You're My Only Shinin' Star (223) 二人の距離 1 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

結婚式は中山聖堂で、というのがミニョの希望で、もちろんテギョンも賛成だった。数日前に二人で中山聖堂へ行き、カトリックではないテギョンが聖堂で結婚式を挙げることを神父様に許可してもらい、院長様に挨拶をした。

しかしアン社長のひと言で雲行きが怪しくなってきた。


「創立記念パーティー、一週間あとにずれることになった。」


秋に予定しているA★Nエンターテイメントの創立記念パーティー。

ソウルの中央を東西に横切るハンガンを運航する遊覧船一隻を一日借り切り、所属タレントの出演するCMのスポンサー、ドラマや映画の監督や脚本家、テレビ局の社長など芸能関係者を招いての船上パーティーが当初の予定より一週間遅くなることにより、結婚式と重なってしまった。

パーティーの最後にはA.N.JELLの演奏が予定されており、アン社長はテギョンに結婚式の日にちを変更できないかと言い出した。


「変えるつもりはありません。」


何を言い出すんだと顔をしかめたテギョンだが、声を荒らげることなく静かに答える。


「だがその日は船上パーティーだ、テギョンがいてくれないと困る。それにその時間俺達は皆、ソウルにいなきゃならない。誰も式には出られないぞ。」


挙式は十時、パーティーは十二時からで、移動や準備の時間を考えるととても式には出席できそうにない。

テギョンはアン社長の話を背中で聞きながら、今にも雨が降り出しそうな空を眺めた。







朝起きた時は雲一つない青空が広がっていた。しかし昼過ぎ頃から徐々に雲が増え、夕方になると空全体を埋め尽くす様に広がった分厚い雲で、辺りはどんよりと暗くなっていた。


施設での仕事を終えたミニョは灰色の空を見上げ、バス停でバスを待つ。朝出かける時に見た天気予報は今日は一日晴れだと言っていた。傘を持っていないミニョは降り出す前に帰りたかったのだが、無情にも雨はバスが来る前にポツリポツリと降り出した。


「降ってきちゃった。」


空から落ちる滴は開いた手のひらを濡らし乾いたアスファルトに黒い跡をつけていく。

近くに雨宿り出来るような場所はどこにもない。

バスが来るまであと十分ほど。

せめて降りが激しくならないようにと祈りながらその場に立ちバスを待っていると、不意に頭上に一本の傘が差し掛けられた。

ミニョが振り返るとそこに立っていたのは、ハン・テギョン。


「車で通りかかったら立ってるのが見えて、傘持ってないみたいだから・・・」


どこか気まずそうな表情でそう言い視線を逸らしたハン・テギョンに、ミニョは「ありがとうございます」と礼を言う。


以前にもこうして同じ場所で雨に濡れているミニョに傘を差し掛けた。

状況は同じなのに今はミニョを車へ連れて行くこともできず、かといってその場を立ち去ることもできず、ミニョが濡れないように傘を持ちただ立っているだけの自分にハン・テギョンは苦笑いを浮かべる。

一方ミニョも、A★Nエンターテイメントの事務所前で会った時のことを思い出すと、お元気でしたか?などととても笑顔では言えない。何か言おうと口を開き、でも何も言葉にできず唇を噛む。

一本の傘の下で隣り合い、互いに何も言わずしばらく雨をしのいでいたが、ハン・テギョンの肩が濡れていることに気づいたミニョは傘の柄に手を触れた。


「濡れてます。」


男物の大きな黒い傘。

寄り添っていればこのくらいの雨、濡れることなどないのだが、二人の間には距離がありミニョが濡れないようにと傘を傾けていた為、必然的にハン・テギョンの身体は傘の下から出ていた。

ミニョは柄に触れていた手に力を入れ自分の方に傾いている傘を真っ直ぐにしたが、すぐに押し返され先程と同じ角度に戻されてしまう。


「僕は大丈夫、それより・・・」


頭の上から降ってくるハン・テギョンの静かな声。


「・・・ごめん、あの時の僕はひどく感情的になっていて・・・ひどいことを言ったなって、ずっと気になってた・・・」


その言葉だけでミニョには何の事だかすぐに判った。


「いいえ、私の方こそ感情的になっちゃって・・・でも・・・」


一瞬さまよったミニョの視線はすぐにまたハン・テギョンに向けられた。


「私、間違ったことは言ってませんから。」


あの時と同じ様に黒い大きな瞳がハン・テギョンを見据える。

テギョンを護ろうとする時のミニョはハン・テギョンの知っているどこか頼りなげなミニョではなく、強い意志の力を感じる。


ハン・テギョンは微かに口元に笑みを浮かべた。


「バス、もうすぐ来るかな。僕、仕事の途中だからもう行かなくちゃ。傘、使って。」


「でも・・・」


「僕は車の中にもう一本あるから平気。」


傘をミニョに握らせる。本当は車の中に傘などないのだが、そう言わないとミニョは傘を受け取らないだろう。


「じゃあ。」


今までずっと傘から出ていたのだろう。すっかり濡れてしまった背中が雨音と共に遠ざかって行く。


「テギョンさん!・・・ありがとうございます。」


ミニョは大きな声でハン・テギョンを呼ぶとその背中に向かって頭を下げた。






バスに揺られミニョがマンションへ帰り着く頃には雨は止んでいた。

しずくの滴る黒い傘を見つめ玄関のドアを開けようとドアノブに手を伸ばした時、携帯が鳴った。テギョンからだ。

食事に行くから三十分後に下に来いと言われ、傘を傘立てに突っ込み慌てて部屋へと入る。

バタバタと着替えを済ませ身支度を整えるときっちり三十分後、ミニョはテギョンの車に乗った。




。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆




おかげさまで腰の具合もだいぶよくなり、車の運転も、椅子に座ってPCを打つこともできるようになりました。

そして金曜日はMRI検査に行ってきました。


筒状の機械ではなくオープンタイプのMRI。

以前にもやったことがありますが、仰向けでただじーっとしてるだけなので暇なんですよね。

ゴーンゴーン、ガガガガ・・・という結構うるさい音を聞きながらもいつの間にかうとうとしてしまい。

30分くらいで終わり、その後診察室で画像を見ながら説明を受けました。


『安静とリハビリ』 


まあ、予想通りですね。

とりあえず、無理しない程度に家事と子ども会の仕事をしていきたいと思います。




前回のつぶやきに、たくさんのコメ、メッセ、トーク、ありがとうございました。


「私も腰痛持ちです!」という方が結構いらっしゃって、色んなアドバイスもいただき参考になりました。



腰痛持ちのみなさん、お互いに無理は禁物!疲れはためないようにしましょうね。




宜しければ1クリックお願いします

  更新の励みになります

         ↓

   にほんブログ村 小説ブログ 二次小説へ
    にほんブログ村



  ペタしてね    読者登録してね