東北鉄道旅②:羽越・奥羽本線 普通【833列車】(車内の思い出) | こころ豊かに

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少々のことはボヨヨーンとはね返す “丸い大きなふうせん玉” のような 豊かな心 の持ち主になりたいものです。

 乗った車両は、昭和16年製造の古びた客車でした。出発直後の検札では「エッ、これで青森まで行くの!」と驚かれました。“ノリ鉄”が認知されていなかった時代、“ものずきな人” としかみられませんでした。この車掌さんは青森までの通し乗務でした。途中で「次の駅で特急に接続するからそれで行ったら楽だよ」と声をかけてくれ、終点青森では「よく頑張ったね」と激励してくれました。

 普通列車なので、時間とともに車内の雰囲気はがらりと変わりました。朝早い車内は通勤通学列車として大混雑、昼間は地元の乗客メインの空席が目立つローカル生活列車。そして夕方近くは下校時の高校生で混雑、夜は勤め帰りの人で混雑。そのような雰囲気の中で列車に身をまかせていると、今走っている沿線の生活の中にまぎれ込んだような感覚になりました。特に登校時、下校時の高校生集団の、その地域の方言による賑やかな会話は、日常生活から離れた自分を意識できて楽しいものでした。

 走っては止まりをくり返し、ノンビリと、でも着実に進む鈍行列車。特急や観光列車などの優等列車では味わえない楽しい旅でした。