前回、「早く弾きたければ、ゆっくりやる。」という記事に関連したお話。
テーマ
「プロフェッショナルなスケール練習とは!?」
音楽理論というと、
必ずでてくる「スケール練習」
沢山あるスケールを地道に覚えていくのが得意な人、
そして、見ただけでも嫌気がさす人。(笑)
(遥かにこっちの人の方が多いし、僕もその口です。爆)
いろいろいますが、
ほとんどの人がセッション的にみると、
全く意味のないスケール練習をしています。
この一般的だけれども、意味のないスケール練習を
俗に「アマチュアのスケール練習」と呼びます。
音楽は楽しければいいので、
プロとかアマとかの区別には
ほとんど興味がない人なのですが、
なぜか周りではそう呼ぶ人が多いので、
あえてこの場でもこの名称で行かせていただきます。
では逆に、プロのスケール練習とはどんなものなのか?
答えから行くと、
「超ゆっくり一音一音味わいながらスケール練習する!」
アマチュアのスケール練習は
なにより指にスケールを覚え込ませること、
または早く弾くことだけに
主眼が置かれている事がほとんど。
ある意味間違ってはいないのですが、
実はここを目指すと、思った効果には辿りつかないし、
何より、アドリブには間違いなく活かせません!
なぜなら、
「運動神経だけでスケールを覚えてしまい、
まったく耳を使っていないから!」
アマチュアのスケール練習をやっている人は、
自分では音楽の練習をしているつもりになっていますが、
実際にはまったく耳を使っていないことに気づきません。
聴覚よりも、視覚や筋感覚のみで
スケール練習を繰り返していきます。
この状態でいくら練習を重ねても、
当たり前ですが、アドリブでは
同じ動きしかでてこなくなります。
もう筋肉の反射でしかないので、
マンネリなアドリブフレーズになるのは明白。
時間をかけた割には
全く使えない無駄なスケール知識の山に
かなり後で愕然と気付く…、
なんてパターンにハマっている人が沢山います!
プロフェッショナルは
ただスケールを練習しても
こうなることを知っているので、
もちろん工夫をしています。
それが先ほどの答えである
「超ゆっくりスケール練習!」です。
まず、超ゆっくりスケール練習をすると、
弦楽器でも、打楽器でも、金管楽器でも全て共通で
「使う指や、腕が違うと全く出音が違う!」
ということに耳が気づきます。
言われてみれば当たり前なのですが、
親指と小指では太さが違います。
右腕と左腕では利き腕の関係もあり、
全然違う音が出ます。
そして、耳はそれに違和感を感じるので、
なるべく均一にサウンドするように、
耳と脳味噌が自然と体の調整を始めます。
こうやって、
ただ早くスケールを弾く事を目指す人よりも、
遥かに速く、そして遥かに綺麗なサウンドで、
スケールを弾く事ができるようになります!
また、
超ゆっくりスケール練習をすると、
音と音の間にある音の特徴や色彩に
耳が自然と気付きます。
例えば、一番分かりやすいのは、
ドレミファソラシドと超ゆっくり弾くと、
シとドの間に強力な引力が働いているのが聞きとれるはず。
シを弾くと、もう次のドに進みたくて進みたくて
仕方ない感じが、多くの人には聞きとれるはず。
そして、晴れてドに行きつくと、
なんだかちゃんと終わった感じになるはず。
こういう、スケールの中の一音一音が、
すべて違う意味や色彩を持っていることに、
耳が気付きます!
これを繰り返すと、耳が良くなります。
なにより、耳と視覚と筋感覚を
全て使って音を覚えるので、
頭の中にその音が鳴った瞬間に、
体がそう動くようなシステムが出来上がります!
この状態になって初めて、
リアルタイムのアドリブで
スケールを活かせるようになるのです!!
というように、
同じスケール練習でも、
プロとアマチュアではまったく違うやり方、
そして効果が出てきてしまうのです。
でも、これは才能ではなく、
ゆっくり練習する意味に気付くか気付かないかの
知識でしかないので、
この記事でピンと来た人は、
是非「超ゆっくりスケール練習」を試してみて下さいね。
でも、結構神経使うので、
毎日少しづつやるのがコツです。
義務にすると途端に辛く、
つまらない練習になるので、要注意!(笑)
では、
次回もお楽しみに!