけでも異次元の違いを感じるものなんですが…

…それはあくまで普通の人の場合w

私の場合、反りの差2cmとか長さ15cm差とか様々な姿の刀を振ってきたので数cmの違い程度は誤差にしか感じなくなってしまいましたw

余程特異な姿でもしてない限り問題なく抜き差しできるんじゃなかろうか。

 

因みに清則も戸田宗家より受け継いだ一振です。

こちらは旧拵に黒い下げ緒なので譲り受けた直後の写真じゃないかな。

 

こちらは作り直した拵の現在の姿。

清則よ、お前のおかげで私はここまで戦ってこれた。

心から感謝している。

お前と別れるのは忍びない。

しかし今は、戦いぬくことが先決だ!

さらばだ、清則!!

 

つまりはあれですよ。

ガンダムでいうところの主役機交代なアレですよ。

 

いや、まあ…

清則も引退させるつもりは毛頭ありませんので

今後も片山さんを主兵装に清則を副兵装で使っていく所存である。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

なんだこの振り易さは!?

長くなり重量も結構増えた。

だが、手元重心のためバランスが良い。

そして重量感からくる振り下ろした時に腰が更に一段階入る感覚。

さすがは日本刀黄金期に作られた一振。
ただし、この腰が一段入る感覚はある程度の境地にまで達した人じゃないとわからないだろうと思う。
熟練者が振ってこそ真価を発揮する一振。