You're My Only Shinin' Star (251) 海辺の町で 4 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

店長と仕事の話を終えたハン・テギョンは、思いのほか長引いてしまったと時間を気にしつつ、次の仕事先へ行く為に足早に店から出ようとしていた。

いつもならこんな時は脇目も振らず出口へ一直線に向かうのに、なぜか今日はドアの数歩手前で足が止まった。

何かが心に引っかかった。

それが何なのか確かめようと振り返り店内を見回したハン・テギョンの目に、一人の女性が飛び込んできた。

レジの店員から笑顔で品物を受け取っている女性。少し茶色がかった黒髪は、彼女の動きに合わせ柔らかに背中で揺れている。

数メートル先の横顔をほんの一瞬見ただけで、忘れていた胸の高鳴りがよみがえり、熱く切ない想いが体内を駆け巡る。しかしそれはすぐに苦い痛みへと変わっていった。


ミニョちゃん。


声をかけようか迷った。

このまま身をひるがえし、何も見なかったことにして車に乗ってしまえばいい。そう思った。

しかし、足が動くのが少し遅れた。

財布をバッグに入れる為、視線を落としながら歩いてきたミニョは予想外に近づいてくるのが早く、「あっ」と思った時にはすでに二人の身体は衝突していた。

ハン・テギョンの手から十数枚の紙が軽い音を立てて床に散らばった。


「ごめん、大丈夫?」


ぶつかってきたのはミニョの方。しかし身体の大きなハン・テギョンにはね返されるようによろけたのはミニョの身体で、ハン・テギョンは声をかけるとミニョを見下ろした。

ミニョは顔を上げることなく謝ると、そのまましゃがんで落ちた紙を拾っている。

左手の薬指にキラリと光るものが見えた。

アフリカでも韓国で再会した時にもなかったものが、今、その指には嵌められている。

窓の外に予想通り、見覚えのある青い車を見つけると、ハン・テギョンは残っていた未練を断ち切るようにぐっと奥歯を噛みしめた。


「久しぶり。」


驚いた表情のミニョ。

それもそうだろう。ソウルでならまだしも、こんな田舎の小さなコンビニで顔を合わせるとはハン・テギョン自身も夢にも思わなかった。

大きく息を呑みこみ、顔に笑顔を貼り付ければ、遠慮がちにミニョも微笑んでくれた。

あいさつ程度の言葉を二言、三言交わし、ペコリと頭を下げたミニョが先に外へと出て行く。

その背中が自動ドアの向こうへ消えるのを見送ってから、ハン・テギョンも歩き出した。






「遅かったじゃないか・・・って、何だそれは。朝あれだけ食べておいて、まだそんなに食べようというのか?」


「だって、一つに決められなかったんです。」


ミニョから数秒遅れて店から出てきたハン・テギョンの目には、青いアウディの前で話をする二人の姿が映った。

言い訳をするミニョと、それを車にもたれながら呆れたように見ている男――ファン・テギョン。

ファン・テギョンの結婚は各種メディアで取り上げられ、芸能人にそれほど興味のない人間でも、どこかしらで目に、耳にしていた。

相手の女性については一般人という以外の情報は全くない。

しかしハン・テギョンの頭の中では、相手はミニョだろうと予想がついた。今、それが現実となって目の前にある。


所詮ただの片想い。初めから判っていたこと。


心を落ち着けて見てみれば、ミニョに向けられている男の眼差しがとても優しいものだと判った。それに応えるミニョの笑顔も、冷たい風が吹く中、春の陽射しのように柔らかく、輝いて見える。


くすぶる想いが完全に消えた訳ではないが、ようやく静かな心でミニョを見ることができそうだとハン・テギョンは思った。


不意に二人の男の目が合う。

驚きの色を示す鋭い眼差し。

どちらも黙ったまま。


先に視線を逸らしたハン・テギョンは運転席に乗り込むと、静かに車を走らせた。




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ブログ記事の関連キーワードについて。



以前にもちょこっと、関連キーワードで「意味不明の言葉がある~」と書いたことがありますが、今回は気になったこと、というか、不思議に思ったことです。



ランキング順位の横に載っている画像(私のはグンちゃん)をクリックすると、プロフィールと過去の記事が出てくるんですが、そこに関連キーワードというのがあります。


「好きになってもいいですか?」全32話の関連キーワード。



『テギョン』というのは結構ありました。


『お兄ちゃん』というのも多い方かな。


『ジェルミ』もちゃんとありました。


1つのお話で、『ジェルミ、お兄ちゃん、テギョン』と、3人並んでることも。



でも・・・






なぜか『シヌ』の名前が出てこない。





あれだけ出番があって、あれだけミニョが「シヌさん」と言ってるのに、1つもない!




釜山、物置、おかず、条件反射、お茶、洗濯・・・結構いろいろ載ってるのに、シヌがいない・・・





ふと、他の書き手さんのとこはどうなんだろう?と思い、覗かせてもらうと・・・


ざっと見たところ、やっぱりシヌの名前がない。



あれ?そういえば、ミニョの名前もないような・・・



なぜ?





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