甘いメッセージ | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。


月の輝く静かな夜。

俺が合宿所の自室で五線紙を前に鉛筆の尖り具合をチェックしていると、コンコンとドアがノックされた。

シヌはドラマの撮影で釜山へ行っていて、ミナムは映画の海外ロケ。ジェルミは深夜ラジオのパーソナリティで帰ってくるのは明け方の筈。となればこんな時間にドアを叩くのはマ室長以外に考えられず、これから曲を書こうとしていた俺はいきなり出ばなをくじかれ、ムッとしながらドアを開けた。

しかし薄ら笑いを浮かべて立っていると思った男はそこにおらず、かわりに立っていたのはどこか少し緊張した面持ちのミニョだった。


「どうしたんだ、こんな時間に」


時計を見れば午後十時。練習室を使いに来るには遅すぎる時間だ。


「本当はもっと早く持ってこようと思ってたんですけど、どうしても上手く書けなくて。一日早いですけど、これ・・・」


もじもじと俯きながらおずおずと差し出された手には赤いリボンのついた小さな箱が。

何だ?と思いながら受け取った俺は、「私が帰ってから開けてください」と言うミニョの言葉を無視してその場で蓋を開けた。

中に入っていたのはピンクの緩衝材に埋もれるように並んだ、二つの茶色いハート。


「なるほど、一日早い、か」


俺は口元を緩めた。

バレンタインは明日だが、明日はバレンタインイベントで帰りは夜中になると言っておいたから今日持って来たんだろう。ハート型のチョコにはそれぞれ文字が一つずつ、ホワイトチョコで書かれていた。

それはミニョから俺へのメッセージ。

俺に渡したらさっさと帰るつもりだったのか、目の前で蓋を開けられわたわたと慌てるミニョ。

俺はカァーッと赤くなるミニョを、「帰るなよ」とその場にとどまらせ、ミニョの手作りだと思われるチョコをじっくりと見ながらプッと小さく噴き出した。


「きれいな字とは言い難いが許してやろう。・・・・・・で、これは俺にして欲しいと言ってるのか?それとも俺にしたいと言ってるのか?」


ニヤリと笑う俺の質問の意味が判らないのか、ミニョは小首を傾げている。


「ここに書いてあるじゃないか、 『きす』 って」


「え?ち、違います!それは 『きす』 じゃなくて、 『すき』 です」


チョコに書かれた二つの文字。

一つのチョコは 『き』 で、もう一つのチョコは 『す』 。

横に並んだ二つの文字は左右どちらから読んでもちゃんとした言葉になり、左から読めば 『すき』 だが、右から読めば 『きす』 になる。

もちろん俺はミニョが伝えたいのはどっちなのか判っているが、ミニョがあたふたする姿が楽しくてあえて判らないフリをしてやった。


「いや、これはどう見ても 『きす』 だろう」


「違います、 『すき』 です。どこからどう見ても 『すき』 です」


う~んと首を捻りながら呟く俺に、ミニョは必死になって反論する。

そんなミニョを見ながら、俺はクスクスと笑いが止まらなかった。


シヌと一緒に釜山へ行ってしまうと思ったミニョを追いかけ、空港で抱きしめたあの日。

パスタは好きか?焼肉は好きか?と聞けば、俺の 『好き』 と言う言葉に反応し、赤い顔でしゃっくりをしていたのを思い出す。あれも可愛かったが、今の俺の言葉を訂正する為にむきになって 『好き』 と連呼するミニョも可愛い。

こういうミニョは、堪らなく愛しくて思いっ切り抱きしめたくて・・・もっといじめたくなる。


「そうか・・・・・・・・・いや、やっぱりこれは、き・・」


「すきです!」


堪えきれなくなった俺は腹を押さえながら声を出して笑い出した。


「判った判った、お前の気持ちはよーく判った。じゃあ俺はその気持ちに応えてやらないとな。」


そう言って開いたままになっていたドアを閉めると鍵をかけ、ミニョへと向き直った。そしてコホンと咳払いをすると、さっきまでの笑いを取り去り真剣な顔でミニョを見つめた。


「俺もお前が好きだ。だからキスがしたい。お前は?」


俺はストレートな質問を投げかける。恥ずかしそうに視線を逸らすミニョに返事を迫れば、「私も・・・」と消え入りそうな声で下を向いた。

おとがいに指をかけ顔を上げさせると、頬どころか首まで真っ赤に染まっているミニョ。


「今日は泊まってけよ」


腕をミニョの背中に回し、ぐいと身体を抱き寄せると、潤んだ瞳を見ながらチョコよりも甘そうな唇をゆっくりと味わった。




。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆




あん、いけない。このまま続けたらアメ限突入だわ~(///∇//)

と思ったけど、よく考えたらこの時はまだ結婚前なんで、ミニョが隣で寝ててもテギョンはキス以上のことはできない!(iДi)

ひたすら我慢のテギョンを書くのも可哀想なんで、この辺でやめときました。





一応、初めてのバレンタインという設定です。


バレンタインはとっくに過ぎたのに、何で今このネタなのかというと・・・



先週、ピグの部屋に入るとベッドの傍にチョコが。

たまにしか部屋に入らないんで、いつからあったのかわからない(;^_^A





このチョコでお話できないかな・・・って考えてたら、お礼も遅くなってしまいましたm(_ _ )m


チョコをくださった方、素敵なメッセをありがとうございました♪





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