「池田さん。。。」
そうつぶやいた美央の声で少し我を取り戻したオレは、なんとか向い合う体勢にまで体を戻した。
そして、なんとなくお互いにニヤけたような顔をしてクスクスと笑い出した。
ひと通り笑い終わってから、オレが切り出した。
「今度こそ、そろそろ帰るよ。さすがに遅くなっちゃったし。」
もうそろそろ12時、という時間だった。
「はい、そうですね。今日はどうも、色々とありがとうございました。」
そういって、二人で玄関のある1階まで降りていった。
「それじゃ、テスト頑張ってね。また、連絡するよ。」
「はい、それじゃ、また。」
そういって、軽くキスをして別れた。
帰り道、オレはまだ明日もテストがあると思いつつ、なんとか落ち着かせようとコンビニに立ち寄った。その時点ですでに午前1時だった。
そこでふと思った。実家から大学はあまり近くない、下手をしたら遅刻してしまう。それに、このまま家に帰っても落ち着かないだろう。そう思ったオレは親に大学の友達のところへ泊まると連絡し、最寄駅近くのファミレスで夜を明かすことにした。
実際に、勉強もできるし、都合がよかった。
そうして、ファミレスに入ったところで、美央からメールがあった。
『池田さん、今日はどうもありがとうございました。そして・・・、池田さんのせいで興奮して眠れません(笑)』
というメールが入っていた。正直なところ、全く同じ感想だった。だからこそ、こうしてファミレスにきている。
オレも勉強しておこうかな、と思いつつ、ノートを広げたが全く頭に入ってこなかった。そして、さきほどの情景を思い出していた。もし、相手がもっと大人だったら、もしくはもっと自分がもっと子供だったら、止められなかったと思う。
そこから先への進め方なんてもちろん知らなかったが、まさに本能のまま、であった。
そして、オレは真面目な顔でこう考えた。"本当にこの先にいっていいのか?"と。相手は体は大人でも5歳年下、女子高生である。いまどき、どこの女子高生でも経験済と思うが(美央については本当に知らなかった。)、かといって、だからいい、というわけでもないように思えた。
こういうところが、不器用で、クソ真面目で嫌われてきた要因だろうなぁ、などと思いつつ、テスト勉強なんてそっちのけで、そんなことばかりを考えて一晩を過ごした。。。