You're My Only Shinin' Star (220) 口実 | 星の輝き、月の光

星の輝き、月の光

「イケメンですね」(韓国版)の二次小説です。
ドラマの直後からのお話になります。

『ピンポーン・・・』




インターホンを鳴らして十数秒後、ミナムの目の前のドアが大きく開かれた。


「お、今日はやけに早いじゃん、俺が来るの待っててくれたんだ。」


いつもは自分の訪問になかなか開かないドアが今日はすんなり開いたことに喜んだミナム。


「何言ってんの、私が待ってたのは後ろに隠してるケーキよ。」


それが本心なのかどうかは定かではないが、ヘイは身体の後ろに隠すように箱を持って立っているミナムを部屋へとあげた。





リビングのテーブルに持っていた箱を置いたミナムはソファーへどさりと腰を下ろす。


「何よそれ、ケーキだって言ってたのは嘘だったの!?」


テーブルに載っているのはどう見てもケーキの箱ではなく、〇〇ラーメンと書かれた箱。

ミナムはヘイの好きなケーキショップの一日限定十個のケーキが手に入ったと電話してきて今ここに座っている。それなのにテーブルの上にはラーメンの箱。


ヘイは軽く睨むようにミナムを見下ろした。


「ああ、これ?嘘じゃない、ちゃんとケーキだよ。朝買って、合宿所の冷蔵庫に入れといたんだけど、ケーキだって判るとあっという間にジェルミに食べられちゃうから、この箱はカムフラージュ。」


ミナムはラーメンの箱を開け、中のケーキをヘイに見せた。


「食べられるって・・・人のもの、勝手に食べるの?」


「ケーキとかアイスとかはね。俺もジェルミのアイス、こっそり食べてるし、おあいこだけど。いつもはそんなに気にしないけど、今日のは絶対に食べられたくなかったんだ。」


ミナムの話を背中で聞きながらヘイはキッチンへ向かうとお湯を沸かし始める。


「ミルクティーでいいのよね。」


「サンキュー、今日は待遇いいじゃん。」


「ケーキ持って来てくれたからね。それにしてもよく手に入ったわね、そのケーキなかなか買えないのに・・・」


ミナムはキッチンで二人分のミルクティーを淹れているヘイの横から皿を二枚持っていくと、箱から出したケーキを載せた。


ヘイのお気に入りの店の一日限定十個のケーキ。

苺のソースがしみ込んだしっとりとしたスポンジ生地は、口どけ滑らかなたっぷりの生クリームで覆われている。そしてその上には大ぶりの甘い苺。


「今日は飲んでないのね。」


「まあね・・・」


ミルクティーを運んでくると、ヘイはソファーに座りケーキにフォークを入れた。

ミナムはテーブルを挟んだ向かい側の床にペタンと腰を下ろし、大きな苺を口へと運ぶ。


「ちょっとはスッキリした?でも気になるんでしょ?いつまで続けるつもり?」


あえて何のことだとも、誰のことだとも言わないヘイ。


「さあね・・・」


「素直じゃないわね。」


「お互い様だろ、ヘイだって素直とは言えないと思うけど・・・あ、でも今日は素直かな、俺が来た時すぐドア開けてくれたし、俺のこと待っててくれたんだろ?」


「さっきも言ったでしょ、私が待ってたのはミナムじゃなくて、ケーキよ。持って来るって電話してきたじゃない。」


「やっぱり、素直じゃないな。」


ヘイがドアを開けた時一瞬みせた嬉しそうな顔。

その視線はケーキではなくミナムに向けられていた。

そのことに気づいていたミナムはそう呟くと軽く口を尖らす。


あっという間にケーキをパクパクと食べてしまったミナムはミルクティーをぐいっと飲み、そのまま床にゴロンと寝転がった。

大きく伸びをすると手を枕代わりに頭の下で組み、ゆっくりと息を吐いた。


ヘイとの会話はとても甘いとは言い難いが、一緒にいると心が安らぐ。素の自分を見せることができるせいかこの場所も居心地がいい。

顔を横に向ければテーブルの向こうに見えるヘイの素足。

眺めもいい。

欲をいえばスカートはもう少し短めの方が好みだが・・・


「次はどんなケーキがいい?今度来る時買って来るよ。」


ミナムはヘイの足に向かって話しかけた。


「何よ急に、今まで持って来るのはお酒ばっかりだったのに。そのケーキだってどうせマ室長を並ばせたんでしょ。開店前から並んでなきゃ買えないんだから。」


「どうやって手に入れたっていいだろ?酒だと渋い顔するけどケーキなら喜んでドア開けるくせに。」


「要するにここに来るための口実ね、『ケーキ買って来た』って。」


ティーカップに口をつけミルクティーを飲むヘイを横目で見ながら起き上ると、ミナムは帰り支度を始めた。


「何よ、もう帰るの?」


「俺昨日遅かったんだ。今朝も早かったし、帰って寝る。」


いつもならヘイが文句を言っても泊まっていくミナムがあっさりと帰ると言い、ヘイは慌ててソファーから立ち上がった。

しかしすでにミナムは玄関で靴を履き終え、ドアを大きく開けると振り返ることなく出て行ってしまった。






数日後。

合宿所の練習室から出てきたミナムのポケットの中で携帯が鳴る。


「何だよミナム、鳴ってるじゃないか、出ないのか?」


「いや、出るけど。」


ミナムは鳴り続ける携帯に、わざとゆっくりと出た。


「ヘイからかけてくるなんて珍しいじゃん。」


『昨日あのお店に行ったら店員が教えてくれたんだけど・・・あのケーキ、ミナムが開店前に二時間も並んで買ったんだって?深夜の生放送のラジオ番組に出た後、ちょっとだけ寝て一番に並んだって話してたって・・・どうして言わないのよ、私てっきり・・・』


「どうやって買ったってヘイには関係ないだろ?どうせただの口実なんだから。それで?何か用?」


ぶっきら棒なミナムの言い方にヘイの言葉が詰まる。


『あの・・・ごめん・・・それと、この前の返事・・・私、今度はフルーツタルトがいい・・・』


「・・・了解。」


ミナムは短く答えると携帯を切った。


「ホント、素直じゃないよな。俺を呼ぶ為の口実が欲しいのはヘイの方だろ。」


クスッと小さく笑うと、ミナムは見つめていた携帯をポケットへ突っ込んだ。



。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆ 。.:*゜゜*:..☆




一週間ほどPC開けてませんでした~m(__)m



久しぶりにマイページ見てびっくり!

赤い文字がいっぱい!!



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ありがとうございます!


そして、すみませ~んヽ(;´Д`)ノ



『返事が遅れてごめんなさい』 記事を書こうかとも思いましたが、ただでさえ本編の更新が遅いのにそんなもんアップするなら少しでも早くお話書いた方がいいかな~と思って、ここにこうして書いてます。


それなのに~寝落ちした~。(´д`lll)

夜の間にアップしたかったのに、気づいたらメンテ中!

最近夜が弱くて・・・



コンタクトを取ろうとして下さった方、ただ今順次返信中ですので、今しばらくお待ち下さい。




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