数年前、ある性同一性障害の講演会があった。


参加者20人程度の小さなものだったが、FtMとMtFの当事者二人をゲストに招き、講演の後にはアンケートが実施されていた。


その記録で気になるものがあった。






━以下引用━━━━


Q.①
性同一性障害についてどう思われますか?

A.①
理解は出来ませんが否定はしません。ご本人の選択ですので。


Q.②
今回の講演をきいて印象に残ったこと、ご意見・ご感想などをお聞かせください。

A.②
私は女性ですので女性の立場での考えしか出来ませんが、性転換手術について、女性特有の病気、たとえば乳ガンや子宮ガンとか、こういう重い病気をした方は命のために摘出しなければなりません。それは女性として大変つらい事だと思います。
 その反面、自分の性別がいやだという理由で、健康なおっぱいや子宮等をとってしまうというのは女性としてやりきれない思いがあります。ただ①の答えになりますが、ご本人の選択ですので否定はしません。
 今日は、お二人の話がきけた事は少しは理解につながるような気もします。




━引用ここまで━━━━






言いたいことはわかるのだが、こういう言葉に僕らFtMは幾度となく傷ついてきたように思う。


女性と比較されることに違和感を覚えながらも、同じ女性の体を持つものとして自分を責めてきた。




端的に言えば、この人は性同一性障害(FtM)を誤解している。


FtM=女性の変種?というような感じで。




そんな人が講演会に来てくれた事は大きい。




だが、この講演会にはFtMだけでなくMtFの当事者もいた。


なぜ、FtMと女性の自分は重ね合わせながら、MtFと比較することはしなかったのか。


それだけ『体の性=本人の性』という刷り込みが強い人だったのかもしれない。








男性の胸が突発的に女性のようになる『女性化乳房』という病気がある。


例えば先の女性は、この男性患者が胸を取りたいと言ったとしても、同じように否定的な感想を持つだろうか?




恐らく違うだろう。


寧ろ、同情的かもしれない。






ならば、FtMも同様には考えてもらえないものだろうか。




好き嫌いではなく、性自認に合っていない体というのは不適切なのだ。




FtMは、男性なのに男性機能を持たないばかりか、女性機能を備えてしまったややこしい存在。


それ故、見た目では性自認を表現出来ない。




性自認に合わない体と、その体から派生した見た目の性としての扱いは、確実に心を蝕む。


とても健康体とは呼べる状態にないことも多い。






性同一性障害を理解するとはどういうことか、再三言ってきたが…




男性が男性の自認を持ち続けたい気持ちも、男性の体でいたい気持ちも、女性にはわからないはず。


異性愛者なら、女性を好きになる気持ちだって、男性が好きな女性にはわからない。


でも、そういうものだと認めている。




僕らが求める理解も、そういうものだ。




『性自認と体の性が一致しない人間がいる』




ただそのことを知ってほしいだけだ。






それでももし共感出来るポイントを探すとしたら、女性が自分と比較すべきはMtFになる。


自分がもし男性の体に生まれていたら…、もし男性の体になってしまったら…


その想像がMtFに近いと思う。








講演会に来た女性は、自分か身近な人にでも性別に関わる辛い出来事があったのかもしれない。


もしくは、ジェンダー等の問題に関心の高い人なのか。




いずれにしても、せっかくだからもう一歩奥を覗いてほしいと思った。




乳房や子宮を摘出する辛さを考えられるなら、最初からそれを奪われている性同一性障害のことも想像できると思うから。
朝起きたら性別が入れ替わっていた。なにする?ブログネタ:朝起きたら性別が入れ替わっていた。なにする? 参加中





体が男になっても、別に何もしないだろうな。


「よっしゃ!」とか「超ハッピー!」とか、たぶんない。




何かね、じんわり噛み締めそう。




服装も髪型も気にしなくてよくて、性別の意識なんてどっか行ってる現実に、あっさりし過ぎて拍子抜けしそう。




それと同時に、今まで苦労してきたことって何てアホらしいことだったんだと思いだろうな。






どこに行っても男と疑われないなら、今は何より髪の毛を伸ばしたい。


もう短髪飽きたんだ。




でも、女に見られる確率上がるから、まず無理なんだよね。








ただ、これってテーマとしては面白いんだろうけど、トランスジェンダーの立場からすると、まず前提がかなりいい加減だと思ってしまう。




性別が入れ替わるの『性別』って何を指してるの?


性自認?見た目の体?


それともそれら全部含めて?






たぶん、最後の全部なんだろうけど…




これ答え言っちゃうと、




全部変わったら自分じゃないよ。






まぁ、どこが変わっても自分を失うとは思うけど、性自認変わったら元のその人はもういないよ。




俺の感覚としては、性自認が男じゃなくなった時点で俺じゃないからね。







で、よくあるのが、


「(女性の)私が男の気持ち(性自認)を持ってたら…」


「(男性の)俺が(性自認が)女だったら…」


と仮定して性同一性障害を理解しようとする人。




これは完璧な間違い。




何度も言ってるけど、FtMは男の心を持った女じゃない。


MtFもしかり。






仮定するとすれば、


「私の体が男だったら…」


「俺の体が女だったら…」


が、より近い想像と言える。




自分の体が、自分の性を反映していないのが性同一性障害だからね。








俺の性自認が女だったら?




全く想像つかないね。




結構楽しい人生を送ってたんじゃない?




性自認が女ならこの体は中々いいぞと思うが、それは性自認が男の俺の考えなわけで、女性を自認した本人がどう思うのかはわかりません。






じゃあ、性自認が男のまま今より体が女になったらどうするって?




治療して男に近づけるだろうね。


今も限界なのに、これ以上は無理だなぁ。






俺の体が女性自認を持った他人だったら、ぶっちゃけ結構好みなんだよな(苦笑)


でも、それが自分の体になると途端に違和感に変わる。




それが、性自認に見合わない体を持ったトランスの面白いところよ。
つい最近知ったバンド『ONE OK ROCK(ワンオクロック)』


音楽詳しい人や、ロック好きの人にはそれなりに有名?




Liar』って曲を聴いて、一発で好きになった。






コイツ凄い!




個人的に凄く好きな声ってのもあるけど、なんかスゲェイイ!




俺は音楽全然わからないから上手く説明できないんだけど、声フェチとしては久々にいい声聴いて衝撃を受けた。






やっぱ日本人じゃこうは行かねぇよなぁ…




英語が母国語なのかこっちは発音良くてかっこいいし、日本語はちょっとたどたどしさがあるんだけど、それも味があっていい。


少年っぽい危うさの中に、主張の強さが感じられる。


シャウトも心地よく耳に入る。






そんなだから洋楽なのかと思いきや、一応日本のバンドらしい。




へぇーってことで調べたら、さらにビックリよ。








ボーカルのTakaの本名は森田貴寛。




すんげぇ普通に日本人の名前じゃん?




えっ?日本人なの???






で、一番衝撃を受けたのがこれ。








森進一、森昌子の長男。






えぇぇぇ゙ぇ゙~~~っっっ!!!






あの中三トリオのモンチッチと、襟裳岬の風みたいな声の息子?


森進一 襟裳岬
森昌子 せんせい






いやいや、そうじゃなくて…






長男って、ジャニーズに入ったとかニュースになった子?


アイドルやめたの?






どうもそうらしい。


元ジャニーズ事務所所属、NEWSのメンバーだった彼だ。




経歴を辿ると、慶応の幼稚舎~高等部、後に堀越に編入の後中退。


ジャニーズも途中で辞めてる。






紆余曲折あったんだね。




ちょっと好感持てる。




途中で辞めるのがいいことではないけどさ、迷うのも大事じゃん。






育ちはおぼっちゃま。一時はアイドル。




でも、方向性が確実に違ったんだろうな。




こりゃ、ジャニーズじゃ才能を持て余してしまうのも無理はない。








俺らも、自分に合うってあると思うんだよね。




声にコンプレックスを持つFtMもいるみたいだけど、それって周囲の評価が一因じゃないのかな?




「声は女(みたい)だね」




これって、男に見られてるってことなんだよ。


だからこそ、声とのギャップに違和感を持つ人がいるわけ。




せっかくなんだから自信持て!






それに個人的に思うのは、声の高さよりしゃべり方だと思うけどなぁ。


それでも女らしい声が嫌なら、男らしい声を練習すればいい。


一般男性の太い声になれるかと言ったら違うけど、誰にでもトレーニングの余地はあると思うよ。






俺の場合は、女声しか許されないのが嫌だったな。


合唱とかで男性パートを男らしい声で歌いたいと思っても、歌わせてもらえないことなんて目に見えてた。




おかげで音楽は一気に嫌いになったさ。








カムアウトすると、俺たちのことを嘘つきって言うアホがいるけど、俺たちは嘘をつかされるんだよね。


声一つとっても、アイデンティティに合わない声を強要される。




それを嘘つきと言うなら、嘘つきで結構。


自分に嘘をついてでも生き延びてきた自分を、今は誇りに思う。








まぁ、重低音ボイスには憧れるけどねぇ。


SOFT BALLET EGO DANCE
こんなん出ればかっこいいが…




それは、FtMゆえの悩みでもなんでもない。




ただの無い物ねだりってもんよ。