セッション的練習法において
再三取り上げていますが、
またまた「グルーヴ」のお話です。
「グルーヴ」という言葉は解釈が大きく、
人によって意味合いが違ってくるので、
なかなか説明するのが難しい言葉です。
でも、今回もそういう難しい部分は置いておいて、
バッサリ切れる部分だけ限定で説明していきます。(笑)
まず、セッション的な視点から一番大事で、
多くの人が勘違いしている点をお伝えします!
『いくらあなた一人がグルーヴしても、
周りがグルーヴしないと絶対グルーヴしません!』
これ、今回のお話にあたり、一番大事なポイントです!
グルーヴというと、
前ノリだ、後ノリだ、メトロノームにかっちりだ、少しズラすだ、
などなど、
「自分一人の中のリズム感で話が完結してしまう」
ことがほとんど。
でも、残念ながら、
そんな単純な世界でグルーヴは生まれていません!
グルーヴとは確実に
複数の人間のリズムが合わさって、
はじめて生まれています!
で、今回の結論になるのですが、
【グルーヴの秘訣は
大きな歌とスピード感のあるリズムの引っ張り合い!】
もちろん、冒頭に書いたように、
単純にグルーヴといっても、解釈が広いので、
他にも様々な尺度があります。
でも、今回の結論も
間違いなくグルーヴの秘訣の一つだと思います!
どういうことかというと、
まず
ボーカリストやリード楽器など、
アドリブソロ、またはメインメロディをプレイする人は、
「リズムに大きくノッています」
いいリードプレイヤーになればなるほど、
細かいリズムを感じてはいるけれども、
それに左右されずに、鼻歌で歌うように自然に、
大きいリズム感で歌っています。
ぶつ切りのフレーズの塊を置いていくのではなく、
休符も含めて、繋がった4小節とか8小節のフレーズを
朗々と歌い上げる感じでフレーズを紡いでいきます。
まさに「大きい歌」という感覚が
ポイントになってきます!
そして、
逆にドラマーやベーシストなどのリズム隊。
こちらは「スピード感のあるリズム」が肝。
リードプレイヤーとは違い、
リズム隊は常に細かいリズムを刻んでいます。
でも、いいリズム隊になればなるほど、
「リズムを当てに行かず、次のビートをつないで行きます!」
メトロノーム練習をやったことのある人ならば、
きっと心当たりがあると思うのですが、
ピッピッという音を聞くと、
無意識にそれに合わせたくなりませんか?
でも、実はこの「合わせに行く」段階で、
リズムはぶつ切りになっています。
なぜなら、人間の構造上、
1耳で聞いて、2脳で判断して、3そして体が動いて、
4 ようやく楽器が反応して音が出る
という風に沢山の段階を経て発音するので、
聞いてから合わせていたのでは、
どうしてもリズムが遅れるのです。
でも、なんとしても合わせたいので、
それこそ無意識に「リズムを当てに行きます!」
前後のリズムは関係なく、
ただ次のピッの音にぴったり合わせられるように、
まさにリズムを「当て」に行ってしまうのです。
これをリズム隊同士で無意識にやり始めると、
譜面的にはあっているけど、
聴感上は、なんだか不自然にブツブツ切れたような
印象になります。
ところが、
いいリズム隊というのは、
この「リズムを当てに行く」
という行為を一切やりません。
常に、前のビートが次のビートに繋がっていくイメージ
で、グイグイ前進感のあるリズムを出していきます。
このあたりは説明すると長くなるので
今回ははしょります。(爆)
要は、テンポ的には同じでも
常に次のビートへ向かうような、
「スピード感」のあるリズムをはじき出すのが、
いいリズム隊のポイントです!
で!
ここからが本題なのですが、
いいリードプレイヤーの「大きな歌」
と
いいリズム隊の「スピード感」
が混ざり合ってアンサンブルすると、
その間にリズムの【ウネリ】が生まれます。
リードプレイヤーは
「大きな歌」でレイドバックした、
後ろへ引っ張るようなリズムで演奏するのに、
リズム隊はガンガン前進していく
「スピード感」で前に行くので、
当然ですが、その間に
「リズムの引っ張り合い」が生まれます!
でも、テンポ的には両方同じなので、
4小節とか8小節とか、
(本当に上手い人になるともっと大きな単位で!)
大きな単位でバチッとリズムが合う瞬間があり、
最終的にその「引っ張り合い」は解決します。
またこの解決が気持ちいい!
そう!お気づきのように、
この「リズムの引っ張り合い」~
「リズムがバッチリ合って解決!」
という流れが、まさにグルーヴを生んでいるのです!
なので、また書きますが、
『いくらあなた一人がグルーヴしても、
周りがグルーヴしないと絶対グルーヴしません!』
という結論になるのです。
リードプレイヤーとリズム隊では、
リズム的役割が違う。
もちろん、一人でも強烈なリズムを出す人はいます。
そのタイプの人は、間違いなく、
頭の中で自分とは反対の役割のリズムを感じています!
この辺りは、なかなか機械にはできない、
アナログな人間グルーヴの専売特許です。
(今のところ 笑)
アンサンブルは人間社会の縮図!
リズムの世界でも、
やはり人間一人ではグルーヴできないのです。
今回の記事を参考に、
是非助け合いのアンサンブルで生まれる
熱いグルーヴを少しでも
体感していただけたら幸いです!
次回もお楽しみに!