You're My Only Shinin' Star (256) 新しい日常 5 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

マンションの玄関でミニョはまず、ムッと機嫌を悪くしたテギョンにソユンのことを紹介した。そしてソユンにはあらためてテギョンが自分の夫であることを話し、なかなかその事実を受け入れられずに半ば放心状態のソユンをおいといて、今度はここに至るまでの経緯をテギョンに説明し。


「これからソユンさんをバス停まで送って行くところだったんです。」


「ふ、ん・・・だったら、俺が乗せてってやる。」


くいっとあごで外を示し、手に持っていた車のキーをチャリチャリと鳴らして、テギョンは玄関の外へ出て行く。

思いがけないテギョンの言動に驚きつつ、ミニョは未だに呆然としているソユンの腕を掴むと、テギョンの後を追った。




テギョンの運転する青いアウディ。ソユンは雑誌では見たことはあっても、実際に本物を見たことはなく、ましてや乗るなんてことは夢にも思っていなかった。

キラリと輝くボディー。低く響くエンジン音。

スムーズなスタートに、車内に流れる静かな音楽。

テギョンの運転する車に乗れるなんて、一生に一度でもありえないこと。高額の宝くじに当たるよりも確率の低い出来事に、ソユンはゴクリと唾を飲み込むと、今、自分の身に起こっていることに興奮と緊張で震えつつ、後部座席のシートにピンと背筋を伸ばした状態で座っていた。


「す、すみません、ご迷惑をおかけして・・・」


ソユンは助手席に座るミニョの後ろに座り、斜め前にいるテギョンをチラチラと見ていた。


「ミニョの方がよっぽど迷惑をかけたんじゃないか?アフリカで。」


ミニョのことだ、何かとんでもない事故をおこして、皆に迷惑をかけたんじゃないかとテギョンはソユンに言葉を向けながら、ニヤリとミニョの方を見た。


「私そんなに失敗ばかりしてた訳じゃあ・・・」


ミニョはすぐに反論するが、その声は自身のなさを表すように次第に尻すぼみになっていく。


「迷惑をかけるだなんて、全然そんなことなかったです。私の方がいろいろとフォローしてもらいました。それにみんな、ミニョさんの歌にすごく癒されたし、ファンも多かったんですよ。」


アフリカにいたのは一年以上も前のこと。なのに、ついこの間までいたような、そこでの生活がソユンの脳裏に鮮明な記憶となってよみがえる。

ミニョは何事にも一生懸命で、誰に対しても優しく、いつでも笑顔を絶やすことのない姿は、そこにいる人々の心を温かくしていた。


「時々、雨上がりの道で転んで泥だらけになったり、よそ見していて壁に激突することはありましたけど、でもそれは迷惑をかけるのとは違うし・・・!」


ソユンはミニョのことを良く言っていたつもりだった。しかし話しているうちにミニョの失敗談を口にしてしまい、慌てて口に蓋をする。

そのことはミニョからの手紙には書かれておらず、テギョンも今初めて知った事実だったが、その時のミニョの様子がありありと浮かんできて、テギョンはクックッと喉の奥で笑い出した。


ソユンは後部座席からテギョンの横顔を、まじろぎもせずに見つめていた。

テレビでも雑誌でも他のメンバーと比べて口数も笑顔も少ないテギョン。そのテギョンが今目の前で、ミニョへと屈託のない笑顔を向けている。その目は優しく温かみがあり、きっとこれがメディア用ではない、テギョンの本当の笑顔。

その眼差しを向けられるのは限られた人達だけだろう。テギョンが心の底から気を許し、信頼し、愛する人のみが向けられる表情。

ミニョが羨ましかった。

テギョンからの愛を受け、その隣にいられるミニョが。

でもそこには嫉妬や妬みといった感情は入っていなかった。ただ漠然と、いいなと思うだけ。

ソユンにとってテギョンはアイドルスターで、遠くからその輝きを見られるだけで満足な存在。

そのテギョンが、今の時間はバスは混むから妊婦には大変だと、タクシーを呼ぶでもなく、自らの車で送ってくれた。

車内という狭い空間の中で、テギョンと同じ空気を吸い、わずかながらも言葉を交わし、こうしてテギョンのプライベートのほんの一部の、そのまたすみっこに、今、自分がいるという現実。ソユンにはそれだけで夢のように幸せだった。






「何だかちょっと意外でした、オッパが送ってくださるなんて。」


ソユンを送り、二人になった車内でミニョが口にした言葉にテギョンは、ん?と眉間にしわを寄せた。

乗せてってやると言ったのは確かにテギョンだったが、「今の時間はバスは混んでて、妊婦さんには大変ですね」と言ったのはミニョだった。

マンションの玄関で、ソユンの後ろからその大きな瞳をキラキラと輝かせ、祈るように両手を胸の前で組んで、”送ってあげてください”光線をしきりに発していたのはミニョなのに。

あれは無意識にやっていたことなのかと、テギョンは眉根を寄せたまま首を傾げる。

それでも、「やっぱりオッパは優しいですね」と嬉しそうに満面の笑みを浮かべるミニョを見ると、文句を言う気にはなれず、テギョンは口の端で静かに笑っていた。



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ピグのお部屋、お庭に来てくださる方、いつもありがとうございます。

最近私は全然やってなくて・・・m(_ _ )m

特にお庭。

久しぶりに入ったら・・・


プラザ?なにそれ?

入らないといけないの?


ま、もともとイベントはほとんど参加してないんで、いいんですけどね。




ここ2年ほど、あの方のお誕生日にはお庭にデコレーションケーキを出していたので、今年もそれだけはやりたいな、と。

8月4日の2、3日前から、お庭にゴールデンローズのデコレーションケーキを出す予定です。


お手伝いはいりません。

作物ほとんど植えてないし(;^_^A



よかったら食べに来てくださいo(^-^)o




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