こんばんは、なおです。


ふつーに生まれた私が
どうやって今まで生きてきたのか?について
綴っています。。。


前回はここ

【わたしの世界観23】



20歳の秋に
私は女の子を出産した。

その時の話。


予定日を4日ほど過ぎた明け方。
お腹がなんか気持ち悪いなと

目が覚めた。

これはきたかな、予定日も過ぎてるし
とりあえず病院に近い実家へ行くか・・・

と、車で30分ほどの実家へ
もちろん自分で運転して向かう。



途中、なんか腹痛いな・・・と思いつつも
少しすると治るから

なんとか30分の運転でたどり着いた。



病院へ着いて
「もっともっと痛くなるんだから」という
母の声を聞き

じゃあまだまだなのだろうと
痛みに耐えていた。


それまではものすごく痛くても
一瞬で嘘みたいに治る・・・

ってのを繰り返していて
もうおかしくて、

なんなんだろ、あの痛み?みたいに
笑ってる余裕すらあったんだけど

病院の待合室では、
なぜか治る瞬間がなく

ずっとMAXで痛いのだ。


いやいや、まだまだ痛くなるんだから
これくらいじゃないんだからって

ずっと呪文のように呟いていた。


看護婦さんに呼ばれて
診察受けたら

なんだか慌ただしく分娩室へ通される。


「着替えてください」と
ペラペラの手術着みたいなの渡され

痛さに耐えつつ着替え、
脱いだ服を畳んでたら

いつもいる怖いと有名な看護婦さんが

「何やってんの!早くっ!!」と叫ぶ。


何やってんのってさ、
脱いだ服畳んでんじゃん・・・

って反抗期の中学生みたいに心の中で毒づきつつ
ちょっとだけ焦って

言われた通りに分娩台へ。


股の間をみた助産師さんが
「あ、頭が出てるっ!!!」

そう叫ぶや否や・・・・・

言われるままに力を入れたりしてたら
一瞬、シュルルル〜〜〜〜っと
何かヒモみたいなのが抜けてく感覚がして

楽になった・・・・・・


その瞬間、
「ウギャッあぁぁ、ウギャッあぁぁ」
う・うるせっっ!!!と思うほどの音量が

静寂だった分娩室を破壊した。


それが、
私の腹から出てきた娘の誕生。


よくわからないままに見てもないのに
とりあえずシュルルル〜〜〜〜っと出たへその緒は
切断されたようで


爆音は消えた。
そう、どこかへ連れて行かれた。


一通り産科の先生が胎盤の排出だの
なんだのの処置をしてくれた

その後に・・・

初めて対面した以外にも大きい
色の白い女の子。


それが娘との出会いだった。

一瞬だけ隣に寝かされて、
すぐにまた連れて行かれた。


ひとりになった私は、

嬉しいとか
やり切ったとか
感謝とか


そんな感情じゃなくて

「どうしよう」

ただただそう思ってた。

怖かった。

そんな生きてる小さい生物を見て、
これを人間として育てなきゃいけないっていう

現実がただただ怖かった。


数時間たち、普通の病棟へ
そっと歩いて移動した後も

当時の結婚相手は来なかった。


「どうしよう」の気持ちは
行き場がなく

看護婦さんの目を盗んで
何度も何度も新生児室の前に

生まれたての娘を見にいった。


「どうしよう」の気持ちを
紛らわせるために

自分に喝を入れるために

何度も見に行った。


朝にものの30分もかからないで
生んじゃったから

夜まで何度も見にいった。

眠れなくて夜中も何度も見にいった。



そんなにうろうろしてたから
とうとう怖い看護婦さんに見つかって

「子宮ブラブラなんだよっ!!
寝てなきゃ年取ってから大変だよっ」って

怒られた。。。。。

そんなこと知らないよ、初めて聞いたよ、
だって全然もう痛くも痒くもないし

へっちゃらなんだけど。
そう思ってた。



20歳の私。
めっちゃ安産だってのちに言われる事になる。


そんなひと夜が開けて

翌日ノコノコ現れた当時の結婚相手は、
「ごめん、パチンコしてた」
そう言った。。。。


最低だな、コイツ・・・
もう何も言う気にはなれなかった。


このあきれるほどの最低さは、まだまだ続くのだ。

次回へ