物理のテスト対策は意外と時間がかかり、すでに10時半をすぎていた。
あと1問のところで、どうしても美央が分かりきれていなかったので、少し解説しているとお母さんが入ってきた。
「遅くまですいませんね。」
「あ、いや、僕の方こそこんなに遅い時間までお邪魔してしまっていて。。。」
「それはいいのよ。ただ、明日パパが朝早いから、私もそろそろお休みしなくちゃいけなくって、申し訳ありませんが、美央のこと、よろしくお願いいたします。」
オレは若干びっくりした。え、いくら今日顔合わせしてパパが少し安心したからって、いきなり若い男女をこんな状態にする??
「美央、ちゃんとお礼いいなさいよ。それと戸締りしといてね。」
「はーい。」
そういって、お母さんは出て行った。
「いいのかな。。。」
「え、何が?」
この親子は親子そろって天然??と思いつつ、聞いてみた。
「いや、いくらパパと顔合わせして、安心したからって、いきなり二人きりとかにするかなぁって思って。」
「それだけ、池田さんが信用されているってことですよ。」
「そうなのかな。まぁ、とりあえず、早く終わらせよう。もう11時になっちゃうし、明日のテストもあるんでしょ?」
「はーい、わかりました。」
そういって、オレ達はまた物理の方へ集中した。
だいぶ集中も切れかかっていたが、どうにかこうにか最後までたどり着いた。ここまでやれば、少なくとも及第点にはなるだろう。
「あー、終わったー」
「終わったね。お疲れ様。」
「あ、こんな時間まで付き合わせちゃって、ありがとうございます。助かったー、これでたぶん大丈夫です。」
「よかったよ、でも物理って明後日なんでしょ?明日のテストは大丈夫?」
「あ、明日は大丈夫です。家庭科とか、そういうのだけなんで。」
「そっか。」
そういって、しばらく見つめ合ったあと、
「それじゃ、あまり遅くなると明日が大変だから、そろそろ帰ろうかな。」
「えー、もうちょっといてくれませんか?せっかく一緒にいるのに、勉強ばっかりじゃつまらないです。」
「でも、テスト期間中だよ。」
「いいんです、もう少しだけ。」
そういって、美央はオレの方にもたれかかってきた。
いつもなら、(いまだにか?というツッコミはさておき)ドギマギしてしまうところだが、この日は夜が遅かったせいか、極度の緊張の反動か、オレは自分の気持ちに正直になり始めていた。
オレはそのまま美央を抱き寄せて、唇を重ねた。
しばらく、そのままでいて、一度離し、美央の顔を見つめたあと、また唇を重ね、今度は軽く舌を絡ませてみた。
美央の体が一瞬硬直したのがわかったが、そのあとは彼女の方からも反応があった。そのまま、二人は腕と舌を絡ませながら抱き合っていた。
どのくらいの間そうしていただろうか、本来なら断然年上のオレがリードすべきだが、終わり方を知らずに若干迷走していた。
ただ、二人ともこれ以上続けたら理性が飛ぶ、というタイミングが幸いにも一緒だったようで、自然と離れて、ただ、抱き合う姿勢になった。