You're My Only Shinin' Star (253) 新しい日常 2 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

着替えを済ませたテギョンがキッチンへ行くと、ほのかに柑橘系の香りが優しく漂っていた。テーブルの上に並んだ二つのカップからは、温かな湯気が立ち上っている。


「今日のお迎えはマ室長ですか?」


ミニョがやけどしないように、ふぅーっと息を吹きかけながら、慎重にカップに口をつけた。


「いや、スンウだ。」


向かい合って座るテギョンは目覚めの紅茶をくいっと一口飲む。

スンウというのは、この春、A★Nエンターテイメントに入社した新入社員。

研修を終え、つい最近A.N.JELLのマネージャーになったばかりの彼は、時間に正確で、スンウに対するテギョンの評価はまずまずだった。


「あと五分くらいで来ると思うが・・・」


テギョンが時計を見ながら紅茶を飲み終えたまさに五分後、玄関のインターホンが鳴った。


「おはようございます。」


ドアを開けると、サッパリとした短い髪の男性――スンウが立っていた。

学生時代ずっと野球をやっていた彼は、今でも所属する草野球チームで時々汗を流しているという。日に焼けた浅黒い肌は、いかにもスポーツマンらしく見え、白い歯が覗く笑顔は誰が見ても、爽やか好青年という印象を与えた。


「スンウさん、おはようございます。」


「おはようございます、奥さん。」


結婚して半年程経つが、”奥さん”と呼ばれることのほとんどないミニョは、スンウにそう呼ばれると何となく恥ずかしくて、小さく笑うとわずかに顔を俯けた。






「テギョンさんの奥さんて、優しい人ですね。」


「ん?」


ロケ現場へ向かう車の中で、運転席から声をかけられたテギョンは、スンウの言葉に顔を上げた。


「この間迎えに行った時、今日よりももっと早い時間だったのにちゃんと起きてて、玄関でいってらっしゃいって。前に勤めてた会社の先輩は、朝早いと奥さん寝室から出ないで布団の中から手だけひらひら~って出してるって言ってました。まあ、その先輩は結婚して何年も経つから、そういうものなのかも知れないですけどね。」


数年後、自分とミニョの生活はどうなっているだろうかとテギョンは思った。




『じゃあ行ってくる』


『ふあぁ・・・いってらっしゃい・・・』


身支度を整えたテギョンがベッドに声をかけると、眠たそうに布団から出たミニョの手が、さもめんどくさそうにひらひらと動いて・・・




「ありえないな。」


起きなきゃ俺が起こしてやるまでだ、とテギョンの口元に笑みが浮かぶ。


「え?」


後ろから聞こえる呟くような声に、スンウはバックミラーでテギョンを覗き見た。


「いや、何でもない。そういえばスンウは結構大きな会社にいたんだろ?どうして辞めたんだ?」


スンウは大学卒業後、大手食品会社に就職したが、一年でそこを辞めていた。


「もともとコネで入ったようなもんだったし、自分には合わないなーって思ってたんですよ。そんな時に友人と行った旅行先で、偶然A.N.JELLの撮影現場を見たんです。衝撃を受けました、すごい人がいるんだなって。」


スンウはその時のことを思い出したのか、その目はキラキラと輝いていた。


「俺は音楽は全然ダメだけど、その人の傍で仕事したいって思って・・・ヘンですかね。」


「そんなことはない。」


誰かに憧れるというのは悪いことではないし、特別なことでもない。事務所の中にもA.N.JELLに憧れて、あんな風になれたらと思ったり、少しでも近づきたいと努力している練習生はたくさんいる。現にジフンはシヌに憧れてギターを始めたと言っていた。

テギョンは、スンウが憧れる人物とは誰だろうか?と何だか少し気になった。


マ室長は合宿所へ三人を迎えに行っている。こうして俺だけを迎えに来るところをみると・・・


「テギョンさんの迎え、俺に行かせてください!」とマ室長に頼みこむスンウの姿を想像すると、悪い気はしないな、とテギョンの頬がわずかに緩む。

答えは判っていると思いながらも、衝撃を受けるほどの相手というのは誰なのかを聞くと・・・スンウの口からはとんでもない人物の名前が出てきた。


「マ室長です。」


「は?」


「マ室長。」


意外過ぎる名前に、数秒間テギョンの思考はフリーズした。その後、頭が斜めに傾いていく。

マ室長の一体どこをどう見たら憧れの対象になり得る部分が見つかるというのか。

姑息で、いい加減で、ずる賢くて・・・と良いイメージは浮かんでこない。なぜだか不思議と憎めない男ではあるが・・・


「マ室長って人生に対してすごくポジティブだと思うんです。それに世渡り上手だし、自分が困ってるとこを見せつけて、最後には相手を従わせちゃうとこなんか、一種の才能かなって。」


A.N.JELLの撮影現場で見たのはマ室長の土下座か?とテギョンはため息をつく。

マ室長のなりふり構わないところは、確かに時には評価するが、それにしてもあの姿を見て勤めていた会社を辞めてしまうとは・・・


少しは使えるヤツだと思ってたのに・・・


近い将来、マ室長の横で同じように土下座をしているスンウの姿を思い浮かべると、テギョンは脱力したようにシートに身体をもたれさせた。





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先週の日曜日、今年も無事に子ども会の球技大会が終わりましたー



前日準備の時はちょっと曇ってて、「これくらいがいいよねー」なんて話してたんだけど・・・

大会当日は、晴れ!

雨じゃなくて良かったんですけどね。

延期になると、またテント張ったりライン引いたりと、やり直さなくちゃいけなくなるんで。

でも暑かった~



今まで2年役員をやって、今年は役員OBとしてお手伝いなんですが、結構仕事が多かった(;^_^A

かなり疲れました~(;´Д`)ノ


そして今年も息子の試合は全く見ることができなかった・・・

1日会場にいたのに~(/TДT)/




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