You're My Only Shinin' Star (229) 幼馴染です 5 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

薄暗い 駐車場でソンジェが去っていくのを見ていたテギョンは、車に乗り込むと車内に静かなエンジン音を響かせた。


「バス停で・・・誰か男と一緒だったのか?」


「あれは・・・」


ミニョは雨の降る中、バス停で会ったハン・テギョンに傘を借りたことを話した。


「そうか・・・」


それきりテギョンは黙ったまま。

無言で車を走らせ続けるテギョンを助手席からチラチラと見るミニョ。

やがて車は静かにマンションの地下駐車場へと滑り込んでいった。


「オッパ?」


エレベーターの中でも何も言葉を発しないテギョンはミニョの呼びかけにも答えず、腕組みした身体を壁にもたせ掛け、微かに眉間にしわを寄せ目を瞑っていた。

最近テギョンは部屋へは上がっていない。会っても駐車場でミニョを降ろし、そのまま去っていくことがほとんどで、この間外で食事した時もそうだった。


きっと忙しいのだろうと、そんな中自分と会う為に時間を作ってくれているのだから・・・と思っても、二人きりで過ごす時間がぐんと減っていることがミニョには寂しい。

玄関のドアに伸びたミニョの手が止まる。

開けてしまえば「じゃあ」と低い声を残して、今日もそのままテギョンが背を向けてしまうような気がして。

躊躇するミニョの後ろから手が伸び、ドアが開けられた。

テギョンの背中を追うようにミニョも中へ入り、後ろでバタンとドアの閉まる音が聞こえる。

部屋へ上がろうとせず、立ち止まったままのテギョンは玄関の傘立てに目を向けていた。


「傘はどうした?」


「え?」


「借りた傘。」


傘立てには見慣れた傘しか見当たらない。


「次の日に会社の受け付けの人に渡しておきましたけど。」


傘がどうかしたのかと首を傾げるが、靴を脱ぐテギョンの姿を見るのは本当に久しぶりで、それだけでミニョの心が浮き立つ。

冷たい水で喉の渇きを潤したテギョンはソファーに深く腰掛けると、人差し指をチョイチョイと曲げミニョを呼んだ。

ちょこちょこと近づいたミニョの腕が掴まれる。


「きゃっ。」


力強く引かれた身体は弾みでテギョンの方へ倒れ込み、くるりと反転させられるとテギョンの足の間にすっぽりと嵌った。


「まったく俺ってヤツはどうしてこうも・・・」


まるで肺の中の空気を全て出し切るかのように長い息を吐くと、テギョンは腕に収まった身体を抱きしめ小さく呟いた。


バス停で会ったという偶然にすら嫉妬してしまう。借りた傘を返す為にあの男と会ったんじゃないかと思うと妙にイラつく。

それにさっき会ったあの男も・・・


「あのソンジェという男、何者なんだ?」


「幼馴染ですけど。」


「呼び捨てだし、妙に馴れ馴れしい。」


「幼馴染、ですから。」


「それにミニョも・・・時々、会話が聞こえてきたが・・・しゃべり方が違う。ずいぶん親しげだった。」


「おさななじみ・・・です・・・から?」


「何でもかんでも幼馴染で済ませるんだな。」


「だって他に何て言えば・・・」


テギョンは少し強引に振り向かせたミニョの顔を覗き込んだ。


「子供の頃、あの男とよく遊んでいたのか?」


「はい、一緒にいることが多かったですね。」


「あいつのことが、その・・・好き・・・・・・だったのか?」


「よく判りません、あの頃はただ一緒にいるだけで楽しかったから。・・・だから、好きか嫌いかと聞かれれば、好きだった・・」


一瞬のキス。

ミニョの答えはテギョンの唇によって遮られた。


「この口から他の男のことを好きだなんていう言葉が出るのは許せんな。」


「でもそれは・・んっ」


テギョンはミニョの唇を見つめ咎めるように親指でスッとなぞると、反論するミニョの言葉を再び唇で封じ込める。


ミニョの笑っている顔を見るのは好きだ。しかし幼馴染とはいえ自分以外の男に笑顔を向けているミニョを見るのは楽しくない。

自分でも愚かなことだと判っている。子供の頃の話まで持ち出して嫉妬しても仕方がないということくらい、でも・・・


テギョンは唇を離すとミニョを抱きしめ大きく息を吐いた。


「子供の頃のことにまで嫉妬させるなんて、大した度胸だな。」


「私が悪いんですか?」


「当たり前だ。他の男と一緒に遊んで楽しかったなんて思い出話は、俺の前でするな。」


「そんなこと言われても、オッパが聞いてきたんですし・・・」


「それに今日のことも気に入らない。クセだと?普通小学生が同級生にあんなことするか?」


「でも本当のことですよ。昔から、シヌさんみたいにポンッて・・・」


すぐ横でテギョンに睨まれたミニョはスッと顔を逸らす。

しかし何だか理不尽なことでテギョンに責められているような気がして納得がいかない。子供の頃のことを聞いてきたのはテギョンだし、ソンジェのクセについて文句を言われても、ミニョにはどうすることもできない。

小さく頬を膨らませたミニョは、テギョンの腕を振りほどくと勢いよく立ち上がった。


「判りました、オッパ、思い出つくりましょう。」


「はあ?」


脈絡のない言葉に思わずテギョンの声が裏返る。


「もう夏も終わっちゃいます。だから今のうちに、二人で夏の思い出、つくりましょう。」


テギョンを見つめるミニョの瞳は真剣だった。



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