You're My Only Shinin' Star (226) 幼馴染です 2 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

クラスの女の子達に意地悪されていたのはソンジェ君のせい?


意地悪されていたのとソンジェの名前がどうしても結びつかず、暫くしてもミニョはぽかんとした顔でミナムを見ていた。


「ミニョ・・・お前、記憶力ってものがないのか?」


「ひどいお兄ちゃん、そりゃあ私、たまにボーっとしてることあるけど、あの頃のことちゃんと憶えてる。だからはっきり言える、ソンジェ君は私のこといじめたりなんかしてない。」


いつから仲良くなったかなんて憶えていないが、いつも優しく接してくれたソンジェ。

いつも声をかけてくれて、いつも遊びに誘ってくれて。


「あ?何言ってるんだ?ソンジェがミニョのこといじめてたなんて言ってないじゃないか。」


「え?でもソンジェ君のせいだって・・・」


「俺が言ったのは・・・ハァ~ミニョ、記憶力がないんじゃなくて、自覚がなかったのか。洞察力が足りないというか・・・」


そういえばこいつは鈍感だった、と身体中の力が抜けたように大きなため息をつくと、ミナムは仕方ないとミニョにも判るように説明を始めた。


「ミニョ、ソンジェが人気があったのは憶えてるか?」


「んーと、勉強ができて、スポーツもできて、でもそういうとこ全然自慢してなくて・・・うん、きっと人気があったと思う。」


「あったんだよ、実際。特に一部の女共に絶大な人気があった。」


同じクラスでもない俺が知ってるのに、どうして同じクラスのミニョがその辺のとこ気づいてないんだ、とミナムは半ば呆れ顔で話を続ける。


「俺のクラスにもソンジェのこと好きなヤツが何人かいて、ミニョのクラスのヤツらと毎日キャーキャー騒いでたから間違いない。そのソンジェの・・・その女達にとってはアイドルのような存在だったソンジェの傍にいつもミニョがいたんだ。っていうか、ミニョにくっついてたのはソンジェの方だけどな。」


記憶を手繰る。

思い出すのはソンジェの笑顔。

教室で、廊下で。

気がつくといつの間にか近くにいて。

図書館の本を一緒に運んでくれたり、花壇の水やりを手伝ってくれたり。

いつもさり気なく助けてくれて、いつも笑顔で話しかけてくれた。


「でも・・・だからってどうしてソンジェ君のせいになるの?」


「まあ確かに、いくらソンジェがミニョのことが好きで、そのことが原因で妬まれていじめられてたからって、ソンジェが悪い訳じゃないけどな。」


「え?」


ミニョの驚いた表情にミナムはため息をついた。


「やっぱりな・・・あの頃気づいてなかったのは、たぶんクラスの中でもミニョだけだったと思う。あいつあんなにアピールしてたのに・・・子供の頃のこととはいえ、ソンジェがあまりにも不憫に思えてきたよ。」


ミナムは持っていたジュースを飲み干すと、空になった缶をゴミ箱へ投げ入れた。


「そういえばあいつ、この間は突然で話せなかったことがあるって、また今度会いたいって言ってたな・・・どうする?テギョンヒョン。」


ニヤリと笑うミナムの言葉はミニョにではなく、その後ろに立っていたテギョンに向けられた。ミニョが驚いて振り向くと、いつからそこにいたのか、険しい顔をしたテギョンが腕組みをしている。


「ミニョ・・・ソンジェって、誰だ?」


「オッパ、お帰りなさい。あの、えーっと、ソンジェ君は、幼馴染で・・・あ、この間お話ししたアクセサリーのお店をやってるっていう・・・」


「ソンジェ、くん?・・・あの話、男のことだったのか!?」


親しげに知らない男の名前を呼ぶミニョに、テギョンの眉間のしわはより一層深く刻まれる。


「チェ・ソンジェ、俺達の幼馴染。この間偶然会ってから俺は何度か会ってるけど、いつの間にかミニョも会ってたみたいだね。ミニョとすごく仲が良かったからさ、色々と昔の話とかしたいんじゃない?また会わせろってうるさくて。」


テギョンの眉がピクリと動いた。

ミナムは笑いを堪えながらテギョンの様子を窺うように顔を覗き込む。


「ミニョはテギョンヒョンのことが好きなんだし、もうすぐ結婚だってする。幼馴染に会うくらい別に反対しないだろ?」


「そりゃあ、まあ・・・」


テギョンの頬がひくひくと動く。


「じゃあソンジェにOKって返事しとくから。あいつ喜ぶだろうな。」


テギョンの目が鋭く光る。


「焼きもちも、ほどほどにしないと・・・嫌われるよ。」


テギョンの肩に手を置きボソッと呟くと、ミナムはテギョンの表情の変化を楽しむようにクスクスと笑った。





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