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利権というのは我々人類がもっとも恐れるべき存在である。「この世で一番怖いものは何か」という問いに対しては間違いなく「利権」という答えしか当てはまらない。

人類だけでなく、それは世界精神自身も恐れている「癌」である。利権は、「見知らぬ者への信用を得るための戦い」を必死に繰り広げることも無く、むしろそういった戦いを巧妙に避け、陰から世界精神の血液である「金」をチュウチュウと吸い上げる蚊である。蚊であると同時に世界精神の内臓を巣食う癌である。


歴史的革命とはそういった癌の存在に気付き、即座に取り除く手術のようなものである。或る者は「弁証法」といい、或る者は「上部構造と下部構造との矛盾」と言って来たものである。

利権という癌は実はひっそりと大きくなっていっている。無尽蔵に大きくなりすぎるが故に、手術で取り除く必要が出てきてしまうのである。さて、その癌を取り除くのはだれか?それは世界精神自身である。世界精神が自分自身でメスを握り、自分自身で腹を切り、自分自身でざくっとその癌を取り除く。取り除いた癌はきれいさっぱりと焼き尽くされてしまう。


そうやって世界精神は数々の癌を取り除き、その癌を焼き尽くしてきた。しかし癌は癌である。いつかまた再発してしまうのだ。それはひっそりと誰にも分からない形で。世界精神の脳は「創造する想像力」である。その創造力をもって世界は成長する。その成長を阻害するのは、まさに世界精神を巣食っている癌そのものなのである。