Impurity Part 61 | つぶやきと再創作

つぶやきと再創作

今更ながらブログ始めました。
あまりどこにも書かないようなひとりごとや愚痴、それと思いつきで始めた二次小説をちょこっとずつアップしてきます。

美央がいない間、たまにメールはやりとりしていたが、さすがに家族どころか親戚中一緒なので、メールくらいしかできず、オレは夏休み早々はバイトにあけくれていた。

そんなある日の夜、バイトの休憩時間に携帯を見ると、着信が残っていて、どうやら美央からのようだった。

まだバイトの残りもあったし、メールで

『どうしたの?今日はメンテ番なので、またあとで電話するね。』

と打つと、速攻で電話がかかってきた。

「どうしたの??」
『池田さん、ちょっと今少し時間いい?』

美央は何やらひそひそ声だが、少し緊迫した雰囲気を感じた。

「別に少しならいいよ、どうしたの?」
『いや、実は例の許嫁の人に池田さんの話したら電話に出せって。。』
「え?」
『なんか、酔ってるのかもしれないんですけど、急に怒っちゃって、『オレが直接話を聞いてやる』っていって。。。』
「え?そうなの。。。まぁ、でもいいよ。話がしたいなら少しだけ。」
『でも、池田さんバイトの休みですよね?』
「いいって、それでその彼の気が済むならいくらでも。」
『すいません、それじゃ、今変わりますね。』

向こうでなにやらやり取りをする声がする。がさごそと音がして、また向こうの電話口に誰か出てきた。

『あなたが池田さん?』

思ったよりも年上な感じのする声だった。確か美央の1つ上だって言ってたからまだ高3なはずだ。それで酔っ払いとは、田舎だから厳しいのかと思いきや、意外とゆるいなぁと思った。それとも親戚がからかって飲ませたか。

「えぇ、そうですよ。」
『美央のこと、どう思ってるんだ?本気なんだろうな』

まるで脅しである。

「もちろん、本気です。」

努めて丁寧に答えた。

『どれくらい本気なんだ?結婚したいのか?』
「結婚?」
『そうだ。どうなんだ?』

オレはそこでちょっと立ち止まった。結婚なんて全く考えていなかった。美央の家族と親しくなり、親近感というか、より近さを感じるようにはなったが、結婚となると。。。

「それは、本気かどうかとは別じゃないかな?結婚にはそれだけじゃすまないものたくさんついて回るし。。。」
『それで本気って言えるのか?』
「うーん、『結婚したいくらい好きか?』と言われたら好きだよ。でも、本当に結婚できるかは、自分にもっと経済力がないとハッキリ言えないし、まだそれを言えるだけのものをオレは持っているとは言えない。」

これは正直な気持ちだった。結婚したいって思っていてもついてくるものがなければ何もできない、それは実家の状況を見ればよくわかった。
向こうは少し黙っている。何か次の言葉を考えている雰囲気だったが、

『もういい?』

突然向こうから美央の声がしてびっくりした。

『すいません、こんなことに付き合わせちゃって。。。』
「いや、いいんだよ。突然美央に代わってびっくりしたけど。」
『すいません。今日もメンテ番なんですよね?それじゃ、また後でメールするんで。』
「おう、わかった。じゃあ、またね。」

そう言ってオレは電話を切った。向こうではあれは代わったのだろうか?なんとなく、あれはスピーカーだったんじゃないだろうか?少し声がくぐもっていて低く聞こえたのもそのせいかもしれなかった。

そうすると、美央はオレの会話を聞いていたのか。それを条件に代わってもいいという話にしたのかもしれない。

オレの言葉の真意、伝わっているだろうか、それが若干不安だと思いつつ、オレはまた店へ戻っていった。